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025:フラクタ流の採用基準|クレイジーで行こう!第2章

シリコンバレーの格言から

フラクタではこれまで、たくさんの人を採用してきた。その中で、驚くほど圧倒的なパフォーマンスを出す人たちがいる。その共通点は何なのだろう。僕はよく考える。

シリコンバレーの格言に、次のようなものがある。

A-level people want to work with A-level people. B-level people tend to hire C-level people.

優秀な人は優秀な人と仕事をすることを好み、そうでない人は自分より劣った人を雇いたがるということだ。自分より劣った人を雇うのは、扱いやすいとか、自分の座が危ぶまれないとか、そんな理由なのかもしれない。でも、そんなことでは組織がおもしろくなりようがないし、魅力的な会社に成長していくわけがない。

共同創業者であるラースさん、現在のCFOであるカオル、最初のCTOだった吉川君、今のエンジニアチームを率いる蓑田君、COOを務めるトム、Fracta Leap CEOのヒロ、それから、最近Fractaを去ったヒデやマイク・リアン……。みんな、僕よりずっと秀でている部分がある。自分より優れている人に、どうにかして入ってもらい、一緒に仕事をする。それこそがエキサイティングなのだ。

頭のいい人、エネルギッシュな人、変わった人が入るたび、新鮮な驚きや興奮がある。彼らと話しているとすごく刺激を受けるし、本当に楽しいのだ。逆に、一緒に仕事をしていて面白いと思えないようでは、その会社は衰退していくだろう。

高い能力を持った人を採用すると、自分が追い越される可能性もある。でも僕は、それでいいと思っているのだ。僕よりCEOにふさわしい人が現れ、この事業を引っ張ってくれるなら、むしろその方が望ましい。

僕自身は起業家向きで、安定した会社を経営するのに向いているとは思えない。Fractaが新しいステージに入り、僕がCEOとして最適でなくなったなら、僕はまた別の新しい価値を作りに行くだろう。

とにかく情熱が欲しい

一言に優秀といっても、単に頭がいいとか専門知識があるとか、能力が高いだけでいいかというと、そうではない。その能力を最大限に生かすためには、強い情熱や高い志が不可欠だ。

こちらの記事にも書いたが、「トリップ・アドバイザー」の創業者であるステファン・コーファーが次のように言っている。

「ほとんどどのポジションでも、よい仕事をしている人と非常によい仕事をしている人では給与に二〇パーセントの差がありますが、実際に行われる仕事の差は一〇〇パーセントから二〇〇パーセントもあります

...人数を確保することよりも、正しい人を入れることのほうがずっと重要です。人事部の人たちは『(採用を考えている)その仕事には、どのような条件が必要ですか?』とたずねるものです。私の答えは『情熱がほしい。すばらしい仕事をすることを本気で考えるような人がほしい』です。そもそも、考え方が違うのです。ソフトウェア、顧客開拓、ブランドデザイン、PR。どれか一つの部門に限った話ではありません。姿勢の問題です。そして、そういう人を入れれば、会社はずっとおもしろいことになります」

(ステファン・コーファー)」

情熱や志があるかないかで、仕事の生産性・パフォーマンスは大きく変わる。特に、僕たちのようなベンチャー企業では、会社に対して一人が担うインパクトがとても大きい。仕事の領域に線引きをして「ここしかやりません」という人だけでは立ち行かないのだ。それぞれの領域の隙間から仕事を見つけ出すくらいの気持ちがなければならないし、まったく別の場所から仕事を作り出すような発想も必要だ。そのことが、何倍ものパフォーマンスを生み出すのだろう。

「そこまでの差はないでしょう」と否定されることもあるけれど、僕は100倍も1000倍も違うこともあり得ると思う。

情熱や志というのは、例えば日本の新卒採用で想像されるように、ハキハキと自分の想いやストーリーを話せるということとイコールではない。もっと静かな情熱だったり、陽の目を見ることすら諦めてずっと心にしまってあるものだったりする。

フラクタでは、採用のための面談のとき、僕と話して涙をこぼす人は少なくない。これまでの職業人生では、やりたいのに実現できなかったこと、わかってもらえなかったこと、そういった心の奥底に蓋をしてしまったものが開いて、積年の想いがあふれるのだろう。

思えば、マイク・リアンも、想いに蓋をしてきた人だったのかもしれない。誰も理解しなかった彼の才能を、僕が偶然にも見つけ出した。彼は、羽ばたける場所を見つけて情熱を燃やし尽くし、フラクタのために貢献してくれた。本当に恐ろしいほどのパフォーマンスだったのだ。

本当の意味で、働ける場所を自由に選べる人は数少ないだろう。見えていない世界はあまりに広く、誰しも見える選択肢の中から選ばなくてはならない。ところが、僕たちのような事業を知って初めて「自分も社会のために働けるのだ」と感じる。「生きる意味が仕事になる。まさか自分にそれができるなんて」そう感じて、潜んでいた自分の情熱に気づいたとき、桁はずれのパフォーマンスが発揮されるのだ。

情熱にあふれる組織なら、情熱を持つ人たちが勝手にドアをたたく

こうした情熱を持つ人たちを集めるためにはどうすればよいのか。一つの答えは、ここで働いている僕たちが、情熱をもって「世の中を変えたい」「これはきっと面白いことになるぞ」と心から思って働いていることだ。

これまでもフラクタには、情熱を持つ人たちが勝手に集まってきた。ある時、誰かが、会社のドアをドンドンとノックする。「いま、ちょっと外から見ていたんですが、あなたの会社は、何だかとても面白そうなことをやっていますね。実は私も、ちょうどそんなことをやってみたかったんですよ。もし良かったら、仲間に入れてもらえませんか?」こんな感じだった。

この状況は、2017年の社員合宿で見た映画『タッカー』(第二次世界大戦後に夢の車を作ろうと奔走したプレストン・タッカーの半生を描いた作品)と似ている。映画の中で、タッカーの情熱に導かれるように、天才たちがあちらからドアをノックしてくるのだ。まさに、それと同じように、また一人また一人とこの情熱の渦に飛び込んでくるという現象がフラクタでも起こってきた。

情熱のある人を採用したいなら、日頃から自分たちが心からの情熱を燃やして仕事をすることが何よりも大切なのだ。

(記事終わり)

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前編20分:

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