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❖東南アジア最後の秘境を貫く赤きグローバリズム❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2021年12月4日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を) 
◆東南アジア最後の秘境を貫く赤きグローバリズム◆
いよいよ始発列車が動き出した。中国ラオス鉄道(老中鉄路)が開業となった。フランス植民地時代の鉄道が第二次世界大戦が終わって廃線となった後、タイ国境付近の一駅を除き、ラオス国内を通る鉄道はなかった。しかし、中国の「一帯一路構想」の一環で進められてきた鉄道事業が、完成予定より遅れたものの、ようやく開通となったのである。今までのラオスといえば、メコン川は途中に滝があるため外洋からの船舶を受け入れることができず、周辺国との鉄道の繋がりもなく、空路もラオスの航空会社は長距離運行ができないためタイやベトナム経由に頼らざるを得ず、アクセスに不便な内陸国であった。だが、これによってラオスのビエンサワット公共事業交通相が述べたように、「この鉄道はラオスを内陸国から連結国へと変える。人々の生活を向上させる」という期待に胸を胸を膨らませる人も少なくないだろう。ラオスの悲願達成ということで、「ワナワナ」と心震わせる側面がある一方で、この事業を進めるために中国から多額の借入をしており、一部報道ではGDPの3割に上るということで、返済できなければ鉄道施設を中国に譲渡しなければならない「債務のワナ」も見え隠れしている。長い間、アクセスに不便な内陸国だったからこそ、ラオスは「東南アジア最後の秘境」という魅力・価値が保たれていたわけだが、この鉄道開通が、赤きグローバリズムの荒波にラオスを飲み込んでいくことになるだろう。二年前ラオス(ビエンチャン)に住んでいて、国内旅行で世界遺産の古都ルアンパバーンを訪れたとき、メコン川の中にそびえる不気味な建造物群の様子を思い出した。あの時はまだ鉄道橋は建設途中であった。この鉄道開通によって、のんびりすぎるくらいのんびりな雰囲気の中で素朴に暮らすラオスの人々の生活も、流れる時間が早くなっていくと思うと寂しい気持ちになる。(当時のルアンパバーンの鉄道建設の様子の写真と動画を掲載。単にメコン川を行ったり来たりするだけなのに高額請求された「ボッタク『リ』バークルーズ」だったが、今になって当時の写真や動画があることで、この記事の臨場感が増すことを考えると、「人生万事塞翁が馬」であると痛感させられる)

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