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近くが遠くに、遠くが近くに。溶ける境界。

今週は30代が中心となった2つの取組みに参加する機会がありました。

1つはアカデミアの最先端研究

国が2050年に目指すべき野心的な研究開発目標を設定したムーンショットプロジェクト。その中の目標の1つに「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」というものがあります。

この目標に対して、「誰もが夢を追求できる社会」の実現」、「「100歳まで健康不安なく、人生を楽しめる社会」の実現という壮大なビジョンを掲げ、アンドロイドロボットなどで有名な阪大石黒先生、脳信号処理などで有名なアラヤの金井先生、そして、慶應の南澤先生が昨年の後半から研究開発を進めています。

南澤先生がリーダを務める「Cybernetic being」プロジェクトに、有り難いことに私も混ぜて頂くことが出来ました!!

誰もが自由に活躍できる未来社会を目指し、「もう1つの身体」としてのサイバネティック・アバターをデザインする

非常にザックリいうと、物理空間におけるアバターや仮想空間におけるアバターをもう一つの身体として、これまで制約となっていた空間や時間、身体的な機能などの壁を取っ払い、誰もが楽しめる世界を作っていきましょう!!というものです。

今週もfacebookがアバター会議の発表をしたり、オリィさんの分身ロボットカフェにフランスの副大臣が訪問したりと、各種ニュースになっていたので、このようなアバター議論もだいぶ身近な存在になってきたように感じます。

新型コロナにより活用が進んだZoomやTeamsといったWeb会議からもわかるようにネットワークを使うことで距離の壁はなくなりました。これまで近くにいないと出来ないと思っていた多くのことが遠くにいてもできるようになり、逆に遠くに行かないと知れないことも近くで知ることができるようになってきています。遠隔医療など身近なところでも益々便利な事例も出てくるでしょう。

時間や場所から解放されたとすると、しばらく悩まされるのは時差ですかね!?もしかすると、時差がない国同士の方が経済が発展しやすい!?みたいな時代がくるかもしれません。もちろん、時差と遠隔技術を利用した24時間サービスというビジネスがドンドン発展する可能性もあります。

そんな国を跨いだ多くの社会活動、事業活動が生まれるとき、最低賃金はどこのレートなんだ?とか、税金はどこに払うんだ?とか、そもそもどこの法令に従うのかといった、様々な新しい法律的、経済的、倫理的な問題も起きてくると思うのですが、そんな問題まで含めて、挑戦しようというのがこのプロジェクトです。

中身も超絶面白いのですが、もう一つユニークな点として、この規模の国のプロジェクトの中では、圧倒的にメンバーが若い!!というのがあります。

リーダの南澤先生もそうですが、基本的なコアメンバーはおそらくほぼ30代。もちろん、30代だから良いという話ではないと思いますが、研究者としてはフレッシュなメンバーだからこそ、前例に囚われないユニークなアイデアも出てくるかも知れません。私自身も会議に参加させてもらうだけでも、かなり刺激的というか、理解が追いつかないことも含めて、楽しく参加しています。

アバター技術により、遠くにあるものと近くにあるものが溶け合う時間からも空間からの解き放たれ、自分らしく充実した日々を送ることができるようにしっかりと研究を進めていきたいと思います。

もう一つの溶かしたいもの

今週はもう一つの30代プロジェクト(30後半から40前半)がありました。こちらは逆にアカデミアの人はおらず、製造業、商社、銀行、サービスなどの民間企業でバリバリ事業開発(もちろん、人事、総務、企画といった方々も)を行っているメンバーの集まりでした。ムーンショットプロジェクトとは全く違いますが、これはこれで熱量もあり、刺激的。笑

企業に移って10年が立ちましたが、自分自身のやるべきことの1つとして、このようなアカデミアとビジネスの橋渡しというものがあるのではないかなぁとも思い始めたりもします。

それぞれ本当にユニークで、面白く、パワーに満ち溢れた人たちが沢山います。本来、アカデミアとビジネスはもっと近くにいても良いものですが、日本では少し距離があります。

特に、若手、中堅というのは、最先端の研究を行うアカデミアと事業アイデアを企画するビジネスの接点が非常に少ない。お互い自分の手で研究開発、事業開発をやっている世代なのにもったいない!!

アバター技術で、遠くと近くが溶け始めるように、微力ではありますが、アカデミアとビジネスが溶け始めることもにもチャレンジしていきたいと思います!(そのうち、今週あった2つの取組みを混ぜてみたら、とても面白いんじゃないかと真剣に思いました)

ということを改めて決意した週末でした。
では、また来週~

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安藤健(@takecando)

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