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「あの人のせい」というのは「あの人のしわざ」ということ(856)

私たちは時々、「悪いのは○○のせいだ」などと言うことがあります。この「せい」とは漢字ではどのように書くのでしょうか。「性」でしょうか。それとも。。。

調べてみると、「所為」と書くことがわかりました。「所為」(もともと、しょいと読みますが、せいとも読みます)とは「為す所」ですから、「しわざ、行い、原因」の意味を持っています。

「人のせい」すなわち「人の所為」は、その人が為したこと(したこと)が原因でこうなったということなのです。したがって、悪い意味、すなわち責任転嫁の言い方であることに注意しておく必要があります。責任転嫁・他責にするのは、一般的には品位を落とす言い方になります。よって、「あの○○のせいだ」といった言い方はできる限り避けた方がいいのです。

「人の所為」は事実確認が大事になります。事実確認をせずに、他者を責めるのは特にリーダー的な役割の人がすることではありません。もしも、事実確認せずに「人の所為」などと言うものなら、「それはお前の気のせい」だと言われてしまいます。
ここで「気のせい」というのは、「はっきりとした理由はないけれども、何となくそう思う」という意味です。すなわち、「気のせい」(気の所為)は、事実に基づくものではなく、思いだけが先行する思い過ごしということなのです。

ものごとがそうなっている理由をはっきりと捉えるためには、ものごとに素直に対峙する心、すなわち「素直な心」が大切になってきます。「人の所為」と言う前に「素直な心」であるべきなのでしょう。現パナソニック(元松下電器)創設者の松下幸之助氏は、「素直な心」を次のように定義しています。
 「素直な心とは、寛容にして私心なき心、
  広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。
  また、静にして動、動にして静の働きのある心、
  真理に通ずる心であります」。

松下氏の言いたいことは、
 ・我欲などによって勝手な分別をせずに、真っ直ぐな心で、
  自分の能力に合わせてあるがままにものごとを受け入れる。
 ・ものごとを成り立たせているもの(すなわち真理)は何かを見極める。
ということなのでしょう。
 [参考]真っ直ぐなということは、純粋で一直線ということです。
   「直」は平らかなこと、まっすぐなことを意味し、
   「陸(ろく)」とも書きます。
    ちなみに、「陸」の否定は「陸でなし(ろくでなし)」となります
   「直」の反対は、性格の曲がった、役に立たないことなのです。

ものごとをしっかりと見極めるのは、「自分の所為」なのです。「人のせい」などと言う前に、自分のやるべきことをやらなければなりません。

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