【詩集評】西原真奈美『迎え火』
詩の読み方。文学の読み方。本当は、どこをどう読んでもいいはずなのに、いつのまにか型に嵌めてしまう。ある権威によって、あるいは、偏見によって。何かを読み取ろうとしたり、学ぼうとしたり。それは、しばしばその世界を見る目を曇らせる。西原真奈美さんの第一詩集『迎え火』は、そんな自分からわたしを解き放ってくれた。わたしはこの詩集を、きわめて個人的な体験として読んだ。痛みの刻印。ぎりぎりまで己と、あるいは他者と、世界と向き合い、言葉にした詩は、激しい痛みを伴う。だが、本当の意味で書き手を