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自動運転バスの動画を見て、あやうく泣きそうになった話。

この動画、とても良いなぁ~~~と思いました。
ある先生に教えてもらって何気なく見ていたら、ジーンときて、あやうく涙がポロリとなるところでした。

動画自体は、ボードリーさんが茨城県境町で実施している自動走行バスの実証実験に関して、住民側からの視点という感じで纏められています。

最初に出てくるパン屋のお店の方から始まり、街のみんなでモビリティという存在を受け入れて、『わたしたち』のモビリティという存在になっていることがよく分かります。

住民が大きな役割

上のプレスリリースの中でも書かれていますが、『公共交通網が脆弱な地域において、行政や協力事業者のイニシアチブはもちろんですが、住民がバス停留所スペースに私有地を提供したり、住民の自発的な支援によって沿線上の路上駐車が減少したりなど、住民が大きな役割を果たしながら町全体が自動運転バスの運行を迎え入れているのが大きな特長です。』とのことで、特に地方においては理想的なモデルケースになるのではないでしょうか。

自動走行のモビリティやロボットはまだまだ技術的には発展途上にある中で、メーカーだけでなく、自治体だけでなく、ユーザーである住民が自ら走行や運用の手助けをしていくというのは、完全な行政サービスである公助や民間主導の自助に変わるハイブリッド型の『共助』になります。

「共助」というのは、政府が主導しているデジタル田園都市の中でも、重要なキーワードになっていそうな言葉ですが、特に、採算が取りにくいと思われる地方では、『民間同士が助け合うという意味での共助(例えば、地図データの共有)』や『官民が助け合うという意味での共助(例えば、運行コスト)』のそれぞれに「住民」がしっかり絡む、言い換えると、単なるユーザという利用する立場だけではなく、主導的な役割を果たすというのは新しいサービスを「わたしたち」のものにするためには必要不可欠と思われます。

バスだけではなく、ロボットの場合も

自動運転バスとは異なりますが、似たような事例として、ロボット掃除機「ルンバ」が挙げられるのではないでしょうか。ルンバは単なる掃除の代替手段として捉えている家庭も家族?ペット?のような愛着を持った存在として取られている家庭もあります。

いずれの場合においても、長年使用されている家庭では、「ルンバブル」という概念に近い現象が起きています。例えば、ルンバが掃除しやすいように部屋を片付ける、ルンバが通れるようなソファの足の高さに変える、などです。このような環境側を利用者側が整えることで、ロボットの性能を発揮しやすくし、自分たちの暮らしの中でなくてはならない当たり前の存在となっていくんだろうなと。

愛着があるから、このモビリティやロボットのために環境を作っていくのか、環境づくりをしていくうちに愛着が生まれてくるのかはよく分かりませんが、いずれにせよ、とても素敵な循環であり、今後モノやサービスと人や社会の関係はこのような持続的な関係が重要になってくるんだと思います。

住んでいない住民によるサポート(ふるさと納税)

さらに面白いなぁと思ったのは、運営費用の一部に「ふるさと納税」が当てられていることです。具体的にいくらが当てられているのかはわかりませんが、デジタル庁の「デジタル交通社会のありかたに関する研究会」の中で行われた橋本町長のプレゼン資料によると、国からの補助金に加えて、ふるさと納税を活用することで、自治体側の持ち出し費用をゼロにしているということです。

資料:デジタル交通社会のありかたに関する研究会より

確かに、境町のホームページでふるさと納税の実績を調べて見ると、「自動運転車の常時運行を開始」という項目がありました。

デジタル庁の中でのプレゼンの様子を見ると、お一人の方が1000万円の寄付をされたようなので、どれくらい持続可能性があるモデルかはわかりませんが、新しいお金の回し方としては有りかも知れないなと思いました。仮に自分の親とかが故郷で移動に困っているという話があれば、ふるさと納税という形で寄付するというのは十分にあり得る気もします。


というわけで、まさか自動運転バスの動画で泣きそうになるとは思っていませんでしたが、よくよく考えたり、調べたりしてみると、「共助」や「ふるさと納税」の活用という今後の地方におけるモビリティの在り方のヒントとなるような事例でした。

では、また来週〜
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安藤健(@takecando)

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