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旅とドレス|6年前のきょうロンドンでダイアナ妃のドレスを観て、そして。

つくづく、人生においてムダな体験はないなあと思います。

そのときは、意味がないと思っていたことでも、めぐりめぐって、「ああ、あの時の経験はここに繋がっていたのか」ということが頻繁に起こります。

自分で伏線をばらまいて、自分で回収しているような人生を送っているわたしですが、今回はそのなかでも「なかなか見事に回収できたなあ」というような出来事があったので紹介したいと思います。


2017年7月14日、イギリス。

まず、伏線をばらまいたのは2017年7月。

そして回収できたのは2023年の7月です。ちょうど6年ですね。あれ、ちょっと待って。今日じゃない? だってほら、Friday,14 July 2017って。

Friday,14 July 2017

うわ、これ日記見返してていま気がついたんだけど、ちょうど6年前の今日じゃないですか! しかも金曜日。

旅日記

すごい。こういう奇跡的なことが起こるのが人生。おもろいなあ。(そしてこのnoteぜったいに今日中に投稿しなくちゃ)

さて、結論から言いますね。ようは2017年になんの目的もなくイギリスに行って、そこでたまたま観た展示や、そのとき出会ったものが、2023年のじぶんの仕事にとても役立った。という話です。

わたしは2017年7月、わたしは特になんの意味もなくイギリスに行きました。仕事でも、勉強でも、何かどうしても行かなければならない理由があったわけでもなく、ただ、イギリスが好きで、ただイギリスに行きたいから行ったのです。

そりゃあね、わたしはウェディングドレスの仕事をしているわけですから「仕事でイギリスに」って言えたらめちゃくちゃカッコよかったんですけど、そうじゃなかったんです。ふつうにコツコツ貯金して行った単なる観光旅行でした。

とはいえ現地でウェディングの仕事関係の人と行動を共にする予定があったし、アンティーク市やヴィンテージショップを巡ってドレスや資材の仕入れもしたし、服飾美術館でドレス展を観れるだけ観たし、心のなかでは「いつか必ず仕事につなげてみせるぞ」という野心がメラメラと燃えていたわけですけど、まあ表向きにはただの旅行です。

しかもその当時、娘は小学生、息子は中学生。子どもの母親がひとりでなんの理由もなく「ただ好き」だけで海外に行くなんて、なんとなく世間的には許されないような空気がありました。それはいまもありますけどね。

でも、思い切って行ってよかったなあとつくづく思います。仕入れたドレスや資材はのちのち現実的な収入にちゃんと繋がったし、このときの経験や学びは、確実にわたしの「芸のこやし」になっていると思っています。

ダイアナ妃のドレス展

2017年、わたしはロンドンのケンジントンパレスでダイアナ妃のドレスの展示を観ました。ケンジントンパレスには別の目的で行ったのだけど、2017年がちょうどダイアナ妃の没後20年にあるということで、記念展示をしていたのです。

ケンジントンパレス(2017)

わたしは特別な「ダイアナファン」というわけではなかったけど、ドレスには興味があったので観ることにしました。

そしたらね、なんと今年、「ダイアナ妃のロイヤルウェディングに憧れていたお母さま」のウェディングドレスをリメイクさせてもらえることになって。その仕事にこのとき観た展示のイメージがものすごく役立ったというわけなのです。

ドレスの制作過程や物語、伏線回収具合、さらにここから始まる新しいプロジェクトなどについては、また後日noteの別記事(無料記事)でアップしていこうと思っています。

今回は、その「ダイアナ展」の展示の様子ドレスのことを中心に、旅で感じたことなどを書きました。あくまでも個人的なイギリス旅行記&エッセイとして読んでいただければ幸いです。

イギリスに着いて真っ先にわたしが向かった先は、ロンドンのケンジントン!

そう、ダイアナ妃のお住まいだった、あのケンジントン宮殿です。

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ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。 日本各地の布をめぐる「いとへんの旅」を、大学院の研究としてすることになりました! 研究にはお金がかかります💦いただいたサポートはありがたく、研究の旅の費用に使わせていただきます!