光の啓示「第一章 衝撃の事実」
第一章 眠れぬ夜のつづき、衝撃の事実
せきを切ったように昨日の出来事をワヤンに話し始めた私は少し落ち着いたせいか、食事も進むようになった。
ワヤンは私の話をきいて、ニコニコしていた。
こっちは眠れないほどショックなのに、驚きもせず何をニコニコしているワヤンに少しムッとした。
ワヤン:タカ、ここで絵を描けばいいよ。
私:エッ?私、絵は描いたことないし。
ワヤン:そうなの、タカは絵を描かないの?
ウブドに来たのはアートの勉強のためでしょ。
私:えっ!
そんなことは一言も言ってないし、ただのバックパッカーだし。
ワヤン: タカはアーティストじゃないの?
昨日から驚きの連続。
ワヤンは私のことをアーティストと思っていたという、
衝撃的な事実。
ありえない。
私:私はアーティストじゃないし、ウブドに来たのはバリ島の真ん中へんなので、どこへ行くにも便利なところと、海側より山の環境が気に入ってここにステイしているのだよ。
ワヤン:ウブドは芸術の村だよ。
私:そんこと知ってるよ。
ワヤン:絵画の村は
私:絵画、それは知らなかった。
ワヤン:だから、ここで絵を描けばいいよ。
いやいや、そうではなくて、昨日の出来事をどう思うのか、
あれは何だったのかを聞きたかったのに
私はアーティストでもなく”ここで絵を描けばいいよ”じゃないし...。
私:ワヤンそうじゃなくて、あれは何だったのかってこと。
私は超常現象とか信じてないから。
どう理解していいのかわからないんだよ。
ワヤン:大丈夫、それはバリの神様がタカに教えてくれたんだよ。
だから、タカはアーティスト、絵を描けばいいんだよ。
なんで、そういうふうに解決してんだよ、
神様の教えって、本当なのかそれ?
私は、そんな単純なことではないとまた、ムッとした。
ワヤン:タカ、後から絵や木彫り見にいこうよ、いろいろ行こう。
私:いやいや、昨日のことがショックで、どうしていいのか悩んでるし、とてもそんな気になれないからやめとくよ。
ワヤン:大丈夫、タカ、行こうよ。
その大丈夫はどこから出で来るのか、私は全く気が乗らなかっが、このまま部屋にこもっても答えが出そうもないし、しょうがなくこの陽気な友人ワヤンにのってみるかと。
私:OK。いってみるか。
残りの食事を済ませ、部屋にもどった私はワヤンに話して少し気が楽になったのだった。
しかし、私を初めからアーティストと思っていたなんて、ありえない。
ワヤンは預言者か?
つづく
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!