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本探しにうってつけの日。八重洲ブックセンターに溺れる。

激しい雨天日の午前中、空いていると狙いを付けて八重洲ブックセンター(東京駅八重洲口)に向かった。

最近はオシャレでカフェな書店が人気らしい。

最初に断言しておこう。ここはそんなムードとは無縁実利優先、硬派な書店なのである。

八重洲ブックセンターには、本来の目的である「本との出会い」があちこちにある。なにしろ1階から8階まで、本の数は圧倒的だ。

書棚の陳列も「きれいに見せる」感じではなく、

「面白そうだろ! どやっ」
「あっちもあるよ、こっちも見逃してない?」

みたいなさえ感じるワクワク感。


それでは皆様、私と一緒に回りませんか。
はい、カートを持っていざ出陣。

*私の趣味性優先ですがあしからず。



▼1階は書店のお勧めコーナー

目立つのはSF大作『三体』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。大人気作とあって専有面積もドドン。平積み(書棚の手前に積まれた本)も合わせると、今読んでおきたい本がずらーっと俯瞰できる。

平積みのポップ

オススメコーナーには、文庫本も。

私はこのポップにやられてしまった。F.ブラウンの『真っ白な嘘』の新訳版、残り2冊しかない! 1階は見学だけの予定だったが、1冊カートに入れて確保する。

こちらは「八重洲本屋大賞」(既存のジャンルには収まりきらないスゴイ本)受賞のコーナーだ。

大賞はカルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』と、樋口恭介著『未来は予測するものではなく創造するものである』

『時間は存在しない』は、Kindleの読み放題ですでに読了。

数理が苦手な私でも、なんとなくわかった気にさせてくれる読みやすい1冊だ。特にSF好きの方にはぜひ(文系にも親切なループ量子重力理論本なり)。


▼2階以上のフロア

さて、ここからは2階以上のフロアを見ていこう。


◉建築関連 間取り本にもドラマあり

書店の楽しさはリアルな寄り道。
あっちのフロア、こっちのコーナーと、
まるで「知」のワンダーランドだ。

間取り関連の書棚の中、視線がピキーッとロックオン。『シャーロックホームズの建築』『海外ドラマの間取りとインテリア』、これは気になる。


◉児童文学フロア 大人も気になるラインナップ


6階の児童文学フロアでちょっと足止め。
ポプラ社の絵本やジュブナイル(少年少女向け)本が楽しそうだ。

少年探偵団が懐かしい、江戸川乱歩の「怪人二十面相」シリーズ。

乱歩の下は怪盗ルパンシリーズ。懐かしい南洋一郎先生(ルブラン原作)のジュブナイル本だ。
こういうところからミステリに足を踏み入れる少年少女、いつの時代も絶対数は必ずいる。お心当たりは?


◉文学フロア 整然と雑然のミックス

こちらは生誕を祝う山田風太郎作品の山。
たたき売りっぽい豪快な平積み。

生誕100年 山田風太郎の世界に遊ぶ」や「没後30年 松本清張の沼にハマる」など、テーマ別の著者作品の平積みが一同に。

でも生誕没後ってどうよ。関係ないない。読書はもはや勢いなのだ

清張先生は、没後30周年祭りで登場。
お馴染みのタイトルがずらーり。


こちらは「国書刊行会」のコーナー。凝った装丁で揃えたくなる本がズラリ。これで自分の本棚が一気に格調高くなるというもの。電子書籍派にはわからないだろうなあ。

 

お次はお楽しみ、文庫本のチェックだ

全然オシャレじゃないスチール書棚。
この素っ気なさ、本好き彼氏の部屋みたい。


こちらの書棚は、創元推理ハヤカワポケミス群。こういう書棚が何列もある。書棚手前に積まれた平積みも合わせるとラインナップは豊富だ。

ブックセンターの平積みは、整理されてるのに雑然とした勢いがある。「まずコレ読んでよ、いっぱい出しといたから!」みたいな適度な圧、結構好きだ。


オールタイム(古典)ミステリの平積み。ミステリベストランキング1位に輝いた『ジャック・フロスト警部シリーズ』推しのコーナー。

そこに『カササギ殺人事件』。未読の方、オススメ!


近年作品の平積み。

このコーナー、未読作が多いので手に取ってみた。

まずを読む。そして裏表紙のストーリー紹介目次最初の3〜4ページ読んで判断するのがハルカ流儀。これで心を掴まれたら即買いだ。

良い作品は、出だしもいい


こちらはハヤカワのミステリコーナー。赤い背表紙は、すべてアガサ・クリスティだ。人気の程も窺えるが、ラインナップの多さはさすがクリスティ大先生。偉業である。


勿論、アガサ・クリスティ以外のハヤカワミステリも。上段の黄色い背は大人気の『特捜部Q』。この棚はハードボイルド系が目立つ。


出ました青背。
まずはここをチェック

続いて、ハヤカワの青背・SFコーナー。悲しきかな、SFは絶版が多い

映画『ソイレント・グリーン』の原作『人間がいっぱい』が欲しかったのに、棚になし。検索したらやっぱり絶版……。電子書籍化もされてなくてがっかりだ。

これがあるから迷ったら「買え」。なくなるんだから!
早川書房様、復刻よろしくお願いします!!


オススメ本をチェックしよう。『火星の人』2段平積み。映画『オデッセイ』の原作だ。『華氏451度』も新訳版が出た。すごく読みやすくなっている。悔しいから2冊目はKindleで買う。


noterのMOHさんをはじめ、一部の読書家さんたちで盛り上がっているPKD(フィリップ・K・ディック)

私も便乗させていただいているので、書棚のPKDラインナップをご披露しよう。



最後にハヤカワポケミスからラインナップの一部を。『特捜部Q』がポケミスにも? ポケミスは特殊サイズの2段組ペーパーバック仕様。

本棚で揃えるときは要注意だ。隣の本とビニールがくっついて取り出しにくい。しかもビニールがニチャニチャするので、しょっちゅうお手入れが必要。そういうのも、楽しみではあるのだけれど。

結局、時間切れで全館回れず。まあまた来よう。

ここまで一緒に回って下さった皆様、お付き合いありがとうございました。


こちらが衝動買いの戦利品。前日、Kindleセールで大量買いしたことを忘れてた……。

しばらく本は買えないなと、反省、自戒、開き直り。

この中で面白かった本は、別の機会に紹介させていただこうと思っている。

サムネ写真はPhoto by Noémi Macavei-Katócz on Unsplash


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