黒田隆憲

フリーランス のライター、フォトグラファー。『シューゲイザー・ディスクガイド』監修。著…

黒田隆憲

フリーランス のライター、フォトグラファー。『シューゲイザー・ディスクガイド』監修。著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。好きな音楽や映画、飼い犬(柴犬)について書いていこうと思います。

マガジン

記事一覧

どんべえ、3度目の月命日 〜ペットロス 55歳男性の場合 その4

どんべえが旅立ってから、今日でちょうど3ヶ月。3回目の月命日である。ずいぶん時間が経った気がするけど、まだ3ヶ月しか経ってないのか。 そんなふうに思う一方で、どん…

黒田隆憲
10日前
20

『どんべえの冒険 〜散歩プレデビューと新しい発見〜』

初めて犬を迎えた自分にとって、トイレのしつけは育犬ノイローゼになるほど大変だった。 結局、どのくらいで自らトイレシーツまで行って用を足せるようになったんだっけ。…

黒田隆憲
13日前
12

神戸へ弾丸旅行 〜シャチと安彦良和に出会う〜

兵庫県立美術館で9月1日まで開催されている『描く人、安彦良和』展を観に弾丸で神戸まで行ってきました。 その前日は、リニューアルした『神戸須磨シーワールド』へ。ステ…

黒田隆憲
3週間前
7

『どんべえ、我が家に来る 〜まさかの育犬ノイローゼ〜』

ペットショップの隅っこでガタガタ震えていたどんべえが、我が家に突然やってきた。 犬を飼育する上での注意事項をお店のスタッフから簡単に説明され、血統書や「ペットの…

黒田隆憲
3週間前
16

どんべえとの出会い〜18年前の夏の日のこと〜

初めてどんべえに会ったのは、今から18年前の8月だった。 都内から埼玉へと引っ越して3年が経っていたが、この頃はまだライターとしての収入もほんのわずかで、本腰を入れ…

黒田隆憲
1か月前
21

どんべえへの手紙 〜2度目の月命日に

早いもので、昨日どんべえ2回目の月命日を迎えました。 相変わらずどんべえのいない日々に、うまく自分を馴染ませられずにいます。が、どうにかこうにか生きています。 …

黒田隆憲
1か月前
37

『小山田圭吾 炎上の「嘘」』を読み解く:真実と誤解のはざまで

ノンフィクション作家、中原一歩による話題の著書『小山田圭吾 炎上の「嘘」』を一気に読了。 いや、すごい本だった。 俯瞰した視点と両論併記 小山田圭吾さん本人への…

黒田隆憲
1か月前
10

どんべえの四十九日:認められないことを認める

四十九日の法要 早いもので先日、どんべえ四十九日の法要を執り行いました。 深大寺では毎週水曜と日曜の午後3時より、他のご家族との合同法要を行なっていて、それにパ…

黒田隆憲
1か月前
24

『ポール・マッカートニー写真展』〜美しくも残酷な記録:ポールが捉えたビートルズの素顔〜

ポールが撮ったビートルズの3ヶ月間 久しぶりに音楽の話を。 先日、『ポール・マッカートニー写真展』へ行ってきた。正直、チケット代のあまりの高さに閉口してしまい、…

黒田隆憲
2か月前
12

キュウリに乗ったどんべえ(初盆) 〜ペットロス 55歳男性の場合 その3

どんべえの初盆、深大寺行きすぎ問題 先日、どんべえの初盆を迎えました。お盆って地域によっては7月だったり8月だったりするんですね。恥ずかしながら、この歳になるま…

黒田隆憲
2か月前
24

どんべえの月命日を迎えて〜ペットロス 55歳男性の場合 その2

あれから1ヶ月 6月10日の22時にどんべえがこの世を去り、1ヶ月が経ちました。 前回の投稿を読み返してみると、平静を装っているようでだいぶ混乱しているなと思います…

黒田隆憲
2か月前
32

ペットロス〜54歳男性の場合〜

どんべえがこの世を去ってからちょうど10日が経ちました。と、自分で書いてみて改めて驚いています。え、まだそんだけしか経ってないの? この間、自分の中の感情が目まぐ…

黒田隆憲
3か月前
51

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その3

2024年6月10日(月)後編 ※ 「前編」はこちら 夜はパートナーと前妻の3人で夕飯を食べながら、今日もどんべえを囲んでの談笑。しかしみんなどこか落ち着かない。昼間よ…

黒田隆憲
3か月前
36

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その2

2024年6月9日(日) 朝一番でかかりつけの動物病院へ。今日もステロイドと抗生物質を打ってもらう。 腎臓疾患を抱える犬特有の口臭を確認した医師に、昨夜は血尿も出た…

黒田隆憲
3か月前
32

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その1

2024年6月7日(金) ここ数日、昼間はほとんど寝たきり状態のどんべえ。器から水を飲んだり、流動食を食べたりするのも難しくなってきており、舌がうまく出せずに鼻を突…

黒田隆憲
3か月前
23

どんべえの挑戦:17歳と11ヶ月、奇跡の体重維持と新たなトレーニング

どんべえとの毎日は、新たなチャレンジと喜びの連続です。 介護体制に入ってから、週一で動物病院へ検診に行っているどんべえ。今日がその日でした。 いつも通り体重を測…

黒田隆憲
3か月前
18

どんべえ、3度目の月命日 〜ペットロス 55歳男性の場合 その4

どんべえが旅立ってから、今日でちょうど3ヶ月。3回目の月命日である。ずいぶん時間が経った気がするけど、まだ3ヶ月しか経ってないのか。 そんなふうに思う一方で、どんべえが亡くなった時はまだ本格的な猛暑は来ていなかったし、今は残暑とはいえ刺すような暑さが幾分やわらいできているのを考えると、ひとつ季節を越したのだからそれ相応の月日が流れたのは確かなのだなとも思う。 この3ヶ月は怒涛の日々だった。 どんべえの葬儀も、パートナーや元妻の助けもあって無事に執り行なうことができた。そ

¥100

『どんべえの冒険 〜散歩プレデビューと新しい発見〜』

初めて犬を迎えた自分にとって、トイレのしつけは育犬ノイローゼになるほど大変だった。 結局、どのくらいで自らトイレシーツまで行って用を足せるようになったんだっけ。『ペットの母子手帳』を見てみると、8月21日からつけ始めた「うんち記録」は、飛び飛びではあるものの9月2日まで記入がある。それまでに体重は1.5キロから2.6キロまで増え、うんちの成功率もほぼ100パーセントになっていた。つまり、わずか10日でちゃんとうんちできるようになっていたということか。 当時は「いつまでこれ

¥100

神戸へ弾丸旅行 〜シャチと安彦良和に出会う〜

兵庫県立美術館で9月1日まで開催されている『描く人、安彦良和』展を観に弾丸で神戸まで行ってきました。 その前日は、リニューアルした『神戸須磨シーワールド』へ。ステラとラン(シャチ)のパフォーマンスを全5公演コンプリートし、『鴨川シーワールド』の元飼育係で海洋ジャーナリスト、斎野 重夫さんが監修した「ORCA LABO」という映像ブースを堪能してきました。 ここがマジで最高で。知床半島、羅臼で見られる野生シャチを、高精度な水中カメラやドローンなどを駆使して追った15分くらい

¥100

『どんべえ、我が家に来る 〜まさかの育犬ノイローゼ〜』

ペットショップの隅っこでガタガタ震えていたどんべえが、我が家に突然やってきた。 犬を飼育する上での注意事項をお店のスタッフから簡単に説明され、血統書や「ペットの母子手帳」などいくつかの書類や冊子を渡され契約書を取り交わすと、段ボールで作った簡易的なケージにどんべえを入れてもらい、家まで車で運ぶ。時々「くんくん」と不安そうな声が段ボールの中から聞こえるたびに、切ないような愛おしいような、なんとも言えない気持ちで心がぎゅっとなる。 なるべく車が揺れないよう、いつも以上に安全運

¥100

どんべえとの出会い〜18年前の夏の日のこと〜

初めてどんべえに会ったのは、今から18年前の8月だった。 都内から埼玉へと引っ越して3年が経っていたが、この頃はまだライターとしての収入もほんのわずかで、本腰を入れてやっていたバンドも思うようにいかず、インド好きが高じて始めたタブラも一向に上達しないという、30代半ばにして僕はうだつの上がらない日々を送っていた。 楽しみといえば、週末にふらっと訪れる近所のペットショップで犬や猫を愛でること。この頃はまだ保護犬や保護猫の存在も知らず、ホームセンターの一角や国道沿いにあるペッ

¥100

どんべえへの手紙 〜2度目の月命日に

早いもので、昨日どんべえ2回目の月命日を迎えました。 相変わらずどんべえのいない日々に、うまく自分を馴染ませられずにいます。が、どうにかこうにか生きています。 今日は、どんべえを火葬した際、一緒に火入れした彼への手紙全文を紹介させてください。私の個人的な思い出や感情が多く含まれた内容でお見苦しいところも多々ありますが、お読みいただけたら嬉しいです。 手書きの現物はもう灰になってこの世にはないけど、あいつの手に持たせたから向こうでたまに読み返してくれているといいな。 読

『小山田圭吾 炎上の「嘘」』を読み解く:真実と誤解のはざまで

ノンフィクション作家、中原一歩による話題の著書『小山田圭吾 炎上の「嘘」』を一気に読了。 いや、すごい本だった。 俯瞰した視点と両論併記 小山田圭吾さん本人へのインタビューはもちろん、所属事務所の社長やスタッフ、小山田さんのパートナーや友人、和光時代の友人への綿密な取材に基づく裏取を、徹底的に行った上での考察。 小山田さんが、あのとき炎上することになったその「発端」といえるツイートが、一体どのような「思想背景」を持った人物によるものだったのか。その「発端ツイート」が

¥100

どんべえの四十九日:認められないことを認める

四十九日の法要 早いもので先日、どんべえ四十九日の法要を執り行いました。 深大寺では毎週水曜と日曜の午後3時より、他のご家族との合同法要を行なっていて、それにパートナー、元妻と3人で行ってきました。 仏教における四十九日とはどういうものか、これまで全くと言っていいほど興味がなく(すみません)、もちろん知識もゼロだったのですが、この日はお経を唱えてくださった僧侶の方の説法を真剣に聞かせていただきました。 仏教の世界では、この「四十九日」をもって故人の魂は御仏の元へと向

¥100

『ポール・マッカートニー写真展』〜美しくも残酷な記録:ポールが捉えたビートルズの素顔〜

ポールが撮ったビートルズの3ヶ月間 久しぶりに音楽の話を。 先日、『ポール・マッカートニー写真展』へ行ってきた。正直、チケット代のあまりの高さに閉口してしまい、行くべきかどうか迷ったのだけど、見終わったあとしばらく放心してしまうくらい素晴らしく見応えのある展覧会だった。 2023年、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのリニューアルオープンを記念して開催された『ポール・マッカートニー写真展 1963-64~Eyes of the Storm~』。今年7月19

¥100

キュウリに乗ったどんべえ(初盆) 〜ペットロス 55歳男性の場合 その3

どんべえの初盆、深大寺行きすぎ問題 先日、どんべえの初盆を迎えました。お盆って地域によっては7月だったり8月だったりするんですね。恥ずかしながら、この歳になるまで知らなかった。僕は、どんべえになるべく会いに行きたいので、どちらの月も深大寺へ行くことにしました。 深大寺、葬儀から数えて一体何回来てるんだろう(笑)。どんべえもこんなにしょっちゅう呼び出されてたら、向こうでおちおち遊んでらんないよね。申し訳ない。 でもさ、お前が一向に夢に出てこないのもどうかと思ってるぞ。

¥100

どんべえの月命日を迎えて〜ペットロス 55歳男性の場合 その2

あれから1ヶ月 6月10日の22時にどんべえがこの世を去り、1ヶ月が経ちました。 前回の投稿を読み返してみると、平静を装っているようでだいぶ混乱しているなと思います。というか、あのときは亡くなってからまだ10日だったんですね……我ながらよく書いたなと。 お悔やみと励ましの言葉 どんべえが亡くなった直後から、本当にたくさんの方からお悔やみの言葉をいただきました。友人知人はもちろん、仕事先でお世話になっている人たち、普段はほとんどやり取りしたことはなかったにもかかわら

¥100

ペットロス〜54歳男性の場合〜

どんべえがこの世を去ってからちょうど10日が経ちました。と、自分で書いてみて改めて驚いています。え、まだそんだけしか経ってないの? この間、自分の中の感情が目まぐるしく動き回っていたので、とうにひと月くらい過ぎてしまったような徒労感です。 どんべえを家に迎え入れた時から覚悟していた「愛犬の死」。その時に「ペットロス症候群」が自分に降りかかることも、ある程度は覚悟していました。とはいえ、生まれて初めて飼育した犬の死を迎える体験がどんなものなのか、こればっかりは実際に訪れてみ

¥100

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その3

2024年6月10日(月)後編 ※ 「前編」はこちら 夜はパートナーと前妻の3人で夕飯を食べながら、今日もどんべえを囲んでの談笑。しかしみんなどこか落ち着かない。昼間よりどんべえの呼吸は弱くなっているし、何より舌の色がピンクではなく灰色になっている。口を開けて呼吸をしているから、口の中が乾くだろうと思いシリンジを使って湿らせても、すでにそれを嚥下する力すらない。これは明日の朝まで持つかな、寝ている間に旅立たれたりしたら辛いな。 21時に一度外出し、家に戻ってどんべえに

¥100

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その2

2024年6月9日(日) 朝一番でかかりつけの動物病院へ。今日もステロイドと抗生物質を打ってもらう。 腎臓疾患を抱える犬特有の口臭を確認した医師に、昨夜は血尿も出たことを話したところ、「あと1週間持つかどうか」と、初めてはっきりと余命宣告をされた。 「そうですよね」とその場では返したものの、正直まったく実感が湧かない。もちろん見るからに弱っているし、これまでの具合の悪さと次元が違うのも頭では理解しているつもりなのだが、「まだ奇跡が起きるんじゃないか?」とありえもしない

¥100

どんべえ介護日記〜おそらくラストミッション〜 その1

2024年6月7日(金) ここ数日、昼間はほとんど寝たきり状態のどんべえ。器から水を飲んだり、流動食を食べたりするのも難しくなってきており、舌がうまく出せずに鼻を突っ込んでむせることも増えてきたので、今日からシリンジを使って与えることにする。ただ、ドロドロとした流動食はシリンジの細い口だと通らないので、百均でドレッシング用の空き容器を購入した。 気になるのは、朝から呼吸が浅くて速くなっていること。しかも、口から食べ残しのような茶色い液体が、唾液と共に垂れるように。あとか

¥100

どんべえの挑戦:17歳と11ヶ月、奇跡の体重維持と新たなトレーニング

どんべえとの毎日は、新たなチャレンジと喜びの連続です。 介護体制に入ってから、週一で動物病院へ検診に行っているどんべえ。今日がその日でした。 いつも通り体重を測ってもらったところ、8.3キロ。前回が8.2キロで、以前は7キロ台まで落ちてしまったこともあったのですが、ここにきて回復した体重をずっとキープできているのは大変喜ばしい。最近は皮下輸液をすると、体が水分を吸収することがうまくできずに皮膚がたぷたぷになってしまうという話を前回しましたが、そのため輸液の回数も減らしてい

¥100