【神田ではたらく社長の告白】フロッグが分社化して1年半。メディアは運営してるけど、本当はメディア事業の会社じゃないんです
大変ご無沙汰しております。前回のnote(2020年11月)から実に1年と9ヶ月。ご存知の方も多いと思いますが、2021年1月にゴーリストから既存事業を分社化させ、新たに株式会社フロッグを作り、代表になりました。現在もゴーリストの取締役は引き続き兼務しています。
実は分社化が決まったのは2020年10月で、ゴーリスト創業記念日の1月5日に合わせようとなり、ベンチャーらしく突貫でホームページなど作りました。
久しぶりにnoteを書いているのは「フロッグさんってメディアの会社ですよね?」と初めて会う人に聞かれることが増えたから。フロッグをよく知る方はご存知のことばかりだと思うのでこのあたりで閉じてもらって大丈夫です!
このnoteでは今フロッグがなぜ会社になって、どんな現在地にいて、これからどんな方向に進んでいくのか、そして今菊池が最注力していることをお伝えします。ご興味をお持ちいただけた方はぜひ最後までお付き合いください。
フロッグはメディア事業の会社じゃないんです
いまフロッグの仕事をしているメンバーは40名弱。うち半数がエンジニア・デザイナーの組織です。続いてマーケ・メディア、セールスが少ない組織構成です。
社名・サービスの由来にもなった人材業界向けメディア「HRog」は「人材業界の一歩先を照らすメディア」をコンセプトに運営してもうすぐ9年になります。
おかげ様で人材業界で働く方や人事の方にご認知いただき、名刺交換した際には「HRogいつも見てます」と嬉しいお声をいただくこともしばしば(ありがたい・・・!)
ですが、株式会社フロッグはメディアHRogで売上を上げていません。記事は編集部が中心になって作成していて、広告収益はありません。編集部が面白いと思った内容を独自に取材し、取り上げ続けています。
メディアをマネタイズしない2つの理由
1つ目の理由は読者ファーストで物事を考えたときに広告は不必要だったから。ここは編集長としての僕の考えが大きいですが、他のメディアを見ていて関係のない広告を強制的に見せられることが嫌いです。必要以上に個人情報を取ろうとしてくるのも嫌いです。不必要にガンガン送られてくるメルマガはフィルタでアーカイブです(事業としては正解なのかもしれませんが)
あと僕らのスタンスとして、どこかに肩入れするのではなく、第3者・中立のポジショニングを大事にしています。
もし、収益化を考えるときが来るとしたら、メンバーからHRogを収益化してもっと伸ばしたいという話が出てきたら。メンバーがどうしてもやりたいってなったらちゃんと考えます。
2つ目の理由は自社サービスのリード獲得につながっているから。収益化しなくても続けることができている理由は経営的にはこちらのほうが大きいです。2021年はホワイトペーパーのダウンロードなども含め、1300件のコンバージョンがありました。年々大きく飛躍しています。
フロッグが売上を上げている3つの事業
では、どうやってフロッグが生計を立てているかというと、実はメディアのほかに3つの事業・8個のサービスを展開しています。
①人材業界向けセールス/マーケティング支援事業
公開されている求人情報をクローリングして集め、求人のビッグデータで人材業界のセールス・マーケを支援しています。
HRogリストはわかりやすくいうと求人媒体に出稿している「HOTリスト」です。いまでは主に求人広告や人材紹介のクライアントを中心に200社くらいにデータを提供しています。
また求人データでは募集求人の給与もあるので、募集時の平均給与や分布なども分かります。求人データの分析ツールとしてHRogチャートを提供しており、ここ数年で派遣事業のクライアントで導入が増えてきました!
ゴーリスト時代から10年弱事業を行ってきたので、いまでは35億件超えの求人データがあります。(わざわざ調べていませんがおそらく)日本で求人データを1番保有しています。
ほかにも求人データをマップにプロットして、エリアごとの周辺時給がわかるHRogマップ。人材業界もさることながら、こちらは採用企業が直接導入するケースも増えてきています。誰もが知る会社から問い合わせが来ると社内のチャットが盛り上がります!
最後にHRogクレンジング。人材業界向けのデータクレンジングサービスです。HRogリストなどの上記サービスでは求人データは集めるだけではなく、クレンジングして提供しています。HRogクレンジングでは(もちろん技術的な要素もありますが)このクレンジング部隊を活用し、最終的には泥臭く目視検査でデータクレンジングする気合い系ビジネスです。
②人材業界向けUI/UX支援事業
簡単に言うと人材業界向け受託開発でHRogソリューションというサービス名で展開しています。ゴーリストグループのインド・ベトナムの現地法人で採用するエンジニアでの社内オフショア、noteの#HRogMagagineにまとめているように人材サービスを分析しまくってきたデザイナー集団でクライアントワークをやっています。
派遣会社のオウンドメディア、マイページの改修、タレマネ、ダイレクトリクルーティングサービス、社内向けSFA/CRM、クチコミサイト、ATSのリニューアルなどけっこう色んな案件をご支援してきました。
ここ2年で1番伸びているのがこの事業です。ちゃんとお話したときに「フロッグさんって開発とかもやってるんですね」と驚かれる機会が多いです。そうなんです、覚えていてください(笑)
③人材業界向けDX支援事業
世の中の流れで人材業界にもDXの波は来ています。「無茶ぶり大歓迎」を合言葉に商談をしているなかで「DXについて相談したいんだけど~」というお話が増えてきたため、HRogDXとして事業を立ち上げました。
営業、集客、面談など業務ベースでのDXはもちろん、新規事業の壁打ちからご支援した実績も出てきています。
個人的な見解でいくと、人材業界のなかでも人材派遣がいま1番DXに関する熱が高まっており、大枠をパッケージ化して、HRog DX for人材派遣をリリースしました。
社内で企画屋がいない、1言って5を分かってくれる痒い所に手が届くベンダーが見つからない、DXのイメージがつかないなど、困っていることがあればご一報ください。何らかの形でお役に立てると思います。
このあたりを知っている方がいれば、もはやウチのメンバーレベルの理解度のフロッグマニアです(笑)
ご興味あればメッセージ・DMまたは以下のお問い合わせフォームからご連絡ください!
フロッグとは何の会社なのか?
ここまで「何をやっているのか」について書いてきましたが、フロッグがメディア事業の会社でないことはご理解いただけましたでしょうか。思ってたより色々やってる印象をお持ちいただけたら嬉しいです。
では一体フロッグは何を目指しているのでしょうか?
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:人材業界・人事担当の理解者として
ビジョン:人材業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現に導く
バリュー:行動者であれ/変えられるもの/ネガティブ即シェア/誇りを持つ/踏み込む/当たり前の徹底/気持ちのいい人/可能性を信じる
分社化するときにミッション・ビジョンを新設しました。バリューはグループで共通です。
ミッションを決めるにあたって、少し遠い未来を考えました。社名のフロッグは英字表記で「HRog」。語源はHuman Resource + logです。そう「HR」の未来です。
HRの未来話はまた別のnoteで詳しく書きたいので、簡単に言うと…
「マーケットの変化がどんどん大きく、スピードが速まっていくなかで、社外の人なのにめっちゃ自社のことを理解してくれていて、適切な壁打ちに応えてくれる存在」でありたいと思ったからです。
これを理解者と表現したわけですが、自身の体験談ではなかなか理解者と思う存在は社外にはいなかったんです。(もっというと社内にも少ししかいなかった)
時にはお節介になるかもしれません。ただ良いことだけを言うのではなく、理解者だからこそできる耳の痛い話もする。クライアントとバッチバチに仕事する。そんな会社にしていきたいと思っています。
フロッグが分社化した2つの背景
1つ目は対外向けの背景で、分社化を決めた2020年10月はコロナ真っ只中。人材業界も業績の低下から抜け出す予測も見えず、大きく荒れていました。
人材業界が沈めばもちろん僕たちの事業も沈みます。別の業界へのピボットも考えましたが、人材業界は必ずもう一度息を吹き返す、人材業界と共に生きることを決断しました。コロナ禍で変化の激しい業界に対し、意思決定をクイックにしなくてはいけないことから分社化に踏み切りました。
2つ目は社内向けの背景で、元々事業を行っていたゴーリスト(現フロッグの親会社)では「個と組織をGoalに導くプロフェッショナルチーム」をミッションに、言い換えると「どこに行っても活躍する人になろう」をテーマに経営をしています。
ミッションに対し経営ができることは「機会の創出」です。500人の会社よりも50人の会社を10社。そうすると10人の社長が生まれるわけで、分社化はその手段です。ちょうどグループで50人を超えることが予測されていたため、1つ目の背景と重なってこのタイミングで決断しました。
これからのフロッグ、5つの挑戦
さぁそんなフロッグですが、これからどんなことに挑戦していくのでしょうか?あまりまだメンバーにも語っていないところですが、菊池の注力事項をここでまとめておきます。
DX案件・開発案件を増やす
ビジョン(3~5年で成し遂げたい姿)にも記載している通り、人材業界のDXはこれからの時代を生き抜く上で必要不可欠です。一方で現実はめちゃめちゃアナログにテレアポしてる会社もあります(※テレアポが悪なのではなく、データ活用の観点です)更なる飛躍を遂げるためにご支援できるチームが力を蓄えて待っています!
オルタナティブデータとしての求人データ活用
実はひっそりと内閣府/内閣官房さんと地域経済分析システム「RESAS」や新型コロナウィルス感染症が地域経済に与える影響の可視化プロジェクト「V-RESAS」で雇用パートのデータを提供しています。
ほかにも新聞社、大学、研究機関などにも求人データを提供しており、投資判断のための使われるデータ(オルタナティブデータ)として求人データの活用を伸ばしたい!
地方採用の活性化
HRの領域のデータを見ていて思うことは「日本の求人は首都圏一極集中型」であることがあげられます。地方に魅力的な求人がないのかというと実はそうではない。単に発信の仕方をあまり知らないだけで隠れたいい求人のポテンシャルはあると思っています。
ただ地方求人はビジネスとしてなかなか成り立ちにくいところもありますが、こちらは近々リリースでご報告できるかと!
採用企業との取引拡大
大量採用の大手を中心に求人動向の分析需要が少しずつ高まっているように思います。実際フロッグの取引先でも誰もが知るような企業との取引が年々増加傾向です。
採用企業がデータを駆使して、マーケットを読み解き求人の条件を決める。そんな世界の一助をしたいと思います!
権限移譲・幹部育成(抜擢漏れをなくす)
社内的なところでいうと権限移譲・幹部育成がテーマです。データ関連の事業の舵取りは若手ホープたちに徐々に託していっています。もちろんすぐにどうこうする話ではないですが、若いうちに沢山経験を積んでもらいたいなと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!いいなと思ったら「いいね」、感想のシェアしていただけると喜びます!!
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