【#絵から小説】 ノクターンより 【ショートショート】
うららかな陽気の午後。やがて迎える年月の終わりに備え、優衣香は自室の片付けをしていた。息子夫婦と孫娘を交え、掘り出し物の懐かしい写真や息子の成績表などに楽しげな声を上げている。
箪笥の奥にしまっていたブリキ缶を開け、目に付いた一枚の写真を手に取ると優衣香はたちまち懐かしい気持ちを抑え切れなくなった。
老齢の優衣香の背中に飛び乗るようにして、その写真を覗き込んだ孫娘が目を丸くしている。
「えー! 左の人ってお婆ちゃん?」
「そうよ。こんな時代がお婆ちゃんにもあったんだ