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「5年後も、僕は生きています ㉝サレンダー、ふたたび」

今日も、このnoteにご訪問頂き、ありがとうございます。
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何かのご参考になれば、嬉しいです。


僕自身の体験と気づきの「生還記」です。肺がんステージ4宣告から、生還までの体験記(2016年9月~2017年7月まで)です。
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何かのご参考になれば光栄です。
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「5年後も、僕は生きています」第1話から読みたい方はこちらからお読みくださいね。

では、「5年後も、僕は生きています」第33話です。

第33話「サレンダー、ふたたび」


2018年11月11日、僕が生まれて初めて癌からの生還体験を人前で話した、まさにその日の夜でした。

まるで神様がそのタイミグを図っていたかのように、僕の携帯がメールを受信しました。


ブブブ~ッ!!



誰だろう?

急いで宛先を見てみると、先日訪ねて原稿をチェックした出版社からです。

なんだろう?


少し胸騒ぎを感じながら、僕は急いで受信画面を開きました。

すると…


こんな文字が目に飛び込んできました。

「出版に対する方向性の違いがあるようです。

今回の出版は残念ながら“なし”ということにしましょう」


なし?


なしって、なしってこと?


心臓が、ドキドキしだしました。

僕は急いで文章の続きに目を落しました。


「いままでお疲れ様でした。これからもご体調にはお気をつけください」


それで、終わりでした。


半年以上、何度も打ち合わせや書き直しやあれこれ一緒にやってきて、たった2行ぽっちのメールで、関係終了です。

もちろん、原稿料などはもらっていません。


それよりも、出版が唐突になくなったことにショックを受けました。

いままで「ある」と思っていたものが、突然「消えた」「なくなった」という感覚です。


心の中に声が響きます。


出版が、没になった…


マジかよ


あの苦しかった6ヶ月は、一体何だったんだ?

あんなにボカスカ、サンドバックみたいに書き直させられて、これかよ。

ストレスで再発しそうになってまで、必死に書き上げたのに…


なんだよ

なんだよ

いったい、なんなんだよ


会社クビのあとは、出版ボツかよ。


僕の魂の計画って、いったいなんなんだよ。



喜ばせたり

落としたり


上げたり

下げたり


最後に落とすなら、最初に喜ばすなよ

最後に落とすなら、最初に上げるなよ



いい加減にしてくれよ

勘弁してくれよ

もっと、ラクさせてくれよ



僕の頭の中でネガティブな言葉が、チェーンメールのように数珠つなぎで流れていきました。

僕は、その中にどっぷりと浸りこんでしまいました。

そして、がっかりとモヤモヤを抱えたまま、悶々と一晩過ごしました。



僕はいままでもこういう「屋根に登って、はしごを外される」という体験を何度も繰り返して来ました。

前年(2017年)の年末に当時勤めていた会社を、ガンを理由にクビになったときも、同じような気分を感じました。


「僕は“被害者”だ」

「僕は“犠牲者”だ」


僕の中の、ちっこい「エゴ」が叫んでいました。


「僕は“不運”だ」

「僕は“かわいそうだ”」

「ひどいやつらだ」

「ありえないだろ」

明け方、うつらうつらしながら心の中のネガティブなおしゃべりに浸っていたとき、ふいに、僕は気づきました。



あれ?



これ言ってるの、だれ?

これって、ガンになる前の、あの「僕」じゃない?



ふいに、目の前がスカッと開けた感じがしました。

そう、ネガティブな文句を言っている「自分」を、もう一人の「自分」が上から見ている、そんな感覚です。


ブツブツ言っているのは、前の「僕」。

それは雲海の「僕」。

「雲」の僕。

灰色で、黒くて、湿っていて、ジメジメ、めそめそ、べたべたした「僕」


いまの僕は、違うよね。


そう、上から見ている「自分」は、明らかに文句を言っている「自分」とは違いました。

それは、その雲海を上から見下ろしている、僕だったのです。


そうだよ、サレンダー、体験したじゃんか。

昨日、みんなに話したばっかじゃんか。

宇宙を信頼する、っていうことさ。


そうです、僕は自分が言ったことを、すっかり忘れていたのです。



これはね、宇宙・全体に“僕自身”を明け渡すっていうことなんだよ。

サレンダー…


お任せ


それを「ガン」じゃなくって、今度は「出版」というもので体験しろってことなんだよ。


目の前に起きていることは「完璧」で「完全」なんだよ。


大丈夫。


起きるべきことが、起こっているんだ。


これも、宇宙の必然であり、僕の「魂の計画」の一部なんだよ。


明け渡そう。


手放そう。


サレンダー(降参)しよう


ぶつぶつ文句を言い続けている、ちっこい自分(エゴ)を手放そう。


そう、この体験は、このちっこいエゴにに気づき、それを手放すということを学ぶために「魂くん」が用意したことなんだよ。


目の前に起こったことを、考えずに、抵抗せずに、判断せずに、執着せずに、全信頼、100%受け入れるんだ。


僕は、その出版の話を完全に“手放し”ました。

その瞬間、不思議なことに、がっかりやモヤモヤが、まるでカスミのように消え去ったのです。


いま(2022年)から振り返ると、あの原稿が出版されなくて、本当に良かったです。

作品としての良し悪しや完成度は置いておいても、編集者の手が入っている分だけ、違うものになっていたことは事実です。

あの原稿は、僕の作品ではありませんでした。


きっと宇宙が、出版を止めてくれたんでしょう。

さすが宇宙、グッジョブです。


それが「初めて生還体験を語った日の夜」に起こったことであることも、宇宙のベストタイミング、あるいはこれからの僕の方向性を示してくれていたと思います。


これでいいんだよ


大丈夫だから


宇宙は優しいので、そういうふうにベストなタイミングでベストなメッセージを与えてくれるんです。

そしてその後、運命的な出会いがあり、「僕は、死なない。」が生まれることになるのです。

人生とは、ほんとうに不思議です。


㉞へ続く


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