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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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#ショートショート

【小説】 缶詰先生 【ショートショート】

 その日、鯖カレーを猛烈に食べたくなった私は近所のコンビニエンスストアへ急ぎ、レトルトカ…

大枝 岳志
6日前
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【小説】 ドアマンの憂い 【ショートショート】

 劇場のドアマンがその職に就いたのは独裁者の気まぐれからであった。  とある演説後、独裁…

大枝 岳志
2週間前
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【小説】 社会死葬儀 【ショートショート】

 予定通りに行けば昨日、私の葬儀が執り行われたはずだ。  最も、この肉体の死を弔う葬儀で…

大枝 岳志
2週間前
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【小説】 夏。収穫アルバイト 【ショートショート】

 高校生活最後の夏休み。受験勉強そっちのけでアニメを観ていた僕は、ある作品の影響からカッ…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 わくわく抽選会 【ショートショート】

 地元の商店街で買い物をしたレシートを五枚集めると、大型テレビやAIスピーカーなんかが当…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 夕闇に告ぐ 【ショートショート】

生まれたはずであるこの街の、少し駅から離れた踏切の向う側の景色を実は彼女はあまり良く知り…

大枝 岳志
3週間前
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【小説】 笑顔の携帯ショップ 【ショートショート】

 日曜で多忙を極める携帯ショップのカウンター。勤務二ヶ月目にして高岡真奈美は、椅子にふんぞり返る老人相手に今にも泣き出したい気持ちになっていた。  口を「への字」に曲げた如何にも偏屈そうな顔をしつつ、実際に偏屈な性格の老人の名は日ノ出昭二、御年八十歳。  前日に暇潰しにモールに所在するこの携帯ショップへ訪れ、スマホを眺めていた所、高岡に「お探しですか?」と声を掛けられた。  日ノ出は二つ折りの「ガラケー」しか持った試しがなかったものの、「カンタンに操作できる」と高岡に唆され、

【小説】 駅前おじさんの真実 【ショートショート】

 東京○○区駅前等で非常によく見られる光景の一つに、昼間から泥酔し切った中高年者がロータ…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 夢の街 【ショートショート】

 ガラクタの山、冴えない通り、曲がり角に立ち続ける古びた娼婦が男に声を掛けた。 「どうせ…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 当たりが出ました 【ショートショート】

 小学校へ続く通り沿いに建つ駄菓子屋の「ひのや」は夕方になると、子供達が集まって来る。 …

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 嘘っ子バー 【ショートショート】

 男も四十を過ぎると自然、女に興味が無くなってしまう。よほどの病的物好きでもない限り、若…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 誰が為に、 【ショートショート】

 三十五歳を過ぎた頃から、人と関わりを持つことが極端に億劫に感じるようになった。  一円…

大枝 岳志
2か月前
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【小説】 よーい、どん! 【ショートショート】

 サッカーとかバスケとか、みんな憧れてやっているけど僕は苦手だ。  今は小学校六年生だか…

大枝 岳志
2か月前
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【小説】 父と私の土曜日 【ショートショート】 

 三ヵ月ぶりに危急の用件で実家に帰ることになった。キッカケはマネージャーを通して伝えられた番組側の「些細な」要望から。 「未来ちゃん。そんな訳だから小さい頃のお写真、五枚くらい用意してもらえない?」 「オッケー、土曜に実家に帰って取って来ます」 「うん、大事なシゴトだから。よろしくね」  バラエティ番組の「小さい頃にハマっていたもの」というコーナーアンケートと一緒に、幼少期の写真を提出することになった。どうせ画面に映るならカワイイ私がいいな~、けど、そんな写真あったっけな