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ウォーミングアップで上手くなりたい選手へ

あなたは、ウォーミングアップ(以下、W-up)をどのくらい深く考えて行っていますか?

ただ体が温まればいいでしょうか?
確かに体が温まることには多くのメリットがあります。

しかし毎日のように行うW-upを、ただ体を温めるだけではもったいなさすぎます。

特に練習時間が短いチームでは、その練習の質を高めるためにも頭に入れておきたい部分になります。

今回は選手の方向けにぜひ意識してほしいポイントをまとめてみました。

選手の方はぜひ次回の練習から意識して行ってください。

それではさっそくいきましょう!

まずは何より体が温まっているかをチェック

W-upの名前の通り、体が温まっているかは大事なポイントです。

体が温まることは、筋肉が動きやすくなったり、関節が動かしやすくなったりと多くの効果があります。

いくらいいW-upをしても、終わったときに体が温まっていなければ効果は半減です。

これは季節や気温によって微調整が必要になりますので、特に寒い時期は大事なポイントになります。

今日の調子をチェック

体は1日として同じということはありません。

関節の硬さ、痛みがあればその質や程度、内臓の調子などW-upで確認できる調子の良し悪しはたくさんあります。

これらの状態の変化にW-upで気付くことができれば、練習や試合の前に対処することもできます。

こちらは少し細かく書いてみます。

関節の硬さをチェック

一番わかりやすいのは関節がいつもより動きやすいのか、硬くて動かしにくいのかを感じることです。

それを感じるためには関節を最大限に動かすメニューがW-upに入っている必要があります。

もし自分のチームのW-upにそのような運動がないときは、練習が始まる前にいくつかチェックしておくと良いと思います。

特に重要となるのは、股関節や背骨などの体の中央に近い関節です。

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こちらは股関節の屈曲(前に曲げる)という動作。

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こちらは背骨の伸展(反る)という動作。


硬さをチェックする方法はチームのコーチやトレーナーがいれば聞いてみるのも良いでしょう。

できればいつも同じチェックポイントをもっておくと、些細な変化にもきづきやすくなるはずです。

いつもよりも硬いなと感じるときはW-upの後にでもしっかりストレッチしておくことで、余計な怪我や調子の波を抑えられるかもしれません。

動きやすさをチェック

関節の硬さの次は動きやすさ、動かしやすさをチェックしましょう。

なんとなく脚が重い、動きのキレが出ないなどを確認しましょう。

スキップやジャンプ系のメニュー、もも上げなど全力で体を動かすようなメニューが確認しやすいです。

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ラケット競技、野球やバスケなど上半身を多く使うスポーツでは背骨や腕の回しやすさなども確認しておくと良いでしょう。

大会やシーズン中は特に疲労などが残っていたりすると重く感じることも少なくありません。

全身の血流が悪くなっていたり、栄養状態、睡眠不足なども体が重く感じる一因となるので、1日の生活を振り返る機会にもなります。

内臓の調子をチェック

内臓、と聞くとW-upに関係ないと思うかもしれません。

しかし内臓の不調は呼吸のしにくさやお腹の硬さにつながります。
(この理由についてはそのうち他の記事で詳しく書きたいと思います)

呼吸がしにくければプレー中に疲れやすくなります。
お腹が硬ければ体をねじったり反ったりする動作がしにくくなります。

W-upでは上記に関連して、呼吸のしやすさや背骨の硬さなどに現れます。

もしそれらを感じた場合は、まずはストレッチでいいのでいつも通りになるように調整しましょう。

もう少し言うと、こちらはW-upの時間だけではありません。

その日の寝起きやトイレの回数、胃もたれ等の不調、気持ちの波など、日常のあらゆるところに内臓の状態を知るヒントが隠されています。

痛みの有無、質をチェック

もし体に痛みがある部位があれば、その有無や質も確認しましょう。

一言に痛みがあると言っても、実は日によってばらつきがあります。

もちろん痛みがないことに越したことはありません。

しかし痛みは体に対して繊細になるチャンスでもあります。

痛みがないとその日の調子を感じるのが難しいという選手も多いですが、
痛みがあればその程度によって調子の波を感じやすくなります。

例えば背骨がいつもより柔らかい日は膝の痛みが少なく、
背骨が硬いと感じた日は膝も痛みが強かったとしましょう。

そうなると膝の痛みの一因として背骨の硬さが考えられ、背骨の硬さが自分の調子を左右しているとも考えられます。

逆に痛みがなければ、背骨の硬さが自分の調子を左右していることに気付けないかもしれません。

今痛みがある人は、それすらもチャンスと捉えて自分の調子のバロメーターを発見してみましょう。

体のつながりをチェック

どんなスポーツでも、全身が連動して動かせた方がパフォーマンスは上がります。

例えば野球やゴルフ、多くのラケット競技は下半身から上半身へ向かって力が伝わっていきます。

サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどは上半身から下半身への連動がより重要になってきます。
(プレー内容にもよりますが)

それぞれの競技特性やポジション特性に応じてW-upでチェックしておきたいポイントが変わってきます。

ただ、いくつか共通のポイントがあります。

1つは体の斜めのラインがしっかりつながっているか。

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写真のストレッチは一例ですが、斜めに体を伸ばすような動きを通して斜めのラインで違和感がないかをチェックしてみましょう。

他にも全身を動かすようなストレッチやメニューがあればそれらを通して連動している感覚を大切にしましょう。

また、連動を強化するようなメニューがあればチェックとトレーニングが同時にできるのでおススメです。

メニューの作成は専門のトレーナーがいた方が正確ですが、可能なら競技に合った全身の使い方をできるメニューがあればなお良いです。

気持ちが乗ってきているか

少し曖昧な項目ですが、実はすごく大事なポイントです。

試合にしろ、練習にしろ、精神状態はパフォーマンスに大きな影響を与えます。

寝る前の精神状態で試合に臨む場面を考えてもらえば、その意味は分かりやすいかと思います。

W-upは、気持ちの切り替えスイッチとして活用できます。

大切な試合の前なら自然と気持ちも上がってきますが、
普段の練習前、しかもなんか今日はやる気が出ない。

そんな日は誰にだってあります。

そんなときにこそW-upをスイッチにして気持ちを乗せていけるようにしていきましょう。

日頃の練習でスイッチを切り替えられるようになったら日々の練習の質が上がり、パフォーマンスアップにつながります。

また、その日の自分の気持ちに意識を向けられるようになることも多くのメリットがあります。

外的環境に慣れる

外的環境とは、グラウンドや天気、地面の状況、湿度や気温、会場の雰囲気などのことを指します。

これは特に遠征地でのW-upで重要になることが多いです。

グラウンドは土か芝か、観客がいるのか、湿度が高いのか、寒いのか、雨で下が濡れているのか、これらの外部の要因もパフォーマンスに大きく関わります。

その環境下でいつもの動きができるのかをチェックすることも忘れずに行いましょう。

最後に

今回は選手に向けてW-upで意識してほしいポイントについてまとめました。

W-upはなんとなくでやってしまいがちですが、実は自分の状態を知ることや連動性を強化することもできる非常に大切な時間になると考えています。

特に1日の練習時間が短いチームでは、W-upは体を温めるだけでなく、トレーニングや精神的な準備、環境への適応などできるだけたくさんの効果が同時に得られるように工夫する必要があります。

今回の記事の内容を1つ1つ丁寧に意識してできれば、W-upをするだけでも上手くなれます!

競技ごとのポイントや具体的なメニューに関しても少しずつ紹介していければと思います。

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