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自己実現では正師に出会うことが大切

私たちは、多くの人たちが自己実現をしようとしていることを知っています。自己実現とは、自分の能力や才能を存分に発揮したいという自己探求です。そのためには、次の二つの方法があります。

(1) 自分に対して質問しながら実現していく
  自分のスピードで実施し、自分の主観でゴール達成となります。

(2) 他者の協力を得て実現していく
  自分以外の人(一般的には先駆者)に協力してもらってゴールを目指す。

もちろん、まずは自分自身の努力で(主観で)自己実現を目指して、高いレベルに達したかどうかを他者に判断・指導してもらうというように、上記二つをミックスして進めることも可能です(実際には、この方式が多いと思います)。

さて、ここで考えなければならないのが、一つ目の「自分」です。もしも自分が最高級の人であれば、天地自然の真理を師とすることができます(例: 釈尊は独悟しています)。第二級の人であれば、優れた人物を師とします。そして第三級の人は書物を師とすることになります。

次に、二つ目の「他者」です。他者は、一般的には先駆者(すなわちその分野のトップ)であるべきでしょう。そのような素晴らしい人に出会えるかどうかがポイントになります。そのような人のことを、仏教では正師(しょうし、仏道を正しく教導する人)と呼んでいます。さらに補足しておくと、自分の現在の立ち位置によって正師は異なってきます。例えば、現在の曹洞宗の例を示すと、 次の三名の正師です。

 得度=出家する人には、 受業師が出家者としての道業を授ける
 立職=修行を経てリーダーになる人には、 高徳の法幢師が任命する
 伝法=法を世に伝える人には、 法を嗣(つ)ぐことを本師が認める

参考までに、「よき師友に恵まれる」という言い方がありますが、先生として尊敬するほどの友人もまた本師となりうるかもしれません。

本師の例を、日本曹洞宗の道元の場合で見てみましょう。

道元は、自分の正師を天童如浄と公言しています。道元は、仏法の伝法は、ただ仏と仏のみにあるとしており、『正法眼蔵』「仏祖」では天童禅師との出会いを「唯仏与仏」(仏である道元自身と仏である天童禅師)と言っているほどです。私たちも、生涯において本師(正師)と呼ぶべき人物に巡り合いたいものです。

[参考]  「唯仏与仏」は、「唯、仏と仏のみ」と読みます。「与」の訓読は「と」です。
『妙法蓮華経』「方便品」にある「唯仏与仏・乃能究尽(ゆいぶつよぶつ・ないのうぐうじん)」という一句から引用したものであり、「唯、仏と仏のみ、乃(すなわ)ち能く(諸法の実相を)究尽したまえり」と読みます。

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