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別所隆弘
2021年3月9日 21:37
小笠原滞在の9日目は、静かに始まったと記憶している。その日の前日も4時まで撮影していて、そのまま成果なく引き上げ、朝は7時半に起床。睡眠は3時間ほどで、頭は相変わらずぼんやりしている。でも前日「やるべきこと」をようやく見つけた気持ちでいたので、心は軽い。宿のおかあさんが作ってくれる朝ごはんをしっかり食べた後午前中は小笠原の固有種にして、食物連鎖の頂点に立つ猛禽類、オガサワラノスリの撮影
2021年2月25日 12:00
連日連夜、2月の天の川なんて撮るべきでない。天の川が出てくるのはだいたい3時半を過ぎた頃、完全に現れるのは4時過ぎ、天文薄明が終わるのは5時前。チャンス少な過ぎ、条件厳し過ぎ。「絶対に小笠原のこの場所で天の川を撮るんや!」と決意して二日目。この日のスタートも(というかDay 7の終わりともいうけれど)、この通り空振り。これが天体撮影というものですよね。いやー、きつい。ちなみにこの神々しい光
2021年2月18日 15:34
ここにきて割とガチ目のトレッキングすることになるとは流石に予想外でして。というわけで、小笠原のDay 7は山登りからスタート。あれだけエモい海を毎日見せつけておきながら、山に来るとしっかり山感を出してくる小笠原が愛おしい。いやしかし、圧縮効果が多少効いてるとはいえ、割と山高いよ?聞くと片道3キロ。まじで遠いやん。ワーケーションで来てるはずなのに、毎晩の深夜撮影で睡眠不足気味の足がすでに萎え
2021年2月4日 12:00
小笠原諸島の南島は楽園だった。父島の南にあるその島は、外来種を入れないために靴を海水で洗い、ガイドさん同伴でないと入ることができない。というよりは、ガイドさん無しでは近づくことさえ出来ない。島の周辺は激しい波が押し寄せる難所のようで、カオス理論でも予測不可能な、複雑で激しい波にその島は守られているからだ。でも一旦そこに到達すれば、待っているのは少し現実感を失うような見たこともない光景。歩い
2019年11月14日 14:00
旅のはじめはThe Whole Earthという大層な名前のレストランから。全地球と言いながら、タイとインドと中国料理しかないのだが、だいたいそれだけで世界の半分くらいカバーできてそうだから、あながち誇大広告とも言えない。このレストランの名前には少しだけグッと来る。インターネットが始まる前、今のネット世界をまるで先取りしようとしていたかのような雑誌、Whole Earth Catalogueを
2019年11月27日 23:47
だまりがちになるのは路面の酷さのせいだ。早朝4時から、タイ北部のチェンライという街を目指す。ほとんどミャンマーとの国境の町。チェンマイから距離にして190キロ離れている。190キロ程度、日本ならせいぜい高速道路で2時間ちょいといったところだが、首都周辺こそよく整備されているタイも、地方だとそうはいかない。道路はいまだに整備中で、泥と小石と水でグズグズになった道が縦横を走っている。その一本を