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【トカイナカ通信 Vol.2】ほぼ新品の長靴、君にあげようか?

こんにちは。

こちらに引っ越してきたのは11月の事でした。翌年の夏から登山をしようと計画した夫と私は、引っ越してきて間もなく週3日のウォーキングトレーニングを始めました。

引っ越す前から夫がgoogleマップで目をつけていた標高約200メートルの低山。自宅からその山に登って降りて、周囲を歩いて自宅に戻る。おおよそ8kmくらいを2時間半かけて歩くコースです。引っ越す前からこれをやってみようと計画していました。

最初は手ぶらでもヒーヒーと息が上がっていましたが、数か月すると歩けるようになりました。やがて、登山の訓練ですのでリュックに水を入れたペットボトルを詰めて重しとして、それを担いで歩くようになりました。

この地域には標高200メートルから400メートル程度の低山がたくさんあり、市が開いている登山学校の卒業生は近隣の山に毎日上る事になっているようなんです。私たちが上っている山にも毎日登る人が200人くらいもいます。ですから、毎回同じ時間に同じコースを歩いていると、自然と顔見知りになって挨拶するようになりました。

山登りをする方たちの特徴かもしれませんが、皆さん、とてもフレンドリーで好奇心が旺盛なんです。平日の午前中にこの山に登っている人は、登山学校卒業生の70代、80代。我々がリュックを担いで何回も歩いているのを目撃して、数か月後には矢も楯もたまらず「一体君たちは何をしているのか」「どこの山に行くつもりなのか」「先日話しかけたが、もう北アルプスは行って来たのか」「北アルプスには一体、いつ行く予定なのか」などと、移住して半年くらいの時期になると非常に多くの方から話しかけられるようになりました。

移住した翌年の夏に、めでたく北アルプスデビューをして秋冬に出会う人には「ついに行ってきましたよ!」と報告すると、皆さん満足そうにご自身の武勇伝を絡めて我々の経験を褒めたたえてくれたのでした。

明けて今年。また4月に入って登山学校OBの方の山への思いが強くなってきた今日この頃。「今年はどこに行くのか?」「今年も北アルプスなのか?」などと様々な質問を受ける季節となってきました。

そんな中で、今日。顔見知りになったK夫妻。山の途中で休憩しているご夫妻が夫に声をかけてきました。「君、足のサイズいくつ?」

ご夫妻の知り合いが、ほぼ新品の長靴を知人からもらったのですがサイズが大きすぎるから、我が家の旦那様になら使えるかもしれないと声をかけてくださったんです。

恐らく、家の旦那さんにも大きすぎるサイズだとは思うのですが、ご夫妻は「今度もってくるから是非貰ってね」ときっぱりとおっしゃられてました。移住して1年半。こういう交流ができるようになったというのは、とても嬉しい出来事でした。たとえサイズが多少大きかろうと、長靴を頂いて履こう!って思っちゃいましたね。

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