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読書は人間性を陶冶するか?

最近はnoteをしばらくご無沙汰していたのだが、note創作大賞が終わって気抜けしたのと、俳句のほうが夏井いつき先生の「俳句生活」で佳作に選ばれた。ネットとはいえ自分の俳号が活字になったのは大きいので、ようやく大っぴらに俳号の山本葉舟を名乗れる。noteの筆名にしているんでクリエイターネームでいいかな。

それはそうと、本題に入るが、読書は人間性を陶冶するか?ということで、これは「YES」と回答しておこう、ひとまず。

というのも、頭の良し悪しは別にして、人間は頭の中の知識や経験を元にしてしかモノを考えられないわけで、そうなってくるとどのような環境にあっても質の高い読書をすることが非常に大切なことになってくる。たとえ不遇な環境にあったとしても(少年少女時代とか)、読書で最高の叡智に触れるという経験をすることは可能だ。それがどんな環境にあろうと人間性を作ってくれると僕は信じている。

根拠としては朱に交われば赤くなるという言葉もあり、付き合う人を選びなさいということわざなのだが、読書体験もどういう種類やレベルの本を読み進めるかで人間性も変わってくると思っている。薫習(くんじゅう)という「師を選びなさい」というような言葉もあるのだが、文庫本で800円ほどかけるだけで、日本で最高レベルの知性と人間性に触れることができるのは、利用しない手はないと思う。たとえば、これは合わないなと思えば、読むのを止めればそれで済む。

勧めたいのは岩波文庫や中公新書や岩波新書や学術文庫レベルの本なのだが、新書は売れればいいと考えている新潮新書以外ならまずOKと言えるだろう。

肝心なのは、自分の読めるレベルの本から読み始め、だんだんと読書のレベルを上げていくこと。これならたとえ乱読気味であっても十分に基礎教養として役立つ。

読書が人間性を陶冶するかについては、自分の知識を元にして人は考えるからねというのと、江戸時代では四書五経と言って論語や大学といった儒教を藩校で学んでいたりした。どれだけ効果的だったか分からないが、人としての生き方を若い頃に学ぶことは非常に大切なことだと思うのだ。最近の自己啓発書ブームは、「あれが本か?」と思うし、ある一定のパターンの思考に陥るような気もしないではない。

一つ簡単な課題を出してみるが、ベストセラーの文庫、外山滋比古先生の「思考の整理学」を手にとって欲しい。頑張って読んでみて、この本を一つの基準として文庫や新書、単行本を選んでみて欲しい。試みとして。

そうすると、読む本の質とレベルがかなり変わるというか、基準が上がる。したがって、読書内容も変化し、得られる知識が以前とは全く違ってくるはずだ。

もう一度書くが、望まない環境や学校生活、または不遇な人生だとしても、読書によって自分の考えを高め、教養を深めていくことは可能だ。インターネットで書籍を買えて、AmazonのKindle UnlimitedやAudibleで良書を読んだり聞いたりし放題という環境が整ったのだから(中古本も買える)、この環境を積極的に活用しない手はないと思うのだ。浴びるように良書を見聞きするだけで世間知は身につくし、良識も身につく。何も体験だけが人生ではない。ヨーロッパ貴族の邸宅には大きな書棚に先祖代々の蔵書が並んでるではないか。

言いたいことは読書は人を陶冶し、人生の見方すら変えてくれたりするから、頭が良くなる、ならないという次元の話ではないという結論で文を終えたい。

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