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独りしっかり悟るのが基本

禅のキーワードに、「不立文字(ふりゅうもじ)、教外別伝(きょうげべつでん)」「直指人心(じきしにんしん)、見性成仏(けんしょうじょうぶつ)」があります。
禅の世界を対象にしていますが、その他の世界でも似たようなことはあります。例えば「不立文字、教外別伝」は、匠(たくみ)の世界での「師匠からいい意味で盗み学ぶ」ということにもつながると思います。共通するのは、言葉では伝わりにくいということです。したがって、修行する側が、自分自身で必死に探究しなければならないということなのです。すなわち、「独りでしっかりと悟る」(自分自身で体感・体得して腑に落ちること)ということになるわけです。

念のため、「不立文字、教外別伝」「直指人心、見性成仏」を補足しておきましょう。

「不立文字、教外別伝」とは、言葉では真理を言い尽くすことはできない(不立文字)、言い換えればお経のような文書ではなく別に伝える(教外別伝)しかない、ということを意味します。すなわち、以心伝心ということです。

「直指人心、見性成仏」とは、人の心の奥底にある純粋で清浄なる仏心を言葉などではなく直接的に指し示し(直指人心)、本来の自己を把握して、すなわち見性して仏と成る(覚る、すなわち見性成仏)ことを意味します。大切なのは、本来の自己(仏心)と一つに成り切るということです。

端的な言い方をすると、「不立文字、教外別伝」「直指人心、見性成仏」とは、書物などのような外にあるものを求めてはならず、あくまで自己探求(己事究明)にあるということなのです。「独りでしっかりと悟る」ということです。その自己探求(己事究明)の手段としては、坐禅や公案があります。

最後に、「独りでしっかりと悟る」は「無師独悟」と言い換えてもいいでしょう。ただし禅では「無師独悟」をあまり良い意味で使いません。修行は基本的には一人でやるものですが、無師独悟したものを、最終的に正師に「それでよし」と認めてもらうのが正しい仏道なのではないでしょうか。

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