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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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2022年8月の記事一覧

【小説】 ぼったくり風バー 【ショートショート】

 今年四十になると言うのに、私には嫁どころか彼女すらいない。というか、今までいたことがな…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 なにを布施ましょう 【ショートショート】

 退屈な仕事を終え、退屈なオフィスを出て、退屈な街へ帰る。彼女もいない僕の日常には何らめ…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 ひまわりばたけ 【ショートショート】

 仕事が夏季休暇に入ると小学五年になる息子と二人きりで過ごす時間が増えた。この家で家族と…

大枝 岳志
1年前
21

【小説】 凶王と兵隊 【ショートショート】

 今を遡ること中世の時代、西の国にある残虐な王がいた。  王がまだ若い頃は大変聡明で柔和…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 隣の男 【ショートショート】

 中野から青梅街道を練馬に向けて走っていると、突然の渋滞にハマってしまった。  急ぎの用…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 野辺の人々 【ショートショート】

 何もこんな場所に建てなくても良いだろうという場所に、うちの会社は新しい工場を建てた。 …

大枝 岳志
1年前
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【小説】 おばけの悩みごと 【ショートショート】

 深夜。私と彼は山深い場所にある湿り気と黴臭さの漂う小さなトンネルの中にいた。ここは昭和初期に作られたトンネルで、この山道を作る為に徴用された数多くの工員が命を落とした場所として知られていたのだ。 「正樹、撮るよ?」 「あぁ、必ず映るって話だからな……頼んだ」  トンネル内に響く水の滴る音に混じってスマホのシャッター音が鳴ると同時に、私は悲鳴を上げた。 「きゃああああああああ!」 「ナオ、どうした!?」 「いっ、いる! いるの!」 「え……」  写真など撮らなくても、

【小説】 ハラスメントラベラー 【ショートショート】

 バブル末期の暑い八月。島型レイアウトの並びの課長席に座る坂本はこめかみに青筋を浮かべな…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 奇祭・軽トラどつきあい祭り 【ショートショート】

 北陸地方の山間に位置する「O村」では二百年の歴史を持つとある奇祭が行われていると聞き、…

大枝 岳志
1年前
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