『あの日のこと』を読んで。
親戚から借りた本。
読むには少し勇気がいる本だった。
それでも読みだしたら止まらない。
昔、小学校の夏休みの登校日には、必ず平和集会があった。
そこで何度も被爆体験者の方のお話を聴いた。
大人になってから聴いた(読んだ)のは初めてかもしれない。
以前よりもはるかに悲惨な光景が想像できる。
決して忘れてはいけないことだと思った。
気になる文章があった。
確かに、世の中は "戦争" につながる言葉であふれている。
そして、今現在も戦争は起こっている。
それでも、その言葉を発する時、本当の意味を考えながら話している人は一体どれほどいるのだろうか。
本の内容は、92歳の山口美代子さんという方の体験談。
14歳で被爆されたというのだから、その記憶は鮮明だろう。
もうボロボロの子どもたちに向けて、まるでゲーム感覚のように、その後も空爆が続いていたというのは初めて知った。
お互いに顔が分かるくらいの低空飛行で…
自分は、まるでその飛行士たちも、"戦争" によって狂わされてしまったように思えた。
原爆投下後の様子は想像しかできないが、そんな悲惨な状況を間近で見ても尚、攻撃を止められない…
一体どれほど酷い精神状態だったのだろうか。
被爆し、死の間際にいた美代子さんの命は、奇跡的に助かったようだ。
まるで、まだ若かったお父さんが全てを背負って逝かれたように。
難しい外交だとか政治の話は分からない。
それでも、あくまで日本は敗戦国。
他の国に比べて、そう不自由なく暮らしていけているように思えても、未だにきっと敗戦国。
今、世界各地で起きているような戦争が、確かに日本でもあったのだ。
そして、またいつ起こるかなんて分からない。
決して遠い昔の出来事ではない。
現に今、同じ地球上で起きていることなのだから。
そして、今はもちろん、これから先の未来の出来事にしてはならないのだと、本を読んで改めて強く思った。