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思うようにしたらいいよ

私が自殺をほのめかしていたら、旧友から連絡が来た。

彼とは小学3年生の時に出会った。
私が高校生の頃、自殺をほのめかすとわざわざ家に上げてくれて、お昼ごはんを用意してくれた。

そんな彼からの言葉は「大丈夫か?」だった。
ありきたりな言葉。
だが、彼がわざわざ連絡を寄越してきたのだから、きっと私の心の声を聴く気があるんだろうと思った。
私は希死念慮が湧き上がってくること、自殺未遂をしていることを伝えた。
すると彼から返事が来た。

「思うようにしたらいいよ」

私は嬉しくて涙が出た。なんて返事していいかわからなくて、ただ「ありがとう」とだけ返信した。
私が彼の立場だったらあんなこと言えただろうかと考えた。
自殺をほのめかしている人間に「思うようにしたらいいよ」。
普通はだって、「死ぬな」とか「絶対にあきらめるなよ」とかだろう。でも、そういう言葉には私は飽き飽きしているんだ。
そんなところに来た、彼の言葉。
「思うようにしたらいいよ」
覚悟があるなと思った。友人としての覚悟。
彼は、私が自殺をしてもそれを受け入れる気でいたのだろう。
友人で居続けるためには覚悟がいるんだなと思った。
ただ楽しいことを共有するだけではダメなんだ。

「思うようにしたらいいよ」
彼の言葉を胸に、とりあえず今日は自殺しない。

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