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思想を学ぶ

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思想に関する記事をこちらのマガジンにまとめています。
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記事一覧

なぜ軍人ではなく、政治家が戦争を指導すべきなのか?

プロイセンの軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831)は軍事学の研究者と見なされ…

なぜ民主主義国は戦争が長引くほど強くなるとトクヴィルは考えたのか?

アレクシ・ド・トクヴィル(1805~1859)は、1831年に9か月にわたるアメリカでの現地調査を行…

自尊感情を満たす名誉を利用すれば、政治体制の安定性を強化できる

20世紀ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの説では、さまざまな政治行動の動機の一つとして…

なぜ経済学の父アダム・スミスは国民が軍事教練を受けることを推奨したのか?

アダム・スミス(1723~1790)といえば、経済学の歴史に残る古典的著作『国富論』(1776)の著…

マキアヴェッリの政治学の背後には、数世紀に及ぶ思想の変化があった

イタリアのフィレンツェで行政官を務めたニッコロ・マキアヴェッリ(1469~1527)が書き残した…

なぜ戦争を研究する人々は政策によって戦略の成否が決まると考えるのか

戦争や安全保障を研究する専門家にとっては当たり前のことですが、そうではない人にとって理解…

山の民は自由を愛し、抑圧に抵抗する:モンテスキューの政治地理学

フランスの思想家シャルル・ド・モンテスキュー(1689~1755)は、その民族がどのような地域に住んでいるかによって、規範、法律、さらに政治体制までもが影響を受けると考えていました。 今回は、モンテスキューの政治地理学の考え方を紹介するため、『法の精神』の第18編で論じられた山岳民族の考察を取り上げたいと思います。 大きな資産を持たない山岳民は争いを恐れないまず、モンテスキューは、ある土地で人々が保有する資産の大きさに着目しています。もし肥沃な農地に恵まれた住民であれば、

難しい交渉をまとめる秘訣とは何か? フランスの外交官カリエールが教える外交の技術

フランソワ・ド・カリエール(1645~1717)は外交の古典的著作『外交談判論(De la manière d…

戦争の原因を探求した哲学者カントが常備軍と戦時国債の二つを禁止すべきだと主張した…

18世紀にプロイセンで活躍した哲学者イマヌエル・カントは『永遠平和のために(Zum Ewigen Fri…

カリスマによる支配体制が決して長続きしない理由をウェーバーに語らせる

今ではカリスマ美容師やカリスマ講師など、カリスマという言葉をよく耳にするようになりました…

支配者はイデオロギーでいかに人々の意識を操作するのか、マルクス・エンゲルス『ドイ…

19世紀の革命家カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルス(以下、マルクス・エンゲルス)の…

哲学者アレントは、大衆を政治的に動員するプロパガンダには、一定の特徴があることを…

哲学者ハンナ・アレント(1906~1975)は1951年に『全体主義の起源』という著作の中で、全体主…

全体主義の出現と中産階級の没落には関係があるとハイエクは説明した

オーストリア出身の経済学者、あるいは政治思想家として有名なフリードリヒ・ハイエク(1899~…

国家の防衛を考えれば、国土の面積は中規模がよいと主張したモンテスキュー

世界で最も大きな領土を有する国家はロシアであり、2位以下はカナダ、アメリカ、中国、ブラジルと続きます。しかし、こんな領土面積のランキングを知ったところで、雑学程度の価値しかないと思われる方もいるかもしれません。 しかし、政治学の長い歴史においては、この領土の広さが政治情勢に与える影響を真剣に考察した人物が何人か存在します。18世紀に活躍したフランスの思想家シャルル・ド・モンテスキュー(1689~1755)もその一人であり、その功績で彼は政治地理学の先駆者として位置づけられる