法とは何か(837)
「法」は、色々な意味で用いられます。まずは欧州発のものとして、自然法や一定の法体系としての法と、具体的な法規範としての法律という意味であり、多くの人に用いられています。
もう一つは、インド哲学としてのダルマ(dhamma)と訳される法であり、法則とか真理(人間の守るべき永遠の真理)という意味と、ものごとなどの存在を意味する場合とがあります。
漢字文化圏では、法(元々は灋)は、「水+廌(タイ:羊に似た獣)+去」からなる会意文字であり、廌を追い込んで水に流す(去)という意味を持ちます。誤りとか敗者をなくすことで残ったものが真理であるということから、ダルマを法と訳したわけです。広い意味では、法律もダルマと考えてよいでしょう。
ダルマをまとめてみると、次のようになるでしょう。
(1)規範としてのダルマ
正しく守られないと、人間社会は混乱に陥いる。
仏教では、正しい教え、教法、真理を意味する。
社会的規範としてのダルマを遵守すれば、良い果報を得るとする。
(2)ものごととしてのダルマ
世界を構成する色々な要素のこと。
色々な縁起によって生じるものを有為法(ういほう)と言う。
(物質的現象、心の主観によって認識する諸現象や関係など)
生滅しない絶対的な存在を無為法(むいほう)と言う。
(3)性質,属性としてのダルマ
あるものをあるものたらしめる仏性・仏心(個々人が基体となる)。
仏性・仏心が働く(縁起する)ことで成り立つものを性質・属性と言う。
私たちは、「法」と言う言葉を、その使われている文脈によって何を意味しているかを判断しなければなりません。
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