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【短歌十首】初めての恋(2)
放課後は部活に行ってしまう君私はあそこには入れない
もっと遠くまで君を奪って逃げるあの日一緒に聴いたスピッツ
廊下越し探してしまう君のこと離れたクラス最終学年
用もないのにちょっかいを出してくる後ろのあなた意識し始め
かまってほしくて君の肩を叩くなあに?と振り向く目は優しくて
喧騒の教室の中いつだってあなたの声は聞き分けられる
自転車の後ろに乗せて走り出す広瀬川の土手空に飛んでけ
階
【短歌十首】官能的な恋(1)
お互いを欲しがるその切実さは宇宙の果てのさみしさに似て
あいしてる漢字がひらがなになると二人の愛撫激しさを増し
してるときいっぱい好きって言ってよねこの瞬間が消えないように
二日前どきどきしながら爪を切る君のからだが大切だから
触れるだけのキスでもう確信したよ僕ら相性最高だって
シンクにつかまり後ろから抱かれるこの先のことは放送禁止
仕事中思い出すのはあなたとのキスとかキスとかキスとか
【短歌十首】初めての恋(1)
あしたにはまた教室で会えるのに両想いでも恋はせつない
君は今日も物理の授業サボってるきっとあそこで空眺めてる
校舎裏に今日も君は呼び出されいいもん後で独り占めする
教室の隅で初めてキスをした世界でいちばん君が好きだよ
誰にも言えない思いとクラス替え君と同じの世界史選択
何度も声かけようとしたのにだめだった修学旅行のツーショット写真
上履きのまま学校を抜け出したただそれだけで胸が高鳴る