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父子コーチングを始めたら中2の息子に笑顔が増えた話 【108/200】

子どもの成長は早いもの。

中2の長男は、もう背も同じくらいになってきました。

彼が成長するにつれて、ご多分にもれず、我が家の父子の会話は減りました。


■嫌なことを言われる時間

何を話したらいいかわからない、というのは本当だな、と思いつつ、話すきっかけはほとんど注意することばかり。

それくらいしか、話しかけるきっかけが思いつかなくなってしまっていたわけで。

息子からしてみれば、親父との会話は「嫌なことを言われる時間」になってしまっていただろうな。

他人の子どもであれば気にならないことが、実の息子となると、あれこれ気になって、つい厳しく言ってしまう。

長く教育界隈に関わってきて、素晴らしい先生方の子どもたちとの向き合い方を学んできたつもりでいたのに、自分事となると、あっさり己の未熟さをつきつけられた、というわけです。

いやほんと「知っている」と「できる」は果てしなく遠い距離にあるものだと改めて実感。


■ステイホームと試行錯誤

このままじゃダメだなと考えてきていた中で、コロナ禍でステイホームが増えて、彼と一緒にいる時間が一気に増えました。

これをチャンスにと、どうやったらもっとうまく彼と話ができるかを試行錯誤してきました。


同じテレビを見る。

散歩や買い物に誘う。

キャッチボールをする。

いろいろやってみた中で、一番効果があったなと思うのが「コーチング」でした。


■父子コーチングの開始

ある日、彼に提案をしてみました。

「毎週少しずつコーチングをやってみない?」

彼は(父親の僕が言うのもなんだけど)基本的に素直でいい人なので、よくわからないながらも、提案を受け入れてくれました。

コーチングは受ける本人の意思や同意が必要だし、本人が主役なので、本来、僕から持ちかけるのもおかしな話。

でも「しっかり会話をする時間」をつくるために、なんらかの誘い文句というか、きっかけが欲しかった。

そこで「コーチング」ってものがあってね、一度やってみない?と声をかけてみたわけです。


■ただ、聴く。目を合わせる。

僕らの父子コーチングは、正直あまりコーチングのナレッジを意識せずに、「対話をすること」にほぼすべての意識を集中しています。

「傾聴」と「対話」。

「嫌なことを言われる時間」とならないように、僕自身も自己開示をして、自分の思っていること、感じていることを話します。

父と息子、という関係を横に置いて、対等な関係でおしゃべりすること。

とにかくそれに集中。

リビングから移動して、彼の部屋もしくは僕の部屋でL字の位置で床に座って、お互いに話をします。
今週あったこと、嬉しかったこと、うまくいったこと、嫌だったこと、悔しかったこと。
今週の自分はイケていたのか、あまりイケていなかったのか。などなど。


彼は主に、学校のこと、勉強のこと、部活のこと、友達のこと。

僕は主に、音楽活動のこと、NPOや会社の仕事のこと。

問いに対して特に思い起こすことがなければ、無理に何かを話さなくてOK。

時々、僕の悩みを彼に相談して意見や感想をもらいます。


対話を通じて、自分自身、気がついたことありました。

彼の目をしっかり見て話すことを、僕が無意識のうちに避けてしまっていた、ということ。

うまく会話が続かなかった時期に、おそらく心理的に自分を守ろうとしてしまっていたのでしょう。

それはきっと、彼の気持ちをより遠ざけていたはず。

ちゃんと目を見て、しっかり相手の話を聴くこと。

幼稚園で習ったことを、もう一度しっかり心がけようと、反省したわけです。

問題は、父の方が大きかったなぁ、と。


■「手帳」は最強の対話ツール

僕らの父子対話には、ひとつだけ持ち物があります。

手帳です。

会社で長年お世話になっている取引先様から、毎年頂戴しているオリジナル手帳。

もう20年近く愛用してきて、スケジューラーとしても、日記帳としても、アイデアや計画のスケッチブックとしても、大活躍してくれています。

最近は息子分もいただくようになり、彼も自分なりにいろいろ試しながら、時間の管理や、タスクの管理を練習しています。


今週のこと・来週の予定とお互いに話した後、僕たちは時間の使い方について話します。

手帳は、何があったかを思い出すことにも、これからの予定を考えることにも、そして、時間の使い方を分析することにも、役立ちます。

平日・休日ごとに、だいたいどんな時間の使い方をしたいのかを書き出しておき、実際そのように時間を使えたのかを毎週振り返ります。

部活の予定、定期テストの予定、学校の特別な行事や課題、予定はそういういろんなイベントによって左右されるわけで、それを踏まえてどう過ごすのかを話していると、彼がどんな生活を送っているのか、どんなイベントに対して何を考えているのか、よくわかるようになりました。

「何を話していいかわからない」と思っていたのが嘘のように、話すことがたくさん出てきます。

うまく時間を使えているときはとても自信になり、乖離が大きいときは、目標の時間配分を改めて考え直したり、行動の工夫を考えたり、手帳を見ながら、書き込みながら、対話をします。

手帳があることで、対話がスムーズになり、手帳を使って一緒に考えることで、「がんばります」みたいな精神論じゃなく、具体的な行動計画が共通認識になるわけです。

長年、手帳をいろんなことに使ってきましたが、対話ツールとしてもめちゃくちゃ使える、というのは、最近の大きな発見でした。


■笑顔が増えたのは息子よりも

「コーチング・対話のおかげで息子の笑顔が増えた」というのは正確じゃないかもしれません。

きっと僕自身が、
彼の話をちゃんと聴くようになり、
彼の目を見て話すことができるようになり、
彼に受け入れてもらえた安心感を得て、
笑えるようになった、ということなのでしょう。

僕が安心して笑うことで、彼も笑顔を僕に出してくれるようになった。

きっと、そういうことなんじゃないかと思います。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

そういう人になれるように、これからも、子どもたちから学び続けていきたいと思います。


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