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「幸せ」になるために必要な4つのこと

40歳を超えてから、自分の人生における「幸せ」について考えることが多くなった。これまでは、ある意味「がむしゃら」に生きてきたし、それが「企業再生」にしろ「技術ベンチャー創造」にしろ、強い目的意識のもと、日夜走り続けることができた。それまでの僕は、誰もが認める「モーレツな仕事人間」だったと言える。ところが、40歳を超えてからというもの、何をやっていても、最終的には、次の問いにぶつかるようになってしまった。

それをやっていて、あなたは幸せか?

「それ」というのは、だいたいにおいて仕事のことなのだが、仕事を前に進め、その仕事によって社会を変革するということに関して言えば、答えらしきものに近づいている自分がいた。しかし、40歳になった瞬間、それに満足できず、僕はモーレツに「幸せになりたい」と思うようになった。ハイテクベンチャーを2社創造して、2社とも売却すれば、経済的にも十分豊かになる。昔のように「ひもじい思い」をすることなく、家に帰れば、温かいご飯を食べることができた。

結果、僕は自分がどんな時に「幸せ」な気持ちを感じるのかということに意識的になり、「幸せ」という抽象的な概念を、よく「分解」して、自分の日常生活と「比較」し、毎日「幸せ」を感じるためにはどうすれば良いのかということを研究するようになった。世界をより良い場所にする。それは本当にその通りなのだが、これだけでは満足できなくなってしまった。そのプロセスの中で、自分もきちんと「幸せ」になりたいと思うようになったのだ。

「幸せ」について色々と研究していたある日、自分の経験に照らして「これだな!」と思う枠組みに出会った。それは、ハーバード大学を卒業した後、それこそ僕と同じく、2社のベンチャー企業を大企業に売却する中で、自らの「幸せ」について考え抜いた起業家トニー・シェイが、『幸福を配達いたします(Delivering Happiness)』という書籍の中で紹介した「人間の幸福を形成する、特に重要な4つの要素」というものだった。それは、以下のようなものだ。

1.自分がやることを、ある程度自分でコントロールできること

2.毎日少しずつでも良いから進歩(成長)を感じることができること

3.小さなコミュニティの中に、自分の居場所があること

4.自分が大きな目的、ビジョンの一部であると感じることができること

僕がアメリカで創ってきたフラクタ(Fracta, Inc.)という会社は、この4つの枠組みを特に意識して運営されている。しかし、組織というのは面白いもので、これがフラクタのアメリカ本社ではなく、フラクタの日本法人となると、こうした意識が薄れてしまうことがある。物理的な「距離」がもたらすものとは、実にそういうものだ。彼女たち彼らが僕の仲間であるならば、彼女たち彼らにも「幸せ」になって欲しいと願うのが人情であり、最近僕は、ことさらに仲間の「幸せ」が気になっている。

日本の仲間たちは、自分がやることをコントロールできているだろうか(人から指示されて動くのはつまらない)、日本の仲間たちは、毎日自分の仕事や生活の中で進歩を感じることができているだろうか(それは手放しで嬉しいことだ)、日本の仲間たちは、小さな会社の中にきちんと居場所があるだろうか(おかしな競争原理で背中を刺し合うような組織はいらない)、日本の仲間たちは、自分たちがビジョンの一部だと心の底から思えるだろうか(意味のある人生を歩みたい。それは皆同じだ)。

話は長くなったが、僕は、「幸せ」について色んなことを考え、自分が「幸せ」を感じる中で、渋谷にカフェを創ることを決めた。昔から、僕には「会ったことも無い他人のことを心配する」という特技がある。幼少期に苦労した経験から、他人の不幸を自分の責任と捉え、スティーブ・ジョブズが愛した禅僧、乙川弘文のごとく、他者への深い共感を持って、これまでの人生を歩んできたように思う。その中で、SCHAFTやFractaという奇跡は生まれた。しかし、なぜカフェなのか。

「幸せ」について知れば知るほど、自らが「幸せ」を感じれば感じるほど、人間が「幸せ」になることは、そんなに難しいことではないような気がしてきた。億万長者になんかならなくても、人間は「幸せ」になることができる。世界を変革できなくても、人間は「幸せ」になることができる。しかし、多くの人たちは、今日も「不幸せ」な気持ちを抱いているかも知れない。それは、コツを知らないからだ。だからこそ、自分が得た知恵を、誰か他の人のためにも使いたいと思うようになった。

僕は昔から、カフェで本を読んだり、勉強したり、仕事をしたりするのが好きだった。カフェの席に座り、少しの時間を過ごせば、コーヒー1杯で、とても「幸せ」な気持ちになれた。自分に与えられた人生という時間の中で、カフェという小さなコミュニティに通い、自分の成長に向けて本を読み仕事をし、やがて来る自分の将来に思いを馳せる。感覚的に気づいていたことではあったが、僕は改めて、カフェは「幸せになるために必要な4つのこと」をすべて満たしていると思ったのだ。

先日、カリフォルニアで通うブラジリアン柔術の道場で、朝の練習が終わると、道場の先生と話をした。道着を着たまま、40分くらい話しただろうか。25年前、アメリカ人である僕の先生は、ブラジルからやってきた黒帯の道場主に出会い、柔術の魅力に取りつかれた。家族の事情でブラジルに帰るという道場主を説得し、ビザと永住権、市民権を取る手伝いをして、彼を踏みとどまらせ、シリコンバレーにブラジリアン柔術そのものを根付かせた。その経緯を、僕は始めて知った。

こういう情熱が、一人の人間が、いま僕たち道場生が通う「コミュニティ」を形成するきっかけになっていた。なぜこの道場の居心地が良いのか、僕にとってはっきりと分かった瞬間だった。それ以来、僕は自分のカフェ「メンローパーク・コーヒー」に関しても、きちんと情報発信をしながら、良いコミュニティを形成できるように、自分の情熱を惜しみなく注いでいこうと改めて思うようになった。自らの「幸せ」を考え、それを感じる中で、また他者に対する思いを確認した瞬間だった。

(記事終わり)

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前編20分:

後編20分:


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