ロケット事業に必要な人材
ロケットの打ち上げの前には前夜祭を行うようにしている。今回は『メムアースホテル』というインターステクノロジズの本社の直ぐ近くにあるリゾートホテルのレストランで行った。
さまざまな人が集まるのだけど、室蘭工大の内海教授と新しいロケットエンジンのターボポンプの話をしていたところ、「ZEROのエンジンはGGサイクルでターボポンプ駆動するものの、将来的にはSpaceXのラプターエンジンのようにフルフロー二段燃焼サイクルを目指したいよねぇ」という話になった。
こういう話は目線を高く持っておかないと、いつまで経っても実現しない。まだこのサイクルを実現したのはロシアのRD-180とスペースXのラプターエンジンだけだ。ブルーオリジンが開発中のBE-4も同じサイクルを採用している。日本のJAXAは開発していない難易度の高いエンジンだ。
理由は燃料側と酸化剤側で別々のプリバーナーを使い、それぞれの系統で独立してターボポンプを駆動し燃焼室に推進剤を送り込むのが大変難易度が高いからだ。
しかし実現すれば高出力と高い燃焼効率を実現でき、さらにメカニカルシールなどの部品のシール性が高い精度を要求されず再利用などに適しているのである。
ただし酸化剤側のプリバーナーは酸素リッチで燃焼させるので、酸化耐性があり高温に強い金属を使わねばならない。なので、冶金技術に優れたロシアでしか製造できないとされてきたのだ。
しかし最近では合金などをコンピュータシミュレーションでレアアースなどを少量添加すると、どのような構造が作れるのかなどをあらかじめ推測できるようになり、日本でも作れるかもという話になっている。ちょうど同じ室蘭工大で鋳造など、金属全般で成果を上げている清水教授が特製のジンギスカン鍋を携えているではないか! ということで話をしたから二つ返事で「作るよ」との強いお言葉。
まずはZEROのGGサイクルエンジンだけど、数年以内にフルフロー二段燃焼サイクルの大型エンジンを作れているかもしれない。
これがベンチャー企業の面白いところだ。
とはいえ、設備系のエンジニアが全然足りていない。ロケットエンジンを作れなくても、プラントエンジニアリングとかに詳しい人があと何人かいないとターボポンプのテスト施設も作れないかもしれない、ということで大募集してます!
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