マガジンのカバー画像

ショートショート広場

195
一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
運営しているクリエイター

#恐怖

【小説】 衛星が通過します 【ショートショート】

 それはふた昔も前の、初夏の出来事だった。  田代町の住民は人を絶望的な恐怖を与える「衛…

大枝 岳志
1か月前
13

【小説】 子供に注意 【ショートショート】

 地方再生の一環として造られた老齢村へ取材へ行くために、私はハンドルを握っていた。  地…

大枝 岳志
1か月前
17

【小説】 病名「いい人」 【ショートショート】

 浜本青年には幼い頃から決して揺るがない、とある信念があった。  それは、いつどんな状況…

大枝 岳志
2か月前
10

【短編小説】 瞬きする魚 

 アパートへ帰る途中、フードを被った黒ずくめの怪しげな青年と擦れ違った。  青年の目は魚…

大枝 岳志
2か月前
20

【短編小説】 不慮の事故 

※怒鳴る系のパワハラ、及び出血を伴う残酷描写があります。 心の臓が弱い方は、是非ご遠慮下…

大枝 岳志
2か月前
13

【短編小説】 気狂い小径 

 小学五年時。友達、百人。  クラスのみーんな、みーんなが私の話しに食いついて、目を見開…

大枝 岳志
2か月前
14

【小説】 六の目が出たら 【ショートショート】

 今、僕は人生でぶっちぎりに最悪な日を過ごしている。  間違いなく、昨日まではバラ色だったのに。  出会いは二週間前。錦糸町のバーだった。その夜、さんざん盛り上がった僕らはそのままホテルへ雪崩れ込んで一夜を明かした。  まるで水のように透き通る肌。絹のような髪に、氷のようなまなざし。  完璧な女だった。それに、他愛もないような会話まで盛り上がった。  今はどうだろう? 原因は僕が散々調子に乗ったせいでもある。  僕は彼女を抱きながら、ベッドの上でこんなことを吹いたのだ。

【小説】 特殊雨予報 【ショートショート】

 三月すらまだやって来ていないというのに、日中の気温は二十度を上回っていた。  蒸し暑い…

大枝 岳志
3か月前
9

【小説】 高架下にて 【ショートショート】

 深夜一時。  繁華街で飲み歩き、北口から南口へ抜ける高架下に入る。     人の気配も…

大枝 岳志
5か月前
9

【小説】 オニイチャン 【ショートショート】

 休みの朝。コンビニへ煙草を買いに向かっていると、公園の脇を通り掛けに左手前の茂みからサ…

大枝 岳志
5か月前
11

【小説】 何時に合わせますか 【ショートショート】

 高校の入学祝いに、僕はお父さんから腕時計をプレゼントされた。それは誰もが知っているブラ…

大枝 岳志
5か月前
19

【小説】 感嘆符 【ショートショート】

 ベルトコンベアの上を延々と荷物が流れて行く。同じ形で同じ重さの、同じ商品達。  5分に…

大枝 岳志
7か月前
15

【小説】 十四階から 【ショートショート】

 もう何もかもが嫌になってしまった。生きていても良いことなんか贅沢だと思い望んでないのに…

大枝 岳志
7か月前
8

【小説】 おーい、おるかぁ 【ショートショート】

 アパートに帰って飯を食いながらテレビを観ていたら、夜も九時を回りそうな頃に突然ドアをノックされた。インターフォンも鳴らさずに、一体何事かと思って耳を傾ける。  ノックはコンコン、コンコン、と続いていたが、三度鳴らされるとピタリと止んだ。  こんな時間に一体誰だろうと思い、ドアホンのモニターを点けて確かめてみる。  しかし映し出された映像には誰の姿もなく、人の気配や物音すら聞こえては来なかった。  まぁよっぽど急ぎの用事があるならば再び来るだろうと思ってドアホンを消すと、玄関