川崎フロンターレにハマるきっかけとなった”ある試合”
僕は今、3つのサッカーチームを応援している。
1つ目のクラブは、スペインリーグ(ラ・リーガ)の『FCバルセロナ』。
かれこれ、小学校の時から応援し続けている。理由は単純に、とにかく上手い選手が多く、「あんな選手になりたいな~」と憧れを持っていたからだ。
クライファート(元オランダ代表)やサビオラ(元アルゼンチン代表)がプレーしていた頃から応援しているので、バルサのことは結構詳しいつもりだ。
2つ目は、J2の『ギラヴァンツ北九州』。
理由は単純に、地元のクラブだからである。
昨年はJ2昇格の瞬間を見届けるため、日帰りでホームスタジアム(ミクスタ)に駆け付けた。今年の開幕戦(vsアビスパ戦)も現地で観戦済だ。
そして、3つ目がJ1の『川崎フロンターレ』
縁もゆかりもないはずのチームに、僕はいつの間にか夢中になっていた。その理由は、”ある試合”が大きな要因となっている。
3年前まではフロンターレに興味すらなかった
大学の4年間、住んでいたのは東横線沿の日吉駅。
等々力陸上競技場の最寄駅にあたる武蔵小杉駅からはたったの2駅。家から等々力まで、自転車でも行けてしまう距離だった。
しかし、大学生の頃に等々力へ行った回数はせいぜい3,4回。
そのうち1回は、サッカー部の早慶戦の仕事であった為、フロンターレの試合は実質2,3回しか観戦していない。年に1回行くか行かないかの頻度だ。
何故興味がなかったかと言うと、大学生の頃はウイニングイレブンで自分のチームを強くしていくことにしか興味がなく、Jリーグの観戦なんかそっちのけだったことが大きい。
という過去の話はさておき、社会人3年目に入るくらいまでは、フロンターレを応援する気はさらさらなかった。
「DAZN」がフロンターレの試合を見る機会を提供してくれた
しかし、社会人3年目になる頃からは、何となくフロンターレに興味を持つようになっていた。
きっかけは、DAZNでJリーグの試合を多く観戦するようになったことだ。DAZNと契約するまでは、「JリーグはBSでみるもの」であったから、自分で観戦する試合を選ぶことができなかった。
しかしDAZNを付けると、Jリーグの全試合が生中継されている。
面白そうな試合を選んで見ることができるし、面白くなければ、他の試合へとスイッチすることもできる。
こうやって週末はきまって、DAZNでJリーグ観戦することが日課となっていたわけだが、無意識のうちに川崎フロンターレの試合を観戦していることが増えてきていた。
理由は、フロンターレが繰り広げるパスサッカーがあまりにも美しく、あのバルセロナを彷彿とさせるような試合をしていたからだ。
正直この時点ではまだ、試合結果はどうでもよかった(即ち、応援はしていなかった)が、少なからず「面白いサッカーを観戦しに行きたいな~」という気持ちは芽生え始めていた。
2017年10月14日(土)@等々力陸上競技場
興味を持ち出して直ぐ、僕は友達を誘って等々力へ足を運んだ。行けば行くほど、フロンターレの虜になった。
DFからFWまで全員がとにかく上手い。
中村憲剛は目が何個付いてるんだと思うほど視野が広い。
エウシーニョはFWかと勘違いするほど超攻撃的。
大島遼太は天才。
小林悠は画面越しでは分からなかったが、DFと何度も駆け引きしている。
家長はどのポジションなんだ?というくらい自由に動き回っている。
観戦を重ねていくうちに、フロンターレのゴールが決まって喜んでいる自分がいることに気が付き始めた。
そして次第に、友達を誘わずに一人でも等々力へ足を運ぶようになってきた。そんな一人で行った”ある試合”が大きな転機となる。
2017年10月14日(土)15:00キックオフ @等々力陸上競技場
川崎フロンターレ vs ベガルタ仙台
中村憲剛が「一生忘れない試合」と語り、のちに2017シーズンのJリーグベストマッチに選出された試合だ。
僕はサポーターが集う席の直ぐ近くに一人で座った。サポーターの盛り上がりを体感してみたかったからだ。
川崎フロンターレのスターティングラインナップは以下の通り。
GK チョン・ソンリョン
DF 車屋, 谷口, 奈良, エウシーニョ
MF 森谷, エドゥアルド・ネット, 家長, 中村, 三好
FW 小林
フロンターレの試合の入りは最悪だった。 ミスも多く、選手も眠っているように元気がなかった。
この悪い流れが影響したのか、前半42分には、1枚イエローカードをもらっていた家長が2枚目のイエローカードをもらってまさかの退場。しかも、主審の判定が不可解だっただけに、スタンドからはブーイングの嵐。
前半ロスタイムには、ベガルタの野津田に先制点を許す。
そのまま前半は終了。
選手と審判が控室に引き上げる際、判定に納得のいかないフロンターレサポーターからは、審判陣に対して怒号が飛び交った。
普段は比較的大人しく観戦しているメインスタンドのフロンターレファンも、珍しく立ち上がってブーイングをしていたことが印象的だった。
そして、雰囲気は最悪のままあっという間に後半がスタート。
フロンターレは後半開始から、明らかに集中力を欠いていたネットに替えて、長谷川竜也を投入。
しかし、こういう悪い日はとことん悪くなるのがお決まり。
あっさりと後半15分に追加点を奪われ、0-2(得点は、ベガルタの石原)。
斜め前にいた水色を着たカップルは、この時点で諦めて帰ってしまった。おそらく他にも、2失点目を喫した時点で会場を後にした人は多くいただろう。
それもそのはず。
後半15分の時点で0-2。しかもフロンターレは10人。
僕も正直、「あーあ」と思いながら半分諦めていた。
しかし、この試合のドラマはここから始まった。
流れが変わり始めたのは、知念とハイネルを投入してから。
特にハイネルの動きが頗る良く、疲れ始めた相手に何度もドリブルを仕掛けて明らかに脅威になっていた。
そして、攻め続けていたフロンターレに希望の光が差し込んだのは、後半37分。
エウシーニョがペナルティーエリアの外からスーパーミドルシュート!
これがネットに突き刺さり、等々力の雰囲気が一気に変わる。
息を吹き返したサポーターの声援は倍以上になり、誰もが「これはいける!」という雰囲気を感じ取っていた。
完全にエンジンのかかったフロンターレが再びベガルタゴールに襲い掛かる。そして、エウシーニョのゴールから僅か2分後の後半39分。
等々力が熱狂の渦に包まれた。
決めたのは小林悠!
エウシーニョのゴールに劣らないスーパーミドルシュートだった。
僕は横にいたお兄さんと力強くハイタッチ!!
もうこの瞬間、僕の心は完全にフロンターレにあった。
僕を含め、2点目が入った時から、会場にいる全員が立ちっぱなし。
数分前まで不満を垂らしていた近くのおじさんも「いけ!!いけ!!」と完全にハイになっている。この素晴らしい等々力の雰囲気に、僕は感動してウルウルときていた。
同点ゴールが決まっただけでも感動的だったが、この試合のドラマはここで終わらなかった。
時間は、同点ゴールから3分後の後半42分。
ベガルタはこの時間での同点ゴールには動揺していたのか、ディフェンダーが安易なパスミス。
この瞬間、スタンドの全員が「よし!!いけ!!!」と叫んだ。
カットした長谷川がドリブルで前へ運び、小林悠へパス。
同点ゴールを決め完全に”ゾーン”に入っている小林は、そのままミドルシュート!!
これがまたもやネットに突き刺さり、逆転ゴール!!!
僕は我を忘れて大声を上げながら、横のお兄さんと無意識のうちにハグをしていた。
正直、スタジアムでこんなに感情を揺さぶられたのは初の経験だった。
試合はこのまま、3-2で終了。稀に見る大逆転勝利だった。
大逆転勝利の後、早速、公式HPでユニフォームとタオルマフラーをポチった。そしてこの日を境に、僕は何度も等々力に足を運ぶようになった。明らかにこの日から、僕はフロンターレの”ファン”になっていた。
そしてこれまた幸いなことに、この年、フロンターレは初のリーグ制覇。
当然僕も、等々力で優勝の瞬間を見届けた。しかも最終節で「アントラーズが引き分け以下、フロンターレが勝利」しないと優勝には届かないという条件であった為、奇跡の逆転優勝となった。
この初優勝から2年以上が経過しているが、僕は今でもフロンターレを応援している。
ACL(アジアチャンピオンズリーグ)でレッズに大逆転負けした埼玉スタジアム
セレッソに完封負けしたルヴァン杯の決勝(これまた埼玉スタジアム)
コンサドーレに勝利して初優勝したルヴァン杯の決勝(またまた埼玉スタジアム)など観戦し
喜怒哀楽全てを楽しませてもらっている最中だ。
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