【詩】SとN
雪が降るためには
もう少しがんばらないといけない
きみと約束したから
ぼくができることは
たとえば海をかたちにするとか
北の空のあの星を取ってくるとか
そのぐらいしかないから
子守唄さえ歌えない
だからせめてこんな夜には
静かに雪を
あるいは星を降らせてあげたい
あなたはいつも風だから
わたしの願いを叶えてくれる
こんなさみしい冬の夜
せめて雪でも降ればいい
何なら星が降ればいい
あなたはいつも言葉にならず
だけどそばにいてくれる
磁石のSとNのように
ぴったりあなたに抱きしめられる
だからどうかわたしに雪を
あるいは星を
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?