【小説】 おーい、おるかぁ 【ショートショート】
アパートに帰って飯を食いながらテレビを観ていたら、夜も九時を回りそうな頃に突然ドアをノックされた。インターフォンも鳴らさずに、一体何事かと思って耳を傾ける。
ノックはコンコン、コンコン、と続いていたが、三度鳴らされるとピタリと止んだ。
こんな時間に一体誰だろうと思い、ドアホンのモニターを点けて確かめてみる。
しかし映し出された映像には誰の姿もなく、人の気配や物音すら聞こえては来なかった。
まぁよっぽど急ぎの用事があるならば再び来るだろうと思ってドアホンを消すと、玄関