見出し画像

第15話: 僕たちのお家が夢の国になった話「アフリカから帰ってきたニート夫と娘の成長期」

出産は僕の実家がある大阪ですることになったので、妻の実家に妊娠報告をしに広島へと向かった。

義理のご両親には既にテレビ電話で報告していたので、久しぶりの末っ子娘との再会と妊娠報告を楽しみにしてくれていた。

妻が帯同する際にも、スーダンへ一緒に行ってこい!と背中を強く押してくれた心強いご両親だ。

僕たちが世界津々浦々、転々と暮らしているせいで大変な迷惑をかけているのだが、実家に行った時はいつも豪勢な食事でおもてなしをしてくれる。

近所に住んでいるお義姉さん家族も集まるのが恒例なのだが、2人の姪っ子ちゃんがすくすくグングン育っており、子どもの成長の早さに驚かされる。
お義兄さん家族にも3人のわんぱく兄妹がおり、全員が揃うと、実家はいつもお祭り騒ぎになる。

家の柱に成長を記録するため身長と日付を書いているのだが(みんなも小さい頃よくしたのではないだろうか)、今回の帰省で僕と妻の身長も刻んでおいた。悲しいことに、僕たちに関してはこれから縮んでいく一方なのだが。


そんな日々を広島で過ごし、無事報告もできたと安堵のため息を漏らしながら僕だけ一足先に大阪の拠点へと帰ってきた。

なんとなくだが、違和感がある。

どこかの偉い人も言っていた。
「直感は信じるな。違和感を信じろ。」と。

1週間も家を空けていたのだが、机の上が若干荒らされている。

祖母が住んでいた家を借りているので築100年ほどの超長寿物件なので、確かに若干セキュリティは甘いかもしれない。しかし昔からの近所付き合いも長く、ご近所の目があるのでそんな簡単に侵入はできない筈だ。

ドク…ドク…ドク…

心臓の音が少しずつ大きくなるのを感じながら、周りを見渡す。

足跡はない。

鍵もきちんと閉まっていた。

貴重品などは置いていないし、高価なものなどはないもない。

荒らされた机の上をもう一度確認する。

そこには、決定的とも言える証拠が残されていた。その犯人には心当たりがあった。

机には、お正月に買った鏡餅と豆餅が齧(かじ)られた状態で置かれていたのだ。
そう、僕たちの住処はいつの間にかネズミーランドになっていた。

他にもじゃがいもなども齧られ、使い物にならなくなっていた。それも全て一口だけ。なんてグルメな奴だ。

天寿を全う出来なかった可哀想なジャガイモ



これが僕たちとねずみとの闘いの始まりだった。

調べてみるとたくさんの病原菌やダニを連れてくる奴らは赤ちゃんにとっては大敵で、寝てる間に耳を齧ったりもするようだ。ドラえもんが真っ青になるのも頷ける。
4次元ポケットにあんだけの道具が入っているのにねずみをやっつける道具がないのはどうしてだろう。あいにく僕たちの3次元ポケットにも奴らに対抗するアイテムは何一つ入っていなかった。

しかも僕はアトピーがあり、とびっきりのアレルギー体質なのだ。特にダニやハウスダストにはめっぽう弱い。


早速、対アレルギー戦闘員(父親)に相談すると、ねずみの侵入経路の捜索が始まった。至る所に穴、穴、穴。さらに天井にはイタチも入った形跡があったようだ。

しかも最悪なことに僕たちが住んでいたのは長屋。お隣と4軒繋がりなのだ。

その後、ねずみ駆除のプロに相談したり、自分たちで燻煙を焚いたり、消毒をしたりなど1ヶ月半のエレクトリカルパレード改めネズミトリカルパレードを終えて、ほとんどねずみの足音や被害が出ることはなくなった。


しかし、結果として僕たちは引っ越すことにした。

赤ちゃんのことや、僕のアレルギーを考慮して近所の僕の実家に住むことにした。
妊娠9ヶ月で両親と僕たちの4人の同居生活が始まった。


妻にとっては義理の両親と過ごすことになり、かなり大きなストレスと不安をかけることになるのだが、相談を何度もした上で、子育てをしていくにはそれがベターだと判断した。

この辺りは妻の苦悩を交えながらまた紹介したいと思う。


第15話は以上となります。今日も読んでくださりありがとうございます!

皆様からの「スキ」を励みに頑張ります。ご応援のほどよろしくお願いします♪
ご感想・質問などがございましたら是非コメントにお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?