見出し画像

ローマの名店2軒へのオマージュ「ローマ風白ピザ」

2013年という年は、6月から11月までの半年間、フィレンツェ、ローマ、ミラノに2か月ずつシェアルームを見つけて「暮らすように滞在する」ってやつをやった年でした。

ローマで過ごした7月と8月は、バチカン市国にお勤めのイタリア人の僧侶さんやコロッセオの外でグラディエーターのコスプレして観光客相手に写真を撮ってチップをもらうエジプト人や普通のイタリア人会社員ら5人くらいとマンションの一室をシェアして暮らす日々でした。

毎日バスや地下鉄で出かけていっても全然観光しきれないくらい、美術品や遺跡や美味しいお店がひしめくローマ。そんな中で出会った「ローマ風白ピザ Pizza bianca romana」はイタリアで知った中で一番好きなパンになりました。

ネットを探ったらイタリア人がレシピ動画をだしてくれていたので、自分で作ってみようと挑戦しました。足繁く通った名店のクオリティにはほど遠いですが、あの名店の味を思い出す事ができました。

今日は名店を紹介するのとともに、私流「白ピザの楽しみ方」の記事を書きたいと思います。

まず一軒目の名店は「フォルノ・カンポ・デ・フィオーリForno Campo De' Fiori」。カンポ・デ・フィオーリ広場に面したパン屋さんで、みるからに古い建物の佇まいから既においしい予感のするお店です。

様々な種類のパンの中で特に私の目を引いたのが、大きなオーブンから焼き立てが出されてそのまま店頭に熱々が並ぶ「白ピザ」。薄く軽やかに黄金色に固く焼かれた熱々のピザを指差し「ドゥエチェント グラーム ポルファボーレ(200gちょーだい)」と注文すると、店員さんがガリッガリッと音を立てながら2-3切れに切って茶色の紙袋に入れて手渡してくれるんです。「熱っ」と言いながらお店を出てすぐに齧り付く。カリッとした香ばしい外側の中にもっちりした小麦の味。適度な塩分とオリーブオイルの旨味があるから、それだけで大変においしいオヤツになるんです。このお店で買った白ピザが家までもった試しがなく、店頭ですぐに胃袋に収まってしまうのでした。

フォルノ・カンポ・デ・フィオーリの店内

そして2軒目に紹介したいのは「アンティコ・フォルノ・ロショーリ Antico forno Roscioli 」。食肉加工品やチーズ、ワイン、食材を売るサルメリア「ロショーリ・サルメリア・コン・クチーナ Roscioli Salumeria con Cucina」の近くで経営されている系列のパン屋さんです。

まずは「ロショーリ・サルメリア・コン・クチーナ」ですが、お店の名前「サルメリア」が示すように、サルーミ(生ハム、サラミ、ソーセージなどの食肉加工品)やチーズ、ワイン、パスタなどを販売するお店ですが、奥に座席があって飲食できる場所もついているお店です。ここのサルーミとチーズの盛り合わせが素晴らしいのですが、多くの観光客のお目当ては「カルボナーラ」でもあります。

ハムとチーズの盛り合わせ
チーズだけの盛り合わせ

私が訪れた2013年の時点で既にガンベロロッソというイタリアのリストランテ格付けガイド本でローマベストカルボナーラの一位になった事があったお店です。調べたら2020年にもまたガンベロロッソで一位を獲得しているようですから、相変わらず人気を博している事だろうと思います。また2024年版のガンベロロッソでは同店の「カチョ・エ・ペペ」というチーズとコショウだけの伝統的なパスタが「特別賞」をもらったようです。

この店のカルボナーラは極太のパスタに濃厚なチーズと卵が絡んだ一品で、これほど濃厚な味を人生で味わった事があるだろうかという衝撃が走る一品でした。

衝撃的なカルボナーラ

ローマ市内でも高い評価を受けている食事を提供する店の系列のパン屋さんが美味しくないはずがない。「アンティコ・フォルノ・ロショーリ Antico forno Roscioli 」の中でも私が最も感動したのが、正式名称が不明だが私が「カプレーゼピザ」と呼んだ白ピザの上に新鮮なモッツァレラチーズ、バジル、トマト、エクストラバージンオリーブオイルがふんだんに乗せた物です。私の記憶では午前中しか出ていないので、お昼前に行って買ってお店の外にあるテーブルで立ち食いするのが常でした。

こんな風に店頭のショーケースにバーンと置かれていて、切り売りしてくれる
これで600g。当時は100gで1.8euroでした。

焼いていないモツァレラチーズの新鮮なミルキー味、めちゃくちゃ甘いトマトのジューシーさ、白ピザの小麦の味、とびきり美味しいオリーブオイルの味。一口口に含んだだけで、口中に一流オーケストラレベルの爆発が起こる味わいなんです。とにかく何もかもがフレッシュ、フレッシュ、フレーーーッシュ!芸術を食べているかのような感動を味わいました。値段が高くないっていうのもポイントが高いです。

<お店の紹介>
https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187791-d6600384-Reviews-Antico_Forno_Roscioli-Rome_Lazio.html

というわけで、白ピザを焼いてロショーリで食べた感動のオープンピザもどき、作ってみましょう!

<参考>日本語に翻訳して見てみました。
動画:PIZZA BIANCA ROMANA - CROCCANTEZZA INDESCRIVIBILE

サイト:Pizza bianca romana


★ 『白ピザでオープンサンド』
<材料 生地>

  • ・強力粉 140g

  • 薄力粉 110g

  • 塩 5g

  • ドライイースト 2g

  • 水 187g

<材料 サンドイッチ用>

  • カプレーゼ
     -ミニトマト 15粒(半分に切る)
     -バジルの葉 15枚(細切り)
     -モツァレラチーズ 1個(2cm角くらいに切る)
     -にんにく 1かけ(すりおろしておく)
     -塩 2g
     -コショウ 少々
     -エクストラバージン・オリーブオイル 20ml以上

  • サーモン
     -スモークサーモン 40g
     -玉ねぎの薄切り 10g
     -ケッパー 10粒
     -クリームチーズ 適宜

  • ハム
     -ロースハム 3-4枚(あればモルタデッラ)
     -クリームチーズ


<作り方>

  1. 白ピザをオーブンで焼く

  2. 12等分に切る

  3. カプレーゼの材料を全てボウルに入れて乳化するまでかき混ぜる

  4. 白ピザにカプレーゼの材料を乗せる

  5. 白ピザにサーモンの材料を乗せる

  6. 白ピザにハムの材料を乗せる

生地はかなり水分が高い
ポニョポニョと広げる
ちょっと薄くしすぎた
カリカリしてこれはこれで美味しいが、もう少し厚い方がサンドイッチ向きだな
左から、ハム、カプレーゼ、サーモン

白ピザのクオリティは、大分、研究の余地ありですね。でもまぁ、どれもそれなりに美味しかったです。問題はコスト。日本でこれらの材料を揃えると高い(涙)。「旨いなぁ、でも高いなぁ」と言いながら食べたのでした。

この記事が参加している募集

#旅のフォトアルバム

39,023件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?