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”感じのいい、わかりやすいメールを書く人”が絶対に使わない接続詞 - が -

エピソード

ビジネスにおいてメールなど文章でやり取りすることは多い。その中で、いつも”感じのいいメールを書く人”がいる。読む人を不快にさせない、すらすらと読める、前向きに協力したくなるような文章である。それらの人の文章を観察している中で見えてきた「絶対に使われない接続詞」があった。逆接の「」である。

文章が伝わりにくくなる2つの「が」

1.意味のない「が」

以下のメールを見てほしい。

昨日、A社に訪問してきましたが、稟議状況を確認したところ今は順調に進んでいるようでしたが、最終決済者の社長が出張中のため、あと3日ほど待ってほしいとのことでした。

とある報告メール(原文)

読んでいて、2回ほど肩透かしを食らうような感覚を受ける。意味のない「が」が入っているためである。以下のように書き換えるとどうだろうか?

昨日、A社に訪問してきました。稟議状況を確認したところ今は順調に進んでいるようでした。最終決済者の社長が出張中のため、あと3日ほど待ってほしいとのことでした。

とある報告メール(修正版)

最初の文章に比べて圧倒的に読みやすく、すっと入ってくる。意味のない「が」を「。」に変えただけである。
こんな文章書く人いないだろう、と思われるかもしれない。ただ実際のところこの意味のない「が」を入れる人は結構多い

2.逆接になっていない「が」

また、以下の文章を見てほしい。

受注できましたが、別の案件も発掘できました。

とある報告チャット(原文)

最初の文章で「が」が出てくるので、何か悪いことがあったのか?と思って後続を読むと、むしろさらに良い状況となっている。伝わりにくくさせる典型的な構文だと思う。以下のように書き換えるとどうだろうか?

受注できました。しかも別の案件も発掘できました。

とある報告チャット(修正版)

逆接になっていない「が」を外し「。」に変え、「しかも」という順接の接続詞に変えただけである。わかりやすい。
もしくは

受注できましたが、値引き交渉がはいり受注金額が下がってしまいました。

とある報告チャット(修正版)

のように、もし「が」を入れたなら後続は逆の意味が来るべきと思う。

そんなことを考えていたら、以前読んだ『短いは正義――「60字1メッセージ」で結果が出る文章術』(田口 まこ著)に、以下の興味深いことが書かれていたことを思い出した。

接続詞の9割はいらない
接続詞は、文の行く先を示すウインカーだと言われます。うまく使えば、読み手を迷子にさせません。使いこなせば、文章をつなぐ最高の役割となります。
しかし、多すぎると流れを遮り、ゴツゴツと読みにくい文章ができあがります。たとえば、次のような文章です。
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前期は、新規顧客獲得の目標数が未達となりました。ですので、今期はよりネットでのプロモーション活動を重視します。したがって、早急に活動内容を精査してください。
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不要な接続詞によって文章が断ち切られ、スラスラと読み続けられません。接続詞は、使い方によって文章を良くも悪くもするのです。
接続詞は、文章を仕事にする人の中でも「積極的に使うべき」派と「極力少なくすべき」派に分かれます。どちらの意見も一理あります。
しかし、仕事の文章においては、文を長くする贅肉とみなし「極力少なくすべき」です。短くスッキリさせるために、可能な限り省いたほうがいいでしょう。
では、どれを省くか。
その基準は、「接続詞がなくても通じるなら省く」です。
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お祝いのお花はすべてお断りしています。ですので、お気使いは不要です。
⇒お祝いのお花はすべてお断りしています。お気使いは不要です。
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社長から若年層への配慮が足りないとの意見がありました。そこで、再検討をお願いします。
⇒社長から若年層への配慮が足りないとの意見がありました。再検討をお願いします。
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このように、なくても理解できる接続詞は多くあります。むしろ、削ったほうが文も短くなり、スッキリします。
文章にリズムの悪さや読みづらさを感じるなら、接続詞が原因かもしれません。
削って意味が通じるなら取る。
今日からは、ムダな接続詞を入れる習慣はやめにしましょう。

田口まこ.短いは正義――「60字1メッセージ」で結果が出る文章術
ダイヤモンド社

参考になった書籍

まとめ

  • ”感じのいい、わかりやすいメールを書く人”は、”意味のない「が」”を使わない

  • 文章を書いた際、”意味のない「が」”や、”逆接になっていない「が」”が入っていないか、確認するとよい

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