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PRで売り上げは…もう伸びない

PRについて否定する様なタイトルになってしまい失礼しました。
しかし、メディアの多様化・テクノロジーの進化で、PRのポジションが大きく変化していこうとしているのは事実です。

かつてのPRでは通用しない時代になっている

2000年~2015年あたりまでは、『メディアへ露出がされるだけで売り上げが上がる』という雰囲気が確かにありました。多くの企業は広報やPRの重要性を認識して、積極的に攻めの広報を展開しようとしていました。しかし、メディアの多様化・テクノロジーの進化・情報の増加により、今やメディアに出る事の価値が、圧倒的に低がっています。

広告もPRの露出も価値は変わらない

かつては、メディアが今ほど多くなかったので、みんなが注目するメディアも一つに集中していました。その為、パブリシティで紹介された時の影響力も強かったのです。

しかし、メディアが増加するにつれて、必然的にパブリシティの記事数は、数倍に膨れ上がっています。その為、その影響力は格段に下がっているのです。加えて、取材されるハードルが低くなっている事・生活者がそのシステム(PRや広報)を理解した事も影響力低下の原因に挙げられます。

極端に言ってしまえば、広告であってもパブリシティであっても、生活者にとって、露出する事の価値は変わらないのかもしれません。

PR活動とは?

PRがもたらす資産について、書く前に、PRの定義と歴史を紐解いていけますね。まず、PRの定義!良く言われるのは「組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能」と言われています。
分かりやすく表すと、PRとは他者と良い関係を構築していく手段です。

米国のPRと日本のPR

PRが発祥されたとされる米国では、行政機関とPRが強く結びついていました。その為、米国のPRは『世論形成』を目的に活用されてきました。

一方、日本では企業とPRが強く結びついており、企業の利益向上を目的とした、PRが活用される傾向があります。
アメリカのPR=政治的役割
日本のPR=商業的役割

そのポジションや認識に大きな乖離があります。

PRの定義や認識について、いろいろと議論されていますが、私は、企業や団体を取り巻く、あらゆる他者との関係性を良好にする為、言葉や行動をチューニングしていく事がPRパーソンの価値だと考えています。
例えば、政治家の熱意を住民の熱量に合わせて理解可能な言葉に翻訳する・起業の理念を、関係者の興味や関心に紐づくCSR活動に翻訳するとか

つまり、日本式PRの様に企業の商業的支援をごり押しするのは、実のところあまり気乗りできません。実際、メディアに露出したからと言って売り上げは必ずしも上がりません。(直接の売り上げ向上には繋がり辛いという意味)

これからのPR

これからのPRのポジションは、米国型に近づいていくのではないかと考えています。つまり、『企業の影響力』や『イメージ』を作っていくポジションです。

その理由の一つに、企業としてのスタンスが変わってきている事が挙げられます。近年『CSR』や『SDGS』が話題になり、企業としての倫理的観点が重要視される風潮が出てきています。そして、その流れは今後さらに強まると考えています。売り上げ向上が、全ての施策の最終ゴールでは無くなるのではないでしょうか?ダラダラと書いてしまいましたがまとめると、企業としての社会的な価値が重要視されてくる様になるのではないかと、、、、

その時に、必ず必要になるのがPR(パブリックリレーション)です。
恐らく、これから『PRは売り上げを上げる手法』だと、そのポジションを誤解してしまっては、社会に対応できなくなる気がします。偉そうに言う、私もPRのこれからの価値について上手く言語化できておりませんが、、、

まとめ

①PRは商業的な役割ではなく、企業の社会的価値を高める立ち位置に代わっていく。
②社会に求められるもの・生活者の関心・トレンドを読み解き、企業の価値を『言語・行動』に翻訳して発信できる人材が活躍できる。

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