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【車中泊旅2024夏7/2~】7/4 Day3:広島県:鞆の浦、阿伏兎観音、尾道ラーメン、自炊でラタトゥイユ

岡山県の道の駅「竹岡ベイファーム」で目覚めた朝。昨日は沈みゆく太陽に向かって全員が西側となるこちらを向いていたヒマワリは、朝は一斉に東を向いていました。朝はそんなヒマワリの撮影から開始。

今日、まず観光で向かったのは広島県に入ってすぐの福山市にある鞆の浦(とものうら)。江戸時代に栄えた港で、当時の面影を今に残している場所でした。その近くにある変わった観音様にも訪問。そこから更に西に進んで、尾道ラーメンでランチ。前回の伝統王道の尾道ラーメン「丸ぼし」さんと比べると、今回はかなり角度のあるフュージョン系でした。明日の島根への北上をにらんで、夜は東尾道で停車。

道の駅で入手したとびっきり新鮮野菜で、自炊ラタトゥイユを楽しんだご報告も。


〇ヒマワリ畑の様子

宿泊した道の駅「笠岡ベイファーム」の隣の敷地に盛大に咲いているヒマワリ。一番先頭に行くだけで5分歩くくらい、長い行列で咲いていました。それはそれは見事な風景でした。この道の駅では四方にお花畑があるので、訪れる度に異なるお花経験ができる。こんな道の駅は初めてだったので、楽しいですね。

〇鞆の浦

かつて海運は、潮の流れを見ながら航行する方式でした。鞆の浦は「潮目を待つ」港として要衝となり、多くの人が行き交って発展していったようです。北前船が廻るようになった江戸時代から明治時代にかけてはそのピークだったとも言えます。

小さな漁港の江戸の痕跡を訪ねる観光。30分くらい歩いて終わるかと思ったら、色々と面白くて2時間近く滞在してしまいました。今まで訪ねた日本の港というと、ピカピカな道の駅や観光客向けの海産物を扱う商業設備を伴った場所がほとんどでした。ですから、今回のように昔ながらの建物が港を取り囲み、港のサイズもさして大きくない、鄙びた中にも風情のある場所というのは国内では初めてという印象です。

自分の旅の経験から近いかなと思う場所は、フランス、ノルマンディ地方、オンフルール(Honfleur)。あそこの風情ある佇まいを思い出しました。

さて2時間近くの滞在中に何を見たのか?以下に私が出会った鞆の浦の風景を書いてみますので、お時間がありましたらお読みいただければ幸いです。

港には江戸時代に作られて今でも残る雁木(桟橋の船着場や土手にある階段)と常夜灯があり、鞆の浦のクラシックな風景の要となっていました。常夜灯の近くから広がる通りには、かつての豪商の家や蔵を博物館にした建物や古い建物を使った食堂などが並んでいます。

この界隈を散策していたら「保命酒」と看板を掲げた、超古めかしいお店が丁度お店を開けるところに遭遇。店内を見せて頂いて、色々と保命酒についての説明を読んでいたら薬用リキュールだと知りました。養命酒、イェーガーマイスター、ウニクムなど世界中に薬用リキュールがあって、結構好きなんですよね、薬草味のお酒。保明酒は江戸幕府から備後の特産品として庇護されてから高級品となり、あのペリーにもふるまわれたという歴史があるそうです。ということで1本買って、夜、飲んでみました。とても甘くてほのかに薬草の味がするお酒です。あまりに甘いので日本酒で割って飲むと、アルコール度数は変わらないまま薬草の味をより強く感じる事ができて、好みの味になりました。

さらに散策していると、家庭料理を出す「おてび」という食堂から出てきた女将らしき人に遭遇。私が「この通りにも古い建物がいくつも残っています」などと解説しながら動画を撮影していたら、それに呼応して「災害や空襲などで大きく破壊されなかったので、何とか江戸や明治時代の建物が今でも残っているんですよ」と教えてくれました。最近、動画を撮影していると、こういう経験をよくします。私が周りの人に話しかけていると思われて、反応してくれるんですね。これ、動画を撮影している余禄として楽しんでいます。

この食堂のある通りには、かつての古民家を改造して増築した「鞆町町並み保存拠点施設(鞆てらす)」もあります。2022年オープンの新しい建物で、鞆の浦の文化、歴史についてのわかりやすい展示・解説を無料で楽しむ事ができました。

東側を少しあがった丘の上には福禅寺對潮楼があります。かつて朝鮮通信使がここを訪ねてきた時に、對潮楼からの眺望が素晴らしいと大絶賛した場所だそうで、ここにも行ってみました。

こうして港町をぐるっと周遊する感じで歩いて回りました。まだ時間が早くて開いていない資料館や展示館などもあり、全てを見られたわけではありませんが、鞆の浦という港町のだいたいの感じはつかむ事ができました。大変に興味深い場所。できたら一泊して地元の産品で食事をしてみたいと思いました。

〇阿伏兎観音

鞆の浦から車で5分ほど離れた場所の断崖絶壁に立つ観音堂です。観音堂は元亀年間(1570年~1573年)に毛利輝元によって創建され,国の重要文化財に指定されているそうです。

古びた観音堂は本堂の周り廊下が海側に傾斜しているので、ゆっくり歩かないと海に転げ落ちそうな場所でもありました。本堂は安産祈願のおっぱいを模した絵馬のような物が、たくさんつり下がっているのが面白かったです。

観音堂自体に上がってみるのも面白いですが、観音堂から反対側の岬にある遊歩道に歩いていくと岬の断崖に建つ観音堂を写真におさめることができます。この写真もなかなか迫力があっていい思い出になりました。

先ほど訪れた「鞆町町並み保存拠点施設(鞆てらす)」には、あのシーボルト博士が描いた、海上から見た阿伏兎観音の写生が展示されていたのを思い出しました。19世紀に見ても21世紀に見てもインパクトは変わらない。そんな場所です。

〇尾道ラーメン

さて、今夜の宿泊場所は東尾道市。ということで、ランチには尾道ラーメンを頂く事にしました。実は6月にも尾道を訪れまして、その時食べた「丸ぼし」がとても美味しかったんです。そこで、今回は別のお店「潮ラーメン でんやす」を訪ねてみました。

「でんやす」はラーメンデータベースの「広島県尾道市」で「丸ぼし」に次いで二位という事で選びました。

一口食べてみて、前回の「丸ぼし」とはかなり違っている印象でした。丸ぼしのようにいりこが強い感じではなく、別の素材が合わさって独特の旨い出汁を作っていると思います。焦がしネギと濃い醤油味が特徴の出汁に、ぱっつんぱっつんの全粒粉の細麺が入っています。出汁、麺ともに考え抜かれているラーメンで、東京などで食べる有名ラーメン店っぽい感じがしました。次回訪れるなら、鯛出汁の塩ラーメンを食べてみたいと思います。

ただし、私の中ではまだ「これが尾道ラーメンだ!」と言えるまでの物がありません。もう数回は王道の尾道ラーメンを食べてみたいという気持ちもあり、なかなか悩ましいところです。

でもまぁ、二回目の尾道でのラーメン体験も満足。尾道に来たらラーメン。これは決まりですね。

〇自炊でラタトゥイユ

今夜は東尾道市の尾道東公園に滞在する事にしました。広い芝生エリアが目に入る清々しい場所で夜はとても静かでした。トイレ棟は公園をはさんで駐車場とは逆の場所にあって、多少不便だったのが多少の難点。

今夜の自炊は「ラタトゥイユ」。道の駅でナス、ズッキーニ、ししとう、トマトが手に入ったので俄然食べたくなった一品です。トマト以外の野菜を多めの油で焦げ目がつくまでじっくりと炒め、トマトを加えてソースになるまで煮込んだら塩・胡椒で味を調整してできあがりです。

驚くほど大量の野菜でしたが、火を通して萎んで全部あっという間に平らげられました。道の駅の夏野菜、本当に美味しくて万歳ですね。

ということで、今日も無事に観光終了。さぁ、明日は一気に出雲に向けて移動します。

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