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何気ないふだんのことを表す漢字は?(910)

私たちは「ふだん」を漢字で書くと「普段」と書くことが多いようです。しかし、元々は「不断」と書いていたのであり、「普段」は当て字なのです。

「不断」とは、「断=きりはなす」ことがないということから、続いている状態を断つことがないという意味なのです。「断つ」は「絶つ」とも書き、「絶えることがないこと」を意味するようになっています。もう少し発展して、「絶えることのない=いつもの状態である」となって、「日常、いつもある状態」の意味が派生していくのです。要するに、「不断」は常日頃(すなわち「日頃」)と同じということになりますね。

少しややこしく(あえて漢字にすると「稚児しく」となる)なってきたので、ポイントを列挙してみましょう。

・何気ないふだんとは、「不断」(絶えることがない)が原意である。
・絶えることのないいつもの状態のことを、「日頃」と言う。
・特別な時や場合を特段と言い、その反対の「いつもその状態であること」
 の語が「普段」である。
・元々「不断」と書いていたのを、当て字で「普段」と書くようになった。
・絶え間なく続く物事に対しては「不断」を使うとよい。
・「常日頃」という意味がある場合は「普段」を使うとよい。

補足しておくことがあります。

「不断」には「途絶えないで続いていくこと」という意味があると説明しました。実は同時に「決断力に乏しいこと」という意味もあるのです。例えば、「優柔不断」と書くと、ぐずぐずして決断しないことの意味になります。

もう一つ。「普段」と似たようなものに「普通」があります。「特に珍しくないこと。ごくありふれたものであること」という意味です。普(あまね)く、広く通じることが「普通」ということなのです。
しかし、そのように理解していても、時代とともに、意味が付加されています。特に変わっていないのだから、「通常」の意味が追加され、「普通に美味しい」と言うときには、「とても」という意味となるのです。そこで、「普段」と「普通」をどのように使い分けるかというポイントを見ておきましょう。

・これまでと変わらないという意味の場合には、「普段どおり」とする。
・ごく一般的な場合には、「普通である」とする。

何事も、正しく伝えるためには、その語句の本来の意味に立ち返って、正しい語句を使うべきだということがわかりますね。

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