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棘下筋(Infraspinatus)

以前、肩回旋筋腱板の個別の作用については解説しました。

今回は腱板の仲間である、棘下筋について。

上記の腱板と同様、運動時の肩関節の安定性に関与します。

特に下垂位の外旋、外転90°での外旋作用が有名ですね。

筋の面積としても大きい棘下筋、しっかり整理しましょう!

棘下筋の起始停止

画像1

(Visible bodyから引用)

起始:肩甲骨棘下窩
停止:上腕骨大結節
支配神経:肩甲上神経C5-6
作用:肩関節外旋
(基礎運動学第6版)
起始:肩甲骨棘下窩、棘下筋筋膜
停止:上腕骨大結節後縁
支配神経:肩甲上神経C5-6
作用:肩関節外旋、上部は外転、下部は内転
(分担解剖学1総説・骨学・靱帯学・筋学)
起始:肩甲骨棘下窩内側2/3、棘下筋筋膜
停止:上腕骨大結節の中央部と肩甲上腕関節の関節包
支配神経:肩甲上神経C5-6
作用:肩関節外旋、水平外転、外転、肩甲上腕関節安定化
(オーチスのキネシオロジー第2版)

ほとんどどの書籍でも同様の起始停止になっていますが、
関節包にも付着するという報告は臨床上重要な意味を持ちます。

棘下筋が付着する肩甲上腕関節後方の関節包は外転や内旋で緊張します。

つまり棘下筋の収縮不全により上記の可動域が制限される可能性があるということを示唆しています。

実際、臨床上も回旋の可動域は腱板の収縮に伴い改善を認めることも多く、
関節包の運動に腱板が関わっているということは納得しやすいですね。

筋機能

肩関節の外旋筋として大きなモーメントアームを持っています。

また、外転作用についても最近報告されており、棘上筋とともに上腕骨頭の安定化に関わっていると考えられています。

肩の外転や挙上時、棘上筋は上腕骨頭の上方への転がり運動を引き出し、
棘上筋以外の3つの腱板(棘下筋、小円筋、肩甲下筋)が下方への滑り運動を引き出していると言われています。

このとき、腋窩部の筋(大円筋や広背筋など)に硬さがあると上腕骨頭の下方滑りを阻害してしまい、肩峰下インピンジメントが起こると考えられます。

腋窩部の硬さがなくても、腱板の機能不全や三角筋とのアンバランスなどによっても上方への滑りが起こり、同様にインピンジメントを引き起こします。

そのため、挙上時の方の痛みについてはどの機能が低下しているのかしっかりと評価することで原因が明確になり、治療方針も決まります。

筋膜連結

棘下筋はディープ・アーム・バック・ライン(DBAL)に含まれます。

小指球筋⇒上腕三頭筋⇒棘下筋、小円筋⇒菱形筋

DBALは小指球から尺側を上行し肩甲骨内側まで続くラインです。

パソコン作業やノートを手書きする学生などは小指球が常に机などに押し付けられていると硬くなりやすく、その影響で肩甲骨周囲の筋へ影響が出ていることもあります。

単純な筋機能低下だけでなく、このようにつながりも含めて考えていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

腱板は単体での機能も大事ですが、全体として肩を挙上する機能を補完し合っている関係性にあるので、必ず全体としてどんな機能が不足しているのか、評価を進めていくようにしましょう。

それではまた次回!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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