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【特選映画】ジョン・グリシャム原作の大物映画監督作品

ベストセラー作家 ジョン・グリシャム

学生時代 、スティーヴン・キング作品の訳者として有名な白石朗さんが主に翻訳を担当していたジョン・グリシャムの本が大好きで、よく読んでいました。

 ジョン・グリシャムと言えば、特に90年代から2000年にかけて、連続で毎年全米1位の売り上げを記録していて、こちらも大好きだった、『ジュラシック・パーク』のマイクル・クライトンと、当時は、映画化権料の記録を争っていました。

  ジョン・グリシャム自身の弁護士や州議会議員の経験を生かした、リーガル・サスペンスものが中心で、現在も、アメリカのベストセラー作家として活躍しています。

  昔ほど作品が映像化されていないので、日本では、出版される機会も少し減っていますが、最近では、昨年発売された、リーガル・サスペンスではありませんが、村上春樹訳の『「グレート・ギャツビー」を追え』が話題になりました。


現在、Amazon prime video プライム会員特典で、ジョエル・シュマッカー監督の『依頼人』と『評決のとき』が視聴でき、改めてジョン・グリシャムやジョエル・シュマッカー監督の功績を感じたので、今回は、ジョン・グリシャム原作で、現在、動画配信中の大物映画監督の作品を取り上げます。

『依頼人』 (1994)  監督:ジョエル・シュマッカー


ジョエル・シュマッカー監督の代表作が、『バットマン』のような見出しのニュースを見て、とても残念に思ったのですが、本作を含めて良作が本当に多い監督です。

 『8㎜』や『フォーン・ブース』などの緊迫感があるサスペンスから『オペラ座の怪人』のミュージカル大作まで、エンターテイメント作品をほぼ完璧に完成させる監督ですが、『バットマン』シリーズ2作は、オリジナルに比較的沿った内容と制作費の面もあって失敗作とされています。特に、クリストファー・ノーランのダークナイトシリーズの成功により余計に強調されることになりました。

 個人的には、『フローレス』(1999)が、とても気に入っていて、難しい題材をコメディーとして昇華させています。ロバート・デ・ニーロとフリップ・シーモア・ホフマンの化学反応が凄くて、地味な作品ですが、かなりのインパクトがあります。

  そして、同じくらい好きな作品が、『依頼人』です。ハリウッドの大物実力派俳優のスーザン・サランドンとトミー・リー・ジョーンズに引けを取らない存在感を放っているのが、この作品がデビュー作だったブラッド・レンフロです。


『評決のとき』 (1996) 監督:ジョエル・シュマッカー

 そして、『依頼人』で、ジョン・グリシャムの信任を得て再タッグを組んだのが、『評決のとき』です。ジョン・グリシャムは、社会問題を先取りした題材が多く、本作も裁判におけるアフリカ系アメリカ人差別問題を取り上げています。サミュエル・L・ジャクソンとサンドラ・ブロックとともに主演を張っているのが、本作がデビュー作で、今ではハリウッドのトップ俳優であるマシュー・マコノヒーです。


『ザ・ファーム 法律事務所』 (1993) 監督:シドニー・ポラック

 ここからは、ジョエル・シュマッカー監督 以外の作品を紹介します。

『愛と哀しみの果て』のシドニー・ポラックが、当時全盛期だったトム・クルーズを迎えて撮ったのが、『ザ・ファーム 法律事務所』です。

 ジョン・グリシャムの作品は、政治権力や社会の闇に立ち向かうストーリーが基調となっていますが、若き弁護士の野心と正義感の葛藤を扱っているものも多く、本作もそんな作品の一つです。


『レインメイカー』(1997) 監督:フランシス・フォード・コッポラ

 そして、『ザ・ファーム 法律事務所』に比べると少し派手さはありませんが、似たテーマを扱っているのが、『レインメイカー』です。タバコ会社を相手にした訴訟とDV問題を扱っています。

こちらは、フランシス・フォード・コッポラ監督が、当時若手有望株だったマッド・デイモンとクレア・デインズを起用しています。原作は、『原告側弁護人』。


『ペリカン文書』(1993) 監督:アラン・J・パクラ

 こちらも、大物監督である『ソフィーの選択』『大統領の陰謀』『コールガール』のアラン・J・パクラ監督が、当時人気絶頂だったジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンを主演に起用した作品で、『依頼人』同様に緊迫感が楽しめるサスペンスです。


その他にも以下の映画化された作品があります。


『チェンバー/凍った絆』(1997)


原作は、『処刑室』で、アフリカ系アメリカ人差別、ヘイトスピーチと死刑制度に焦点を当てた作品です。ジーン・ハックマンと『NCIS:LA』のクリス・オドネルを主演に起用した作品です。 内容が、エンターテイメント性に薄く、重く難しい問題を含んでいたため、なかなか興業的に成功だったとは言いにくい作品です。 しかし、個人的に、原作に関しては、白石朗さんの訳も大きく貢献していると思いますが、今回挙げた作品の中では、もっとも感動した作品です。


『ニューオーリンズ・トライアル』(2003)

 原作は、『陪審評決』で、陪審員制度の問題点をクローズアップしていますが、訴訟相手が、タバコ会社から銃の製造メーカーに変更されています。主演に、ジョン・キューザックを迎え、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマンが脇を固めています。 これ以後、ジョン・グリシャム作品があまり映画化されていませんが、本作も緊迫感があり、充分楽しめる作品です。


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