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初夢はソーイング・ビー

イギリスと白いドレスをこよなく愛す、ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。

さて、松の内をとうに過ぎて言うのもなんですが、みなさま今年はどんな初夢をご覧になりましたか?(今ごろ聞くか)

私の初夢は「ソーイング・ビー」に出演して焦りまくっている夢でした。

ソーイング・ビーとは

ソーイング・ビー(原題:THE GREAT BRITISH Sewing Bee)とは、イギリスのアマチュア裁縫バトル番組のことです。毎回10人のアマチュアの裁縫自慢たちが英国全土から集まり、与えられた課題をこなして優勝を目指すという大人気のリアリティショーです。

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お正月の深夜に一挙放送をしていて、ついつい真剣に見てしまいました。

出演者たちが挑む課題は、型紙を使った基本的な縫製、自由な創造性を試されるリメイク、そして実際のモデルさんに合わせてパターンを調整し、制限時間内に1着ずつ服を縫います。

専門家(ちょっと手厳しいイケオジ仕立屋パトリックと、洋裁指導歴40年のベテラン女性)による審査を経て、毎回一人の脱落者が決定するのです。

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これがもう、見ていてぐったりと疲れてしまいました。

だって仕事柄、普通に楽しんで見ていられなくて。

たったの6時間で、シフォンの透けるブラウスをモデルの体型に合わせて作るとか無理〜!きっとめちゃくちゃ焦るし、動揺して失敗しそう。シフォンは滑るし、まごまごしているとどんどん端がほつれてくるし、常に新しい針を使っていないと生地がダメになるし、6時間ではキツイわ〜。

けど、どうしても作らないといけないってなったら私ならどうする?って頭はフル回転。

ちょっと待って、落ち着こう。まず、この課題(シフォンブラウス6時間)は事前の準備と練習時間が与えられているではないか。洋裁は段取りと準備が全て。まず、できることを考えよう。「透ける生地」という課題で作業しやすい素材はポリエステルシフォンかな。あれ、ポリエステルって英語でなんて言ったっけ。時間内にできて見栄えのするデザインは…。そうだ、涙開きのデザインにしてループボタン仕様にしよう。フリルもつけて華やかに。作業の終了間際に共布ループを作るときっと焦ってしまうから、最初の裁断時にまとめてバイヤスに生地を裁断して先に作ってしまおう。作りやすさと見栄えを考えたら、精密な柄合わせの必要のない細かい色柄物の生地がいいかもな。あと事前に薄葉紙の下準備をしておいて、端がほつれやすいから縫う直前に裁断してすぐに袋縫い。フィッティングは別布使ってトワル組んで、シフォンでも仮縫いしといた方がいいな。ええと、縫う順番は…。

ああ、助けて!頭が勝手に考えてしまう!まったくくつろげない!

結局深夜3時まで番組を見て、クタクタになって眠りについたのでした。脳がフル回転したまま寝たらそりゃ夢も見るよね。脳だって、夜間に情報処理をしないと。

初夢は、ソーイング・ビー

夢の中で私は確かに、「ソーイングビー」に出演してはいました。しかしどうやら、洋裁チャレンジをしているのではないみたいです。私の目の前には、日本人の女性出演者がいました。とても素晴らしい縫製で、ダークネイビーに白のプリント柄のシフォン生地で、ラップドレスを作り上げています。

イケオジ仕立屋のパトリックが私に聞きます。

「日本人は手先も器用だし、作品も良いのに、どうして一言もしゃべらずに作るんだい?つまらないのか?」

わ〜!!!!パトリック、違う違う!彼女すごく楽しそうだったよ!作品も素敵だし。それはね、シャイなだけなんだよ。えっと、でも、わ〜ん!英語でうまく説明できない!このままではあんなに素晴らしい作品の日本人女性が落とされてしまう。ここは私がなんとか英語で説明しないと!

と、めちゃくちゃ焦っている夢でした。洋裁で焦ってたんちゃうんかい!

夢でも疲れた。

そして、続きが見たかったのでAmazonプライムでソーイング・ビー、見てしました。

そして、その結果、

さらにめちゃくちゃ疲れた。

だって、テレビは吹き替えだったけど、Amazonプライムは字幕なんだもん。

「見ながら洋裁の段取り」と「英語の聞き取り」と「字幕を読む」ので脳がいっぱいいっぱい。

つ、つかれた。

いや、これくらいで疲れている場合じゃなかった。私はいつかイギリスでヒストリカルドレスの勉強をしたいんだ!こんなことでどうする!

ソーイング・ビーで学ぶ洋裁英語

でもこれって、かなりいい教材かもしれない。洋裁用語を英語で覚えられるわけだし。というわけで、「ソーイング・ビー」で聞き取れた洋裁用語をまとめてみました。

袋縫いが「french seam」っていうのは知らなかったな。何回聞いても「フレンチシーム」って聞こえるので、調べたらやっぱりフレンチシームでした。なんでフレンチなのかなあ。

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(念のため、ファッション企画時代のバイブル「ファッションビジネス用語 日・中・英 対訳ワークブック 繊研新聞社」で確認済み)

この中で特に面白かったのが「リメイク」の表現です。「リメイク」という言葉はあまり使われていなかったですね。「alter」「altering」とよく言っていました。時々「transform」や「customize」とも。

ふむふむ。

「ソーイング」で「英語」これは私にとってとてもよいトレーニングです。脳はクタクタになるけど頑張ってみようっと。

クタクタになって眠りについて、またイケオジ仕立屋パトリックと夢で逢えたらいいな♡(←やっぱりスキなんかい)

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だれにたのまれたわけでもないのに、日本各地の布をめぐる研究の旅をしています。 いただいたサポートは、旅先のごはんやおやつ代にしてエッセイに書きます!