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改めて縁起を考えてみる(851)

「縁起がよい」「縁起が悪い」などと、吉凶の前兆(前ぶれ)を示すときに「縁起」を用います。また、事物の起源・由来のことを、縁起と言います。

しかし、もともとは「(物事は)同時に生じることや作用に依存して起きる」と言う意味合いなのです。もっと正確に言うと、「どのような結果にも、必ず因(原因)と縁(同時に生じることや作用)がある」ということです。因縁によって結果が生まれ起きると言うことですから、因縁生起(いんねんしょうき)が正しいのですが、それを略して因縁と呼んでいるのです。 
[参考]お経に「一切法は因縁生なり」(一切の法<万物>は因縁によって生じる)とある。

簡単な例、と言うよりも重要な例を示しておきましょう。それは、
「人間は渇愛(欲望の充足を求めようとする煩悩)に縁(よ)って苦悩を引き起こす」
[例 : 生活(因)のために、より高い給与を欲する(縁)が、給与が低い(果)と悩む]
というものです。

因だけ、縁だけで結果は生じないのであり、因と縁がそろって結果が生じるのです。
たとえば、
 ・よい行いをすれば、よい運命(結果)が現れる。(善因善果)
 ・悪い行いをすれば、悪い運命(結果)が現れる。(悪因悪果)
が普通なのですが、途中に発生する縁の内容によっては結果も変わることに注意しなければなりません。

このことを逆に言うと、原因や条件などの縁が無ければ、結果も自ずから無くなるということです。このような状態を「空」と言います。

要するに、
 ・いかなる物事も実体として存在しているのではない <= 無我または空
 ・他のものを縁として変わっていく <= 無常
 ・一切のものは仮の姿として私たちの目の前に瞬間的に現われているだけ <= 中
ということなのです。

世の中の出来事は「目の前に現れているものは仮の姿である」ということを理解しさえすれば、物事が色々と移り変わっていっても驚かなくなります。

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