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❨332❩1972.7.29 土 晴 過ぎて来た国を思い出す:SUMA23日目/サンパウロ:ブラジル(Sao paulo:Brazil)

山田へレコードを送った(26クルセイロ)。
これでやれやれ。

あと手紙を7、8通書いて終わり。出した手紙の中で、果たして何通返事が来るだろう。
当てにはしないが、沢山来るといい。

過ぎて来た国を思い出した。

ロサンゼルス=気候温和で太平ムードの気楽な町。
メキシコ=マリアッチを始め、ステキな音楽が聞けた。
グアテマラ=暑さにはコッテリまいった。
ホンジュラス=たった一日でさようなら。
エル·サルバドル=底抜けに親切な人が多かった。
ニカラグア=富士山のような山が印象的。
コスタリカ=道が悪くて暑い所。
パナマ=黒人が多くにぎやかな国。
コロンビア=カリブの海が忘れられない。
エクアドル=アンデスには石畳の道が続いた。
ペルー=海と砂漠と恋の国。
ボリビア=あのラ・パスの夜景と露店が忘れられない。
チリー=長い長い砂漠の道。
アルゼンチン=地平線とガウチョの思い出。
パラグアイ=ジャングルの国。
ブラジル=ここまでは何んと起伏の多い道だったことか。

苦しかった所ほど、今、心に美しく甦えって来るのはなぜだろう。
二度と自転車で行こうとは思わない。
しかし全ての道が、走り甲斐のある、行く前に考えた以上の所ばかりだった事が何より嬉しい。

今の生活、やや物足りないが、そうかといって、走る事がそんなに(確実に)意義があるとも思わない。
要は、苦しむ為の手段であるのだ。

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