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犬のウンチを避ける最新の掃除ロボット『ルンバ』に注ぎ込まれたCEOと技術者たちの情熱

先週のNoteは「農水省のスマート農業プロジェクト」というちょっとお堅い内容でしたので、今週はフランクなネタで。お食事中の方は、スイマセン!!

少し前になりますが、掃除ロボットのルンバに新機能が付加されたと話題になりました。その名も「犬のウンチ回避機能」!!

もう一度だけ。お食事中の方、お下品なネタは好まない方は、今回のNoteは適さないかもしれませんので、自己責任でお読みください。

あのCNNでもニュースになるという、ある意味世界的な一大ニュースです。


実は凄まじいウンチ問題

私自身は実家で犬は飼っていたものの屋外で飼っていましたし、そもそもロボット掃除機が普及している時代でもなかったので、このニュースの大事さがピンとこなかったのですが、ネットで調べて見ると、「掃除ロボットが犬のウンチを踏んでしまい・・・」というのは、結構なお悩みごとのようですね

ネット上(例えば、このサイト)の書き込みを見てみると、被害は大きく2種類あるようです。

1つは、ウンチを踏んでしまい、そのままルンバが家中を走行し、家中ウンチまみれ・・・ ギャ━━━━━━Σヾ(゚Д゚)ノ━━━━━━ !!!!

もう一つは、ウンチを吸引してしまい、ルンバ内でウンチが詰まり、ルンバ壊れる・・・ ォォオオー!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ オオォォー!!

どちらもイヤですね。

そんな大事件を回避するために投入されたのが、今回の新機能。ペットを飼っているユーザから、かなり期待されているのではないかと思います。


必見:アングルCEOによる新機能紹介

コリン・アングルCEO自らが、この機能の紹介をしてくれています。

この動画、iRobot社というか、アングルCEOの本気度がめちゃくちゃ伝わってきます。本当はキャプチャして1つ1つ解説したくなるくらいの内容ですが、著作権的に不味そうなので、エンジニアの方は是非コマ送りで見て頂きたい

この動画からわかる(推定される)のは、

1.少なくとも137個以上の多様な形状、サイズの模擬ウンチを作り、検証を進めてきたこと
2.それらのデータを取り込み、シミュレーションでの検証や、おそらくサイバー空間上で更に品種展開をして検証していること
3.10万枚以上の画像データをもとに学習を進めてきたこと

などです。

海外の記事では以下のTech CrunchがアングルCEOの言葉を引用しながら、解説してくれています。

“You imagine it, we probably attempted it to grow a large enough database with both real images, images of fake poo and synthetic images that were manufactured of poop to serve as a training model for our robot,” 

ということなので、実写真と模擬ウンチ写真と合成写真とを使って綿密に学習データセットを準備していったことがわかります。

そして、アングルCEOはこうも言っています。

this is not demo code, clearly.

気合いが違います。動画のアングルCEOも若干楽しそうでしたが、本気なんだと思います。

ここまで読んで頂き、コリン・アングルCEOに興味が出てきた方は、以下の本でも読んでみてください。


そして、性能にもかなりの自信があるようです。Pet Owner Official Promise(P.O.O.P)という制度を作り、万が一にも、ウンチを踏んでしまった場合には、無償で新品に交換が可能とのことです。ただし、現時点では、オシッコには対応していないのでご注意ください、とのことです。


そう簡単にはできない掃除をしないという選択

これは技術的にスゴイ自信がないとできないと思うんですよね。もちろん、深層学習とか使って、ウンチの認識をする。認識の精度を高めるということは技術的には可能なんだと思います。

ただし、認識率100%にはなかなか成らないですよね。もちろん、判定の閾値を甘くすればするほど、見落としは少なくなっていくと思いますが、そうすると今度は逆にウンチ以外のモノもウンチとして認識しやすくなるはずです。

普通の移動ロボット(例えば、搬送ロボット)であれば、取り敢えずモノがあれば避けるという移動のアルゴリズムで十分ですが、ルンバは掃除ロボットです。掃除ロボットは掃除するのが仕事なので、モノがあればキレイにすべきです。掃除ロボットの利用目的上、そうそう安易にはゴミを回避という判断はできないはず。なんでもかんでも回避すれば、全然掃除をしないというクレームに繋がりかねません。。。

その絶妙なチューニングを経て、ミスったら無償保証というのは、格好良すぎますね。

というわけで、どなたか是非ご自宅で実験をしてみてください!!と言おうと思いましたが、残念ながら、この機能が搭載された最新のRoomba j7+は欧米のみの販売で、まだ日本には上陸しないそうです。

もしかしたら、日本に上陸する場合には、日本の犬のウンチの特性や日本の家庭の床の特性を再度学習しなおしたりするんでしょうか??

◆◆◆

今回はルンバの新機能について紹介しました。このリリースがあったのは、21年9月10日あたりでした。なんと、ルンバの誕生は9月17日ということで、その日を意識してリリースがなされたようです。

気になったので、グーグルトレンドで「ルンバ」を調べて見ました。

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毎年、9月前半に必ずピークが立っています。マーケティングという意味でもしっかりした会社ですね。さすが、ロボット掃除機のパイオニアiRobot社です。

【参考】以前のnoteでiRobot社の分析を行いました(あまり当たっていませんが。。。)


では、また来週~~

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安藤健(@takecando)

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