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学生時代の医工連携のススメ。

今週は新たな出会いが多く、なぜかキャリア含めて長めの自己紹介をする機会が多かった。

これまでのキャリアの中で今思えば良かったなぁと思うことに、大学時代に医工連携ということで、医療工学とか福祉工学とか看護工学とかヘルスケア関係の研究開発に従事できたことがある。

もちろん、これから益々重要になってくるであろうヘルスケアやメディカルという領域における先端テクノロジーの利活用に関する知識、ノウハウ、スキルを少なからず得られたという面もある。

ただ、それ以上に良かったことは『ヒト』という存在に真正面から本気で向き合い、考えることができたことではないかと。

もっと言えば、ヒトの命、生活、人生というものに対して向き合う時間というのは本当に貴重でした。

"Quality of Life (QoL)"という言葉はしばしば使われるけど、このときの"Life"には、命、生活、人生という意味が含まれていると思ってます。

幸なことに20歳のときに医療福祉工学研究室という研究室に配属された私は、手術支援ロボット、リハビリ支援ロボット、生活支援ロボット好き嫌いに関わらずこの3つのLifeについて考えざるを得なくなりました。

研究テーマを選定するときには、どんな病気でどれくらいの人が苦しみ、亡くなりを調べ、実際の臨床の現場に入れてもらい、手術の様子やリバビリの様子を見せて頂いた。生きている、そして、生きていくということは、こう言うことなのかとまざまざと見せつけられました

そして、ロボットができたら動物や被験者の方にも協力してもらい、所望の性能が出ているか評価する。生きているもののlifeに触れるというのは、こうも覚悟というエネルギーがいることなのか、とも感じた。

この一連のプロセスの中には、3つのライフのどこかが望む状態になっておらず、苦しんでいる方々、懸命に戦っている方々、そして、それを一緒に乗り越えようとする家族や医療スタッフの方々がいた。みんなが必死に頑張っていた。

そして、そんな中でも未来への投資として、エンジニアの卵の学生に時間を割いて頂き、動物たちはもっと大事なものを提供してくれた。

このようなLifeが関わった中では、決して中途半端な気持ちで研究開発なんかできなかったし、本気でなんとかしたいと思った。後々、気持ちの甘さを指摘されたことがあったことは以前のnoteでも書いたけど、それでもその時はその時なりに真剣に向き合っていたという自負はある。

もちろん、医工連携以外の多くの研究も、真剣に行われていることは承知しているけど、目の前に存在する命、生活、人生というLifeに影響を与えてしまうかもしれないと言う責任感というか、もはや『恐怖』は、別格であるように感じる。

だからこそ、うまく行った時の喜びというか、安堵感はすごい。笑

そして、20代前半にこのような真剣勝負な場所に携われることは本当に大きな財産になると思う。たとえ、その後のキャリアでヘルスケアに関わる仕事に従事しなくても、3つのLifeについて考え、プレッシャーを感じながら、覚悟を持って、実際に生きている存在に対して実行するといつ経験は必ず役立つと信じています。

企業において言われる修羅場経験というものとは少し違うかもしれませんが、Llfeに介入するというのはスゴイ大切な経験です。

そして、どんなプロダクトやサービスにおいても、それがユーザやステイクホルダの3つのLifeにどのような影響を与えるのかを考える基盤になるんだと。

ということで、私の個人的な教育的な観点から見ても、学生時代の医工連携研究をオススメします!

【関連書籍】

もし興味がある方がいたらということで、最後に情報共有です。9/6という直近の宣伝ですが、笑
医療、看護、福祉、工学の融合に関して、アカデミアのトップ研究者に加え、川崎重工の橋本社長などインダストリー側からも先端的な医工連携の取り組みをお話しいただきます。

日本機械学会2021年度年次大会にて、
下記の学会横断テーマ公開ワークショップを開催いたします。
一般公開(無料聴講)ですので、奮ってご参加ください。

2021年9月6日(月)13:00~16:00
学会横断テーマ『少子高齢化社会を支える革新技術の提案』
~少子高齢化社会の課題を解決する新しい機械工学の創成~
(医工学テクノロジー推進会議 協力)

閲覧用YouTubeリンク: https://youtu.be/wc-5LZUN7O8
(一定期間アーカイブでも閲覧可能)

 総合司会 佐久間一郎(東京大学)
 <介護福祉> 司会 松日楽信人(芝浦工業大学)
1.看護理工学におけるケアイノベーション  真田弘美(東京大学大学院医学系研究科)
2.あたり前のことを知る -福祉工学シンポジウム2007、ニーズ&アイデアフォーラム等から- 小野栄一(国立障害者リハビリテーションセンター)

<医学と音声言語学> 司会 和田成生(大阪大学)
1.構音障害リハビリテーションAI構築のためのロードマップ ~構音メカニズムの解明~  野崎一徳(大阪大学歯学部附属病院)
2.様々な顎口腔系ロボットの開発  高西淳夫(早稲田大学理工学部)

<先端医療> 司会 安藤健(パナソニック)
1.医工融合産学連携によるスマートロボットAIRECの開発  村垣善浩(東京女子医科大学)
2.医療用ロボットの現状と今後の展望  橋本康彦(川崎重工業)

<パネルディスカッション>  モデレーター 佐久間一郎(東京大学)

詳細は下記をご参照下さい。
https://confit.atlas.jp/guide/event/jsme2021/static/public_forum#Gconne1


では、また来週~

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安藤健(@takecando)

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