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#3 離島の暮らし便り。 ∝令和三年二月十六日



どうも、たけのこめばるです☺︎
変な名前で失礼します。


先日、久方ぶりに魚が釣れました。

しかも、上顎がっぽし※。

(※魚をうまく誘えている時の針のかかり方)

嬉しすぎて、ここだけの話、ちょっと涙がでました(笑)。


「大袈裟なー」と思わず、

冬の寒さの中で、何時間粘っても釣れない日々が続くことは、

それほど辛いことだとご理解いただけたらと思います。


釣れた魚は、

“クジメ”

聞いたことがある人はいるでしょうか?


クジメは、アイナメという高級魚と瓜二つ。

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(写真:上がアイナメ。下がクジメ。)


ですが、身の味は正反対。

あいなめは白身の高級魚とされ、

その身は甘くて天ぷらにするとフワッとしてとても美味しい。

一方クジメは身に独特の臭みがあり、

例えるなら、一週間経った白身魚みたいな

なんとも言えない「うっ」とくる不味さがあります。

(一週間経った白身魚食べたことないけどね…)


そんな美味しくないクジメは、釣りでは

“外道”

つまり、

“釣れても嬉しくない魚“

とされています。


エソ、ベラ、ふぐ、ボラ、クジメ、エイ、ゴンズイ…


これらは毒があったり、

骨が多くて食べづらかったり、

味が美味しくなかったりするので、

同じく“外道”扱い。


その中でも小型の魚は、

釣れても、ポイっと堤防に捨てる釣り人も

残念ながらいます。


ふぐは鳥も食べないので、

堤防に捨てられて干からびている子を

危うく踏みそうになったことも。


そんな時に考えるのは、

“外道“と“王道“の違い。

それから命の価値について。


外道と王道の違い。

それは、

ある釣り人にとってそれは、

食べられるか食べられないか、

美味しい魚かそうでないか。

ある釣り人にとっては、

ゲーム性、レア度、値段、、、


しかしながら、当然、

どの魚もひとつの“命“なわけで、

外道かそうでないかは

人間が勝手にそう判断しているだけだと言えます。


じゃあ、釣れた外道の魚を堤防に捨てるのと、

釣れた王道の魚を持ち帰って食べるのと、

同じひとつの命を“頂く“という意味では同じではないのか?


これへの反証は少し難しい。

結果としては確かに同じだと思います。

ただ、反証の要素があるとしたら、“感情論”でしょうか。


すごく子供っぽいことを覚悟して書くと、

「私は堤防にフグを捨てる人と友達になりたくはない。」


この世の中に勧善懲悪はない。

誰もがグレーゾーンのどこかで生きている。

と私は思っています。


だから、

ヴィーガンの人がベジタリアンを、

ベジタリアンの人が肉を食べる人を、

肉を食べる人が大量に肉を食べる人を、

非道だと批判するのは、どうもしっくりきません。

「どんぐりの背比べ」
「五十歩百歩」
「目糞鼻糞を笑う」

そんなことわざが頭に浮かぶから。


ただ、“正義”を“美しく生きること”を

綺麗事だと簡単に諦めたくもない。


余談ですが、この諦めたくなさの熱量が同じくらいの人が、

いわゆる同志・親友になれるのだと思ったりもします。


だから私は、外道が釣れたら海にリリースするし、

15cm以下(魚種による)、卵持ち、食べきれない魚

もリリースする。

それが命を大事にすることだし、

水産資源を守ることにも繋がると信じているから。


もちろん、自分が正しいだなんて思っていないし、

数年後にはまた違う考えになっているかもしれません。


そもそも釣りを辞めたら?と言われれば、

それも確かにそうだとも思います。


でも、この議論も自問自答も、

結局は“全てグレーゾーンの範疇だ“と私は思っています。

それは釣りだけに限ったことではなく、、、


そもそも、“正さ“なんてものは個の中それぞれにしか存在しないし、

大衆としての、社会としての正さも、

それらを多数決ですり合わせた、

グレーゾーンの一点に過ぎないと、そう思います。


ただ、そこでそうかと考えることを諦めてしまっては、

それより先の景色は見えなくなってしまう。

さあ、どうするか。

どう生きるのか。

答えはないけど、考えるしかない。


「人間は考える葦」だから。


命に感謝と言うと、

なんだかそれも途端に陳腐な感じがしてしまいますが、

幼稚園の時に親友と一生懸命にメダカを育てていた、

そんな純粋無垢な気持ちは、

大人になっても忘れたくないものですね。



寒の戻りの寒い夜に、甘いココアを飲みながら。

令和三年二月十六日  

たけのこめばる


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