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煎酒初体験!

わたしは料理をやらん人間なのですが(後片付けが面倒くさい、ずぼらタイプw)、このたび、「煎酒」なるものを通販で見つけ、購入してみました。

銀座三河屋「煎酒」 リンクは記事下方を参照


「煎酒」または「煎り酒」。

皆さん、ご存じでしたか?

和食通のあいだでは有名らしいですが、私は知りませんでした(←こら一応歴史作家


日本料理の味の根幹を、おそらくは味噌とともに担う最重要調味料、醤油。しかし、江戸時代の前期まで、実はほとんど使われておりませんでした。

醤油が一般化するのは、おそらく元禄以降、江戸時代の中期くらいから。

それまで、さまざまな料理に使われていた代表的な調味料こそが、この煎酒だったというわけなのです。

室町時代にはすでに広まっていたらしいですから、おそらく、名だたる戦国武将たちの食膳の味を整えていたのは、醤油ではなく、こっちだった可能性が高いと思います(専門家ではないので間違ってたらスマソ)。


醤油は、大豆を発酵させそこに塩などを加えたものですが、煎酒は、まったく組成が違います。

基本的に、日本酒へ梅の実と鰹節を加えて、ぐつぐつ煮詰めたもの(ただし、いろいろな記述があり、大まかなことしかわかりません)。


江戸時代初期の有名な料理指南書「料理物語」では、
「熬酒は鰹一升に梅干十五乃至二十、古酒二升、水少々、溜り少々を入れて一升に煎じ、漉し冷してよし、また酒二升、水一升入れて二升に煎じ使ふ人もある。煮出酒は、鰹に塩少々加へ、新酒で一泡二泡煎じ、漉し冷してよろし、精進の熬酒は、豆腐を田楽ほどに切り、炙つて、梅干、干蕪など刻み入れ、古酒で煎じてよし」
などと書かれております。

正直、いまいち意味がわかりませんが、要はいろんな作り方があるようです。

実は私は椎茸と同じくらい梅干が苦手で、当然、梅の実の酸味も好きではないのですが、香りづけくらいなら、まあ・・・。

というわけで、そこらにあったほうれん草にかけて、ちょっと試してみました。

おいしい・・・です! (・∀・)

醤油のような、ガツンと前に出てくる味ではありません。むしろ食材全体にふわりとまとわりつくような、ちょっと控えめな味。しかし、立ちのぼる梅の風味で己の存在をしっかり主張してくる、目立ちたがりな一面もあります。

なんというか、演奏のうまいロックバンドにおける、腕のいいベーシストのような(←余計なたとえを入れて文章をますますわかりにくくする悪例)


まあ、上記のとおり、作り方にはさまざまなバージョンがあるようです。

そもそも、私が食したのは現代におけるいわば「復刻版」で、本来は醤油にくらべ著しく保存性に劣ったと言われる煎酒の欠点を、保存料添付とは違う方法で補っているのだろうと思われます・・・てか、原材料表示で、おもいきり「醤油」って書いてありました(笑

醤油以前の味を確かめようとして、(微量ではあるのでしょうが)醤油に行き当たる・・・けっきょく、調味料の王様、醤油のグレイトさを再確認する羽目になってしまったわけなのですがw


でも、本当にいい風味ですよ。値段は少しお高いかもしれませんが、ご興味ありましたらぜひ試してみてください!


で、料理人でもない私が、なんでこんな投稿をするか、って・・・?


もちろん、夏に出る(予定の)商業新作につなげるための前フリ、です(←やらしいw

詳細はまだ書けませんが、ちょいちょい、この「煎酒」も出てきます。

情報は勿体ぶって、今後もときどきチョイ出ししていきますね(笑

よろしくお付き合いください。

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