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人事の業務改善が進まないワケ

はじめまして。静岡新聞社・静岡放送社長室人事部の竹内大樹です。
社内のシステムエンジニアとしてキャリアを積み、現在の部署では、「人事業務のデジタル化(DX)」と「データを活用した人事戦略」を目下のミッションとして促進するポジションにいます。今日は「人事の業務改善が進まないワケ」について書いていきます。

「人事って何の仕事をしているの?」

私が良く耳にする質問。「採用の時は忙しいよね」「異動は人事がやるんでしょ」「残業減らせってうるさいよね」などなど、人事の仕事はあまり理解されていないどころか、目の敵にされることも多いです。

「実は一年中、やることがあるんだ!」

そんな人事側の視点から、人事業務がなかなか改善されない理由を述べていきます。

1.今ある業務を回すことで精一杯

人事の仕事は、採用、人事異動、社員研修、給与処理、社会保険、健康保険、労働契約、年末調整、メンタルヘルスなど、あげればキリがないが、どれも「人の人生」や「企業の業績」を左右する重要な業務が多いです。例えば、「新卒採用」は優秀な新戦力獲得のため、失敗すればやり直しがきかない一発勝負のイベントですし、「人事異動」は、社員の生活やその後のキャリアを大きく変化させます。「給与計算」は、毎月給料日に1円の狂いもなく、社員の口座に給与を振り込まなければならないので、担当者は毎月締め切りが近づいてくると憂鬱になります。

こんな重要なミッションを抱えているにも関わらず、人事は少ない人員で回している会社が多いです。担当業務を"複数掛け持ち"するのもザラです。新卒の採用をやりながら給与計算を回す、順番で新卒社員の研修の引率、人事スタッフ総出で年末調整の確認作業をするなど、「Plan(計画)」「Do(実行)」はできても、「Check(評価)」「Action(改善)」ができないというのが、多くの人事担当者が抱える悩みではないかと思います。

2.業務が属人化しがちである

人事の業務は、ブラックボックス化することが多いです。労働や社会保険に関する仕事や給与計算など、実は専門性が高い内容が多く、法律や規則を理解して業務に対応できるようになるまで、そこそこ時間がかかります。他の部員に知識を共有、次の人材を育成しようにも、前節の「今ある業務を回すことで精一杯」で、情報共有や育成に時間を避けないなど、周りの部員とコミュニケーションする時間さえ満足にとれません。部下の仕事を把握しづらい、担当者を異動させにくいといった上長の悩みの種にもなりがちです。

3.結論

人事は少ない人員で業務を掛け持ち、今ある業務に精一杯で「PDCA」が回せない。情報共有や育成に時間を避けないため、業務が属人化、負のスパイラルから抜け出せないといったところが、私自身が人事に来て感じた、また多くの企業の人事担当者と話す中で見えてきた、共感する悩みです。

ここから約2年かけて(現在も進行形)、人事業務のデジタル化を押し進めてきた経験を、同じ悩みを持っている人事担当者にシェアできたらと思います。(続)

おまけ:人事は意外に残業が多い

引用元:doda「残業時間が多い職種は?少ない職種は?残業時間ランキング2019【15,000人調査】」https://doda.jp/guide/zangyo/#movingPosition02

なんと、残業時間が多い職種ランキングで「18位」、残業が多そうなイメージがある「インターネット/広告/メディア」の営業を上回っている!これはマズい・・・。

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