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【車中泊旅2024春5/15~】5/18 Day4:海に一番近い駅「下灘」、岸壁に建つ絶景の「臥龍山荘 不老庵」など

今朝は愛媛県海沿いの道の駅でカメムシに起こされました。

朝5時、パツパツと何かがリアグラスにあたる音でお目覚め。カーテンをめくって見たら大量のカメムシがガラスに張り付いていました。毎日新しい事件が起こるものです。

朝の体操やら色んな行事を済ませて午前7時に本日の観光始動。本日の予定は
・海に一番近い駅「下灘の駅」見学
・大洲の歴史地区にて
 -町並み散策
 -臥龍山荘見学
 -盤泉荘見学
 -大洲城見学
→結果:大洲が大変に気に入りました。
・八幡浜市道の駅「みなっと」見学

さぁ、行ってみましょう!

〇海に一番近い駅「下灘の駅」

松山から海沿いに南下する電車の駅の中で、一番海に近い駅として有名な「下灘の駅」。昔からフーテンの寅さんのロケ地などにも使われていて、それなりに人気のある観光スポットらしいです。

昨晩宿泊した道の駅「ふたみ」同様に西側を向いているので、特に夕刻の景色が人気だそうです。今朝7時に到着した時には一組しか観光客がいなかったので駅真裏のスペースに車を停車する事ができました。このスペースには4台くらいしか停車できません。それ以外は臨時駐車場が150mくらい離れた場所に準備されているので、そこに停車して歩いてくるしかないようです。

駅に到着して数分後、偶然にも列車が到着。海に近いプラットフォームと列車をカメラに収める事ができてラッキーでした。

鄙びた単線の無人駅、屋根のかかったベンチ、すぐそばに見える海、海に浮かぶ漁船。朝の清々しい空気の中で、こうした牧歌的な風景を堪能できるというのは、無添加の美味しい食事を食べているような満足感がありました。来てよかった!

〇大洲の歴史的町並み

大洲という街について何の知識もなく訪れました。もらったパンフレットには、1966年のNHKのドラマ「おはなはん」のロケ地として明治時代の町並みを残す界隈が使われた事などが書いてありました。この説明だけではピンと来なくて、行く価値あるのかなぁ?と少し懐疑的な思いで訪ねてみました。

すると昔ながらの木の格子の窓枠が入った木造の美しい家屋や、白壁にグレーの瓦を乗せた蔵などが並ぶ美しい界隈がありました。

美しく保存されている建物には大抵「Nipponia Hotel」という暖簾がかかっていました。他の観光所で聞いたのですが、Nipponiaを経営している会社は、日本国内の歴史があって保存状態もいいのに住む人がいなくなっている家屋に着目して、一つの建物の中に部屋をしつらえるホテルではなく、街のあるエリアに点在する家屋を一棟貸する形態のホテルを営んでいると聞きました。これは面白いです。

一棟貸しされている家や蔵の玄関にはNipponiaの暖簾とともに「TAKE 501」のようにホテルの客室番号のような木札がかかっていました。また、別の家はこのホテルの朝食会場になっているようで、開かれた庭にはパラソルとテーブルと椅子が用意されて、朝食を楽しんでいる旅人の姿が見られました。

閉ざされた建物の中だけがホテルではなく、街全体がホテル施設と感じられる体験は新しいコンセプトだなぁと思います。古い街にこうした新しいビジネスコンセプトが入り込んでいるのを見るのは、ある意味で産業観光みたいな要素があって面白いと思いました。

〇大洲「臥龍山荘」

もともとは大洲藩主の別荘だったものを、木蝋貿易で財を成した河内寅次郎が買い取って別荘とした場所だそうです。母屋の美しさもさることながら、中庭から一番奥にある離れが素晴らしい作りでした。

母屋

この山荘が面する肱川という大きな川に一番近いのが一番奥の離れ。8畳ほどの一室なのですが、部屋の二辺が川に突き出すように建てられていて、その二辺にはバルコニーがあるのですが、川に張り出していて宙を歩いているような気分がするのです。川面に映った太陽が反射して、離れの天井に映し出されてキラキラと輝いている様も美しい。こうした日中の川面の反射だけでなく、中秋の名月の月明りも反射するように天井が竹素材の網代になっているのも乙な計らいなんですねー。

離れの不老庵

別荘のしつらえだけでなく、別荘からの景色やロケーションが織りなす自然の造形を楽しめる工夫がされているという点が非常に魅力的な観光スポットでした。(詳しくは動画でお楽しみくださいね!)

〇大洲「盤泉荘」

大洲出身の実業家、松井國五郎氏が立てた別荘。松井國五郎氏は兄と共にフィリピンで、在フィリピン邦人向けに日本の製品を販売する「大阪バザール」という会社を営んで財を成した実業家だそうです。事業成功後に兄が出身地大洲に土地を購入したのですが、病で亡くなった為に、弟の國五郎が土地を譲り受けて別荘を立てたのが「盤泉荘」だそうです。

2階建ての家は、フィリピンで過ごした感覚を取り入れて、廊下の素材に南洋木材を利用したり、日本間にテーブルとロッキングチェアを置いたり、広いバルコニーに椅子を置いたしつらえなどが面白かったです。

家は大きな岩山の中腹に建てられています。家の裏手には、この岩山を水平に穿った横穴が奥深く掘られています。この横穴から染み出す岩水を集めて生活用水にする事ができると判ったため、この場所に別荘を建てる事を決めたそうです。またそれ故に屋敷の名前が「岩盤を削って水を汲みだした館」という意味で「盤泉荘」にしたという説明が、とても面白かったです。

家屋は自由に見学できますが、家の裏手の横穴へはスタッフの方が懐中電灯持参で一緒に言って説明してくれます。

ここも期待以上に色々と面白いと感じた観光スポットでした。

〇大洲城

2004年に再構された4階建ての天守のある城。4階からは三方に肱川が見渡せて、この城が川に囲まれた高台の岩山で、理想的な要塞である事がよくわかります。

1階は城の歴史やエピソードなどが紹介された展示場になっていました。

城の歴史を知ると共に2004年の再建時の宮大工さんたちの苦労話など近代の話題も入っていて楽しめました。

梁がとにかく立派
天守4階からの眺望
天守4階からの眺望

〇八幡浜市道の駅「みなっと」

九州へのフェリーが出港する港にある道の駅「みなっと」。施設は4部構成になっていました。
・海鮮料理が楽しめる「どーや食堂」
・新鮮な魚を販売する8軒ほどのお店で構成される「どーや市場」(市場裏には60分500円で買った魚をBBQできる設備あり)
・農産物や加工品など近隣の物産販売とレストラン(窯焼きピザ、八幡浜ちゃんぽんなどを出す)
・観光案内所と地元民コミュニティーセンター
土曜日とあって、大勢の人が食事したり買い物したり海鮮BBQするなどを楽しんでいました。

市場には新鮮な魚が満載
アゴラマルシェがいわゆる道の駅の物産部門
半端ないオレンジジュースの種類の多さが圧巻

道の駅の駐車場の前には広大な芝生の広場があるので、観光客だけでなく地元の人も来ているようです。

今日は主に大洲を観光したのですが、全く予備知識がなく訪れた大洲が期待以上に面白かった事をお知らせしておきます。
木材の日本三大集積地として栄え、また養蚕業も盛んだった大洲市は、それなりに裕福な商人もいたお陰で、現代にも残る佇まいのいい建物や蔵が残っていました。それをまた上手に利用して現代に蘇らせる企業の手が入って、新しい息吹も感じられました。

日本人として誇れる産業の歴史があり、その名残があり、新しい知恵で歴史・文化が新たな成長を遂げている様を見る事ができる街。単純に綺麗だ、面白いではなく、日本人としての自尊心を満足させてくれる観光が存在するというのが国内旅行の醍醐味の一つである事を認識させてくれる一日となりました。

【下灘の駅】だけの動画です。


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