マガジンのカバー画像

詩集おんなのうた

11
アメブロで長年投稿していた「ポエム酒場いづみ」を2021年6月から、こちらにお引っ越しします。 心の中の影や底の部分を詩にして投稿します。 2021年中に三度目の自費出版「おんな…
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

蝶々

蝶々

蝶々はたましいをのせてひらひらと舞う

お気に入りの音楽を聴きながら歩くと

空も草花もアスファルトさえも

天国のように光る

蝶々がわたしに近づいてくる

歩くのとおんなじリズムでひらひらと舞う

ああ そうか

世界を美しいと思った心に寄り添っているんだ

家からお線香のにおいがしてくる

優しい澄んだにおい

その家の周りを

ひらひらと蝶々が舞う

ああ そうか

亡くなった人が会いにき

もっとみる
サイン

サイン

朝日も夕日も

目に見えないもの

大きな存在からの

サイン

わたしも昨日

受け取った

そのまま

進みなさい

応援してるから

そう

言われた気がした

おおきな

おおきな

ひろい

ひろい

目に見えない存在から

YES

そう

言われた気がした

あなたも

サインを受け取った?

きっと

受け取った

YES

そのままで

行きなさい

そのままで

生きなさい

もっとみる
自信

自信

ある作家が

エッセイのあとがきで

「自分に自信がないのは自分だけだと思っていた」

と書いていた

有名で才能あふれる彼女が

まさか自信がないなんて

驚いた

そして

思った

わたしも自信がない

わたしも自信がないことを

わかってる人は

どれだけいるだろう

わたしは人が好きだから

誰かに会えただけで

うれしいから

いつも元気で明るい

だから

自信がないなんて

気づか

もっとみる
夏至

夏至

今日は

一年で一番

日照時間が長い日

パワーが

切り替わる日でもあるという

昨夜

ワイングラスの水滴を

ライトにかざすと

新しい世界が見えた

それは

夕暮れのような

朝焼けのような

眩しくて

神聖な世界

きっと

こんなふうに

いつだって

日常のなかに

新しい世界があって

気づいた人だけが

そこへ行ける

古い荷物を手放して

新しい世界へ

きっと

こんな

もっとみる
ひこうき雲

ひこうき雲

ユーミンの
この歌を聴くと

あの子を思い出す
あまりにもぴったりすぎて
苦しくなる

若くして
死んでしまった
あの子

あまりにも若すぎた

そう言うのは
簡単すぎる

全うしたのよ
わたしはわたしで
精一杯
生きたのよ

あの子にかわって
そう言いたい

ひこうき雲
なのに
いつもイメージするのは
紙ひこうき

あの子を想うと
空に飛んでゆく
真っ白な
紙ひこうきを想う

飛んでそのまま

もっとみる
海

寝不足でも
疲れてもないのに

海に行くと
眠くなる

それはもう
強烈な睡魔

海は
胎内にいた頃を
思い出すという

泣いたあとみたい
泳いだあとみたい
とにかく
だるくて眠い

それがとても
心地いい

わたしは
ううん
だれもが

ただただ
生きているだけで

誰かを
幸せにしている

胎内にいた時から
ずっと
今でも
これからも

生きているだけで
誰かを
幸せにしているよ

だから

もっとみる